2022年4月17日(日) 鎌倉駅~ホテル~キビヤベーカリー~報国寺へ
これまでどおり、コロナ対策はバッチリ!
ワクチン接種証明書(3回終了・コピー)を携え
2カ月ぶりのお泊り旅行に出発した。
今回の目的地は、電車に乗れば1時間少々で着いてしまう古都・鎌倉。
これまで十指に余る回数訪れているが、ことごとく日帰り。
海外に出るのがいまだ厳しい状況が続くなか
大荷物を引きずってウロウロするのも面倒になってきた今日この頃。
試しに"ご近所"の駅前ホテルに一泊してみることに。
午前10時過ぎ。
曇りがちの空の下、小さなスーツケースを転がし最寄りの駅へ。
中央林間で小田急江ノ島線に乗り換え、藤沢駅からはJRで大船を経て鎌倉駅まで。
乗り換えこそ多いものの、最も早く、おまけに一番安いルートだ。
大船駅を出る頃、ようやく車窓に緑が広がり「旅っぽくなった」と思う間もなく
11時半前には宿泊地の鎌倉駅に到着してしまった。
ちょっと早すぎたかな・・と思いつつも、徒歩一分の駅前ホテルへ直行。
ーー「もちろんです」と快く荷物を預かってもらえた。
いよいよここからが、鎌倉観光の始まりだ。
とはいえ、日曜日とあって駅や小町通、若宮大路などは、観光客の姿でいっぱい。
予想していた通り、人気の定番観光地や江ノ電の旅は避けた方がよさそうだ。
ともあれまずは、腹ごしらえ。
お店でランチを食べる時間がもったいないので、軽くとパンで済ませることに。
観光案内所でマップをビックアップ。
そのまま地下道を抜けて、西口商店街・御成通りを南下する。
観光客でごった返す小町通りよりも、こっちの方が好き。
こじゃれた店を眺めながら5~6分も歩き
細い路地を左にちょっと入ると、丸々太った猫の看板が迎えてくれた。
50年以上地元で愛され続けるパン屋さん、KIBIYA BAKERYだ。
ギョロ目の猫が目印。
入口脇にも、もう一匹。
気が付けば12時を回っていたが、店の前には先客が二人ほど並んでいた。
コロナ対策もあり、一度に2人(orひと組)しか入れないらしい。
ちょっと覗いてみると確かに店内は狭く、自由に動けるスペースは一本の通路のみ。
四人も入れば身動きも取れなくなりそうだった。
それでもテイクアウトだけなので、5分も待たずに順番が回ってきた。
様々なパンと、香ばしい匂いが立ち込める店内に足を踏み入れ
人気商品「くるみパン」「はちみつカンパーニュ」など、定番をいくつか購入する。
迷ったものの、待つ人もいるので結局「定番」づくしに・・
「土日限定」の四文字に負け、右手の「ブリオッシュ」も購入。
その後、しばらくさ迷った挙句、若宮通り沿いのベンチでいただくことに。
(2階でカフェも営業していることは、後になって気づいた)
んで、感想。
「自家製酵母、無農薬国産小麦を使った石臼焼きの全粒粉パン」と謳うだけあって
小麦と酵母の香りが口いっぱいに広がる。
中身もぎゅ~ッと詰まっていて、重厚かつ濃厚な食べ応え。
余計な香辛料や砂糖・調味料は最小限に抑えられ、まさに「素材で勝負」。
"噛めば噛むほどおいしくなる"という、スグレものだ。
密度が高い分、ボリュームもハンパなく
ふたりで半分こにした、一個目の「くるみパン」だけで
ほぼ空腹は満たされてしまった。
せっかくだから、と買った土日限定のブリオッシュは楽勝だったが
3つ目の「さくらアンパン」で、はやくも満腹状態。
ラスト「はちみつカンパーニュ」は、ひと口ずつ味見しただけで精いっぱい。
あえなく〈非常食〉と命名し、デイバッグの中にしまいこんだ。
さあ。これから夕方まで、どこでなにをしようかな・・。
日帰りと違い、一泊できると思うと、なんだかすごい気分が楽だ。
"帰りの時間"を考えなくていい、というのは、こんなにも違うものなのだな。
変なことに感心しつつ、多くの車と観光客が行き交う若宮大路を眺める。
ーーうん。やっぱり、今日は「ローカル」を目指そう。
混雑必至の交通機関には頼らず、徒歩圏でカバーできるお寺巡りだ。
途中で疲れたら、そこからバスにでも乗って戻ればいい。
いくつか候補に挙げておいたコースのうち
庭の花が楽しめそうな、金沢街道方面の寺社を訪ねることにした。
葉桜の段葛をゆく。来年こそは満開時に・・でも観光客でいっぱいだよな~
ちなみに今回利用したホテル。4階右端の部屋に泊まった。
そのまま若宮大路を北上、鶴岡八幡宮の門前を東に折れて金沢街道に入る。
日曜日だけあって、路上には延々自家用車の列。
・・これじゃ、のんびり鎌倉を愉しむことはできないよな。
自分たちがさんざっぱら繰り返して来た"ドライブ観光"の慌ただしさを
歩道からの"上から目線で"呟いてしまう。
それにしても、このあたりの「雪ノ下」という地名はオシャレだ。
一瞬、自分の住所に「雪ノ下〇丁目」と記入することを夢想してしまったよ。
他にも、いかにも由緒ありそうな地名がそこらじゅうに残っているのも
鎌倉の隠れた魅力のひとつといえそうだ。
そうこうするうち、車の列が途切れたと思ったら
鎌倉でもっとも古い(という)寺・杉本寺の前を通り過ぎ
最初の目的地・報国寺の入口に、たどり着いていた。
そして車道を離れ、寺へと向かう分かれ道に入ったとたん・・
あんなに喧しかった車のエンジン音がすっと消え
なんともいえない"森の気配"が、あたりを支配し始める。
しかも、その静けさを引き立てるように
ホーーーッ、ホケキョ。
瑞々しくも華やかな、ウグイスのさえずりが。
多くの車が行き交う道を、ちょっと離れただけで
こんなにも豊かで鮮やかな自然に、出逢うことができる。
・・だからみんな、鎌倉が大好きなんだよなぁ。
この日初めて、心底「鎌倉に来てよかった」と噛み締めつつ
緑の木々に包まれた、報国寺へと続く細道を、ゆっくり歩いてゆく。
"花めぐり"その1――報国寺の門が見えてきた。
ではでは、またね。