問答無用の〈スパルタ乗馬〉atトリニダー キューバふたり旅 2020.2.26-3.5 4日目(その1)

2020年2月29日(土) トリニダー&その近郊

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馬上から眺めるトリニダーの家並み

朝、7時30分ごろに起床。

部屋は快適でベッドの寝心地もよく

たぶん今回の旅で初めて、ぐっすり眠ることが出来た。

ゆっくり支度をし、8時ちょい前

朝食の場所と教えられていた屋上(2階)のテラスへと登る。

真っ青な空のした、サンサンと朝日が降り注ぐ東屋風のテラスは

そこにいるだけで、めちゃくちゃ気持ちいい。

周囲の建物も平屋ばかりだから、遠くまで見渡すことができ

早くも汗ばむほど強い陽射しも忘れ、しばしぼーっとしていた。

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朝食テラスは〈屋根の上の特等席〉

一番奥の大きなテーブルの上に、何枚ものお皿が並んでいて

どうやらここが我々の定位置らしい。

すでに、グァバ―ジュース、ミルク、コーヒーなどの飲み物と

数種類のパン、サラダなどが用意されている。

しかも同時刻に朝食を摂る宿泊客はいないらしく

完全な〈ふたり占め状態〉。

これなら、のんびりゆったり楽しむことができそうだ。

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食べ終わりかけたところで、あわててパチリ

さっそく、飲み物を頂いていると

ほどなく女主人が、出来立ての料理皿を持ってきてくれた。

ハムサンドにタマゴ料理。フルーツとスイーツ。

とても食べきれないほどのボリュームだ。

もちろん、味も言う事なし。

特に新鮮で濃厚な味わいの野菜とフルーツが美味しかった。

さすが、観光の町トリニダーでも評判の宿と言われるだけのことはある。

思わず「ムイ・ビエン!(最高だよ)」と声を掛けると

女主人はニカッと笑顔で応える。

言葉にしなくても、"当然でしょ!"という自信のほどが伝わってくる。

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あちこちに鉢植えのサボテンが

時間をかけてしっかり食べたつもりだったが

最初の予想通り、パン類の半分近くを残してしまう。

食べきれない分を持ってけば、昼食はいらなかったな・・と

いつもの〈もったいないオバケ〉が顔を出す。

そう。あらかじめ、この「豪華な朝食」のことを知っていれば

数時間後に訪れる〈悲劇〉に見舞われずに済んだのに。

 

結局、コーヒーやお茶を飲んだりして

9時近くまで屋上テラスで過ごす。

その後、まだ本調子にはほど遠い状態の腹具合をなだめつつ、トイレ休憩。

「乗馬ツアー」の出発時間を10時にしておいたので

朝からバタバタせずに、余裕をもって用意することができた。

 

小一時間ほど、部屋のベッドでゴロゴロしたりのんびり過ごし

5分前には、いつもの裏口から路上に出てみた。

昨日、料金交渉したガイド役の人から

「直接宿まで迎えに来る」と聞いていたので

(その後どうするかは、何も確認していなかった)

時間前には、宿の外にいたほうがよさそうだと思ったのだ。

 

高い建物がないせいで、妙にだだっ広く感じる通りの左右をチェックするが

これといって「迎え」らしき人や車は見当たらない。

まだちょっと早かったかな・・いったん宿に戻ろうか。

と、そのとき、正面の50メートルほど先の路上で、大きく手を振る人の姿が。

ずいぶん愛想のいい奴だな、と思ったら、昨日のガイド本人だった。

ジェスチャーから判断すると、「ここまで来てくれ!」と言ってる雰囲気だ。

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何気なくレンズを向けたら、ガイド(中央)と馬(右端)だった。

あわてて裏口扉に鍵をかけ、路上の丸石に足を取られながら近寄って行くと

すぐ右手の崩れかけた壁沿いに、3頭の馬がたたずんでいた。

なるほど、ここで全部の用意を済ませて、待っていてくれたのだ。

それにしても、他に観光客の姿はない。

ホントに〈貸し切り状態〉で、ガイドしてくれるようだった。

 

最初に、何か心構えとか注意点とか説明してくれるのかと思ったら

いきなり、有無を言わさず鞍の上に押し上げられる。

実に、十数年ぶりの乗馬だ。

一気に視点が高くなり、見下ろす感じが気持ちいい。

相方も続いて、もう一頭の鞍上へ。

すぐに、それぞれ騎乗した馬の手綱を握らされ

カタコト英語で「前進」「停止」「右折」「左折」といった

手綱さばきの基本を教えてもらう。

レクチャーは、以上で終了。

あれよあれという間に、乗馬ツアーが始まってしまった。

 

どうやら、黙っていても馬が勝手に歩いてくれるから

あとは乗りながら慣れろ、ということらしい。

事実、ガイドの乗った馬がポコポコ歩き始めると

私たちの馬も、大人しく後をついて・・・いかない。

特に相方の手綱に余分な力がかかっているらしく

まっすぐ馬が歩いてくれず、ガイドがつきっきりでサポートし始めた。

 

おい、ちょっと待て。

いい年くらったオッサンだから経験者と勘違いされたのかもしれないが

こっちだって、ほとんど初心者なんだぞ。

ほんとにこれで大丈夫なのかよ・・と、一瞬不安になったものの

ま、馬のほうが慣れているんだから、そんなに心配することもないだろう。

あわてず、騒がず、基本「お馬さん」に任せれば、なんとかなるはず。

とにかく平常心を心がけよう。

 

肩の力を抜いて、背筋を伸ばして、正面に視線を移せば

そこには、パステルカラーのトリニダーの街並み。

こちらが急な動きさえしなければ、馬は大人しく歩いてくれる。

なにより、2メートル半という視点の高さと

〈馬を通じて地面と繋がっている感触〉が、すごく新鮮で気持ちいい。

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いったいどこまで行くのやら・・

かくして、我ら2人と専属ガイドだけの

《トリニダー半日乗馬ツアー》が幕を開けたのだった。

 

ではでは、またね。