大部分は文庫と新書だが
気づいた時に購入しておいた〈読みたい本)が
1000冊の大台の乗った昨年後半。
――このままでは、いけない!
と、真剣に《読書システム》を考えなおすことにした。
なぜなら、その時々の〈読みたい気分〉を優先して本を選ぶと
どうしても作家やジャンルが偏っていき
読みなれた作家に比べてやや敷居が高くなりがちな
外国人作家やアンソロジー(国内・海外を問わず)などを手に取る機会が
ほとんどゼロになることに気づいたからだ。
もちろん、読み慣れた作家のページをめくるのは楽ちんで確実だが
言い換えればそれは、自分の回りを見えない壁で囲い込み
未知の感動に至る道を閉ざしてしまう
〈心理的引きこもり生活)と変わらないのではないか。
といった危機感を抱いたのである。
そんなわけで、今なお試行錯誤の途中ではあるが
明らかに、これを採用した結果
◎「次に読む本」に迷って時間を無駄にする事態は皆無となり
◎これまで手が出なかった未知のジャンル・作家の作品に出会えるようになり
◎中断していたシリーズ(連続)ものを再読する機会にも恵まれた
など、読書を巡る〈風遠し〉が、一気に良くなったのだ。
それを仮に――『サイコロ読書システム』と呼びたい。
では以下、その概略を説明しよう。
(あくまで私個人のやり方であり、いかようにでもアレンジして欲しい)
▲まず、スケジュール帳などカレンダー付の手帳を用意。
このシステムを使用する月のページの一辺を使って
縦方向に♂♀(オスメス)の印を交互に書き並べていく。
これが一作品ごとの見出しで、言うまでも無く♂♀は作家の性別に相当する。
早い話、男女交互に作家名を書き入れる空欄を作ったわけだ。
▲これとは別に、手帳の一角に
②④⑥⑧⑩とやはり縦方向にひとつずつ数字を並べる。
それぞれの隣に「M」「H・SF」「ラ・タン」「大・レン」「S・An」と記す。
②「M」④「H・SF」⑥「ラ・タン」⑧「大・レン」⑩「S・An」だ。
もう気づいた方もいるだろうが、各単語は小説の特徴に相当する。
※M⇒(自分にとって)メジャーな作家。
H⇒歴史小説 SF⇒SF小説 ラ⇒ラノベ タン⇒短編集 大⇒単行本
レン⇒連続もの S⇒シリーズもの An⇒アンソロジー(複数の作家)
・・といった分類になる。〔レンは分冊もの、Sは同じ設定の作品〕
※で、この数字が最初に並べた♂♀連続見出しの「間隔」だ。
例えば「M」は②だから、♂♀♂♀の1番目と4番目に適応されるし
「タン」は⑥だから(中6作)ごとに適応されることとなる。
※以下、このルールに従って、各単語を♂♀の左側に書き込んでいく。
※そして、ご自身の膨大なストック本のなかから
この書き込みに対応する作家(作品)をチョイスし記入。
あとは、記載事項に従って《順番通り》読んでいけばいいだけだ。
しかしながら私の場合、上記の条件(ジャンル)分けでは不十分だと判明。
また、記号の間隔が同じなため、同一パターンが繰り返されるのもつまらない。
そこで、さらなるアレンジを加えることに。
そう――サイコロシステムである。
たまたま手許に、パーティーグッズ?の残り物なのか
赤・白・黒と3色の小さなサイコロがあった。
そこで、これらの色に対応させた《追加条件》を
上記で示した『中✖作』の♂♀連鎖に上乗せしてみたのだ。
▲②④⑥⑧⑩+単語リストの隣に
それぞれ〇で囲った「R」「W」「B」を、やはり縦に並べる。
次に、Rの脇に「中」、Wの脇に「外」、Bの脇に「N」を記入する。
※中⇒途中でストップした続き物を再開する。(意外にこれが多い)
外⇒外国人作家
N⇒未読の作家(新人とは限らない)
▲3つのサイコロを同時に振り、それぞれの目に『中✖作」を対応させて
♂♀連鎖の脇に「中・外・N」を書き添える。
最終的に、各♂♀に付加された条件に対応した作家(作品)を
ストックの中から選び、(私の場合は)作家名を記入していく。
▲あとは、書き込んだ順番に作家(作品)を読んでいくだけだ。
※作家によっては10冊以上未読本があるが、その場合、
基本的には発表(出版)順に古い方から読むように心がけている。
もうちょっと具体的に説明しないとわかりにくいかな?
〇たとえぱいま、わたしのスケジュール帳の「8月」の見開きページには
こんな謎めいた記号と作家名が上から順に並んでいる。
中外♀LMビジョルド②
N♂住野よる
SFM♀恩田陸
中SH♂北方謙三④
タン♀多和田葉子
レンラM♂暁なつめ〇
大♀平安寿子
外NSF♂Cミエヴィル
中HM♀北原亜以子〇
An♂Story Seller2
外♂DWジョーンズ②
NタンM♂宮内悠介
※ちなみに、〇の中の数字は同一作家の冊数。
空白は「何冊で一区切りになるか、まだ未定状態」という意味だ。
むろん《単語=条件》の組み合わせが、毎回ピタリと決まるわけではない。
メジャー・歴史・SF・ラノベなどの条件分けも、かなり適当だ。
直前になって・・やっぱりこの作家に変えよう!というケースもあった。
それでも、このシステムを採用したおかげで
間違いなく「死ぬまで読まない」作品に出会えたことは確実なのだ。
この一点だけでも、『サイコロ読書システム』は成功だったと、確信している。
もし、毎回のように「次に読む本」に迷っている方がいらしたら
ぜひとも、お試しあれ。
必ずや、思いがけない小説世界に出逢えるぞー。
ではでは、またね。