どの本から読むか困っている人にオススメ! サイコロ読書システム(仮) ストレスなく本(小説)を楽しむ法③

大部分は文庫と新書だが

気づいた時に購入しておいた〈読みたい本)が

1000冊の大台の乗った昨年後半。

――このままでは、いけない!

と、真剣に《読書システム》を考えなおすことにした。

 

なぜなら、その時々の〈読みたい気分〉を優先して本を選ぶと

どうしても作家やジャンルが偏っていき

読みなれた作家に比べてやや敷居が高くなりがちな

外国人作家やアンソロジー(国内・海外を問わず)などを手に取る機会が

ほとんどゼロになることに気づいたからだ。

もちろん、読み慣れた作家のページをめくるのは楽ちんで確実だが

言い換えればそれは、自分の回りを見えない壁で囲い込み

未知の感動に至る道を閉ざしてしまう

心理的引きこもり生活)と変わらないのではないか。

といった危機感を抱いたのである。

 

そんなわけで、今なお試行錯誤の途中ではあるが

明らかに、これを採用した結果

◎「次に読む本」に迷って時間を無駄にする事態は皆無となり

◎これまで手が出なかった未知のジャンル・作家の作品に出会えるようになり

◎中断していたシリーズ(連続)ものを再読する機会にも恵まれた

など、読書を巡る〈風遠し〉が、一気に良くなったのだ。

それを仮に――『サイコロ読書システム』と呼びたい。

 

では以下、その概略を説明しよう。

(あくまで私個人のやり方であり、いかようにでもアレンジして欲しい)

▲まず、スケジュール帳などカレンダー付の手帳を用意。

 このシステムを使用する月のページの一辺を使って

 縦方向に♂♀(オスメス)の印を交互に書き並べていく。

 これが一作品ごとの見出しで、言うまでも無く♂♀は作家の性別に相当する。

 早い話、男女交互に作家名を書き入れる空欄を作ったわけだ。

▲これとは別に、手帳の一角に

 ②④⑥⑧⑩とやはり縦方向にひとつずつ数字を並べる。

 それぞれの隣に「M」「H・SF」「ラ・タン」「大・レン」「S・An」と記す。

 ②「M」④「H・SF」⑥「ラ・タン」⑧「大・レン」⑩「S・An」だ。

 もう気づいた方もいるだろうが、各単語は小説の特徴に相当する。

※M⇒(自分にとって)メジャーな作家。

 H⇒歴史小説 SF⇒SF小説 ラ⇒ラノベ タン⇒短編集 大⇒単行本

 レン⇒連続もの S⇒シリーズもの An⇒アンソロジー(複数の作家)

 ・・といった分類になる。〔レンは分冊もの、Sは同じ設定の作品〕

※で、この数字が最初に並べた♂♀連続見出しの「間隔」だ。

 例えば「M」は②だから、♂♀♂♀の1番目と4番目に適応されるし

 「タン」は⑥だから(中6作)ごとに適応されることとなる。

※以下、このルールに従って、各単語を♂♀の左側に書き込んでいく。

※そして、ご自身の膨大なストック本のなかから

 この書き込みに対応する作家(作品)をチョイスし記入。

 あとは、記載事項に従って《順番通り》読んでいけばいいだけだ。

 

しかしながら私の場合、上記の条件(ジャンル)分けでは不十分だと判明。

また、記号の間隔が同じなため、同一パターンが繰り返されるのもつまらない。

そこで、さらなるアレンジを加えることに。

そう――サイコロシステムである。

 

たまたま手許に、パーティーグッズ?の残り物なのか

赤・白・黒と3色の小さなサイコロがあった。

そこで、これらの色に対応させた《追加条件》を

上記で示した『中✖作』の♂♀連鎖に上乗せしてみたのだ。

 

▲②④⑥⑧⑩+単語リストの隣に

 それぞれ〇で囲った「R」「W」「B」を、やはり縦に並べる。

 次に、Rの脇に「中」、Wの脇に「外」、Bの脇に「N」を記入する。

※中⇒途中でストップした続き物を再開する。(意外にこれが多い)

 外⇒外国人作家

 N⇒未読の作家(新人とは限らない)

▲3つのサイコロを同時に振り、それぞれの目に『中✖作」を対応させて

 ♂♀連鎖の脇に「中・外・N」を書き添える。

 最終的に、各♂♀に付加された条件に対応した作家(作品)を

 ストックの中から選び、(私の場合は)作家名を記入していく。

▲あとは、書き込んだ順番に作家(作品)を読んでいくだけだ。

※作家によっては10冊以上未読本があるが、その場合、

 基本的には発表(出版)順に古い方から読むように心がけている。

 

もうちょっと具体的に説明しないとわかりにくいかな?

〇たとえぱいま、わたしのスケジュール帳の「8月」の見開きページには

 こんな謎めいた記号と作家名が上から順に並んでいる。

 中外♀LMビジョルド② 

  N♂住野よる   

 SFM♀恩田陸

中SH♂北方謙三

  タン♀多和田葉子

レンラM♂暁なつめ

  大♀平安寿子

外NSF♂Cミエヴィル

中HM♀北原亜以子

  An♂Story Seller2

       外♂DWジョーンズ②

NタンM♂宮内悠介

※ちなみに、〇の中の数字は同一作家の冊数。

 空白は「何冊で一区切りになるか、まだ未定状態」という意味だ。

 

むろん《単語=条件》の組み合わせが、毎回ピタリと決まるわけではない。

メジャー・歴史・SF・ラノベなどの条件分けも、かなり適当だ。

直前になって・・やっぱりこの作家に変えよう!というケースもあった。

それでも、このシステムを採用したおかげで

間違いなく「死ぬまで読まない」作品に出会えたことは確実なのだ。

この一点だけでも、『サイコロ読書システム』は成功だったと、確信している。

 

もし、毎回のように「次に読む本」に迷っている方がいらしたら

ぜひとも、お試しあれ。

必ずや、思いがけない小説世界に出逢えるぞー。

 

ではでは、またね。