本は〈新世界への扉〉だ! 『奇妙で美しい石の世界』山田英春 周回遅れの新書Rock

感染者急増の真っ只中だろうと

宣言したからには、いまさら引っ込めるわけにもいかず

予定通り『GOTOキャンペーン』を強行するかと思ったら

とつぜん「東京都民は排除」するとか

「でも羽田空港や東京駅の利用はOK」とか

「ただし若者や高齢者の団体ツアーは適用できない」とかとか

まるで朝令暮改のお手本みたいに例外事項が増えていく。

少しでも自分たちが責任逃れできるよう

思いつくたびに〈備考〉を付け足していくのは簡単だけど

土壇場になって丸投げされて尻拭いを押し付けられた

旅行会社や代理店の立場を少しでも考えたことは、あるのかな?

 

4歳と2歳、息子ふたりを保育園に預けて旅行代理店に勤務。

顧客の不満や不安や戸惑いを一身に引き受け

まともな線引きすらできていない「基準」への対応を要求されている

長女の苦労を思うと、胸が痛くなってくる。

 

そんなわけで、今日は

これ以上ひどすぎる現実の話題を忘れた《新書Rock》を一発。

 

まず、本書を手に取り

パラパラパラッとページをめくってみてほしい。

すると、本文中かなりの割合を占めるカラーページに

思わず目が吸い寄せられるはずだ。

精密な風景画にも、樹木の断面図にも、斬新なアート作品にも見える

色彩と造形と煌めきのオンパレード。

なんとこれらのほぼすべてが

石英(瑪瑙-めのう)の仲間なのだという。

 

昔から、石(岩石)には関心を持っているタチであり

海岸や浜辺、はたまた火山地帯などを訪れると

気に入ったいくつかを採集し、お土産代わりにすることがよくあった。

(神の怒りが落ちると言われるキラウエアの溶岩も少しだけ・・ごめんなさい)

 

そうやってあちこち旅しながら60年以上の時を生きてきたが

そんな「石好き」なオッサンでありながら

見たことも聞いた事もない〈まったく新しい世界〉が

この本の中には、ギュッと詰まっていた。

まったく、これだから、本読みはやめられない。

たった一冊の本が、まったく新しい世界を教えてくれるのだから。

 

今回のコロナが落ち着き

再び旅を楽しめるようになったあかつきには

きっと、この本から得た情報を足掛かりに

石英や瑪瑙の産地へと足を運び

怪しい石くれを探し出しては

カナヅチでカチ割って巡るに違いない。

 

いつかその日が訪れることを祈りつつ

今まは石にかじりついてでも、生き抜いてやる!

決して大袈裟な言いぐさではない。

それだけの力を、確かに私は受け取った。

 

ではでは、またね。