『ザ・ロード』の衝撃、『動的平衡3』の納得 先月(2024年7月期)読んだ&揺さぶられた本 MakeMakeの読書録

余りの暑さで連日引きこもっていたおかげか

気づけば、読み終わった本を重ねる"文庫本タワー"が2本になっていた。

(読みやすい作品も多かったし)

ちなみに前月読了した小説&それ以外は以下の通り。

 

2024.7

★『逃亡テレメトリー』マーサ・ウェルズ

●『裏世界ピクニック➆⑧』宮澤伊緒

★『時代小説 ザ・ベスト2017』日本文藝家協会

★★『ザ・ロードコーマック・マッカーシー

●『私の家では何も起こらない』 恩田陸

★『Re:ゼロから始める異世界生活

   「Re:zeropedia①➁」「短編集⑨」※㉝ /㉞ 長月達平

★『生きているのはひまつぶし』深沢七郎  

★『十二章のイタリア』内田洋子 ★『我が偏愛のピアニスト』青柳いづみこ

★★『動的平衡3-チャンスは準備された心にのみ降り立つ-』福岡伸一

 

結果、7月の《揺さぶられた本》は

【小説】『ザ・ロードコーマック・マッカーシー

   ※文句なしのチャンピオン。

    ディテールのひとつひとつ、会話のひとつひとつが、刺さる刺さる。

    特に(これも差別になるのか?)子を持つ親には、たまらない作品だ。

    折しも著者の逝去後にその作品を読み出す巡り合わせとなったが

    『ブラッド・メリディアン』や『すべての美しい馬』に始まる三部作など

    書棚に並ぶそれら"未読本"を開く瞬間が、今から楽しみだ。

 

    『Re:ゼロから始める異世界生活㉞ 長月達平

    ※個性あふれるキャラ頼みの異世界ラノベシリーズ・・

     なんて甘く見ていると、いきなり重厚なボディブローを放ってくる

     "油断大敵"の大長編(未完)だったりする。

     とりわけ本編34冊目にあたる本書は、久々に胸が熱くなった。

     やはり、"たかがラノベ"などとは軽視できない。

     ここまで来たら、広げに広げた風呂敷をどんなふうに畳んで見せるのか

     最後の最後まで付き合うしかないだろう。

    

【小説以外】①『動的平衡3-チャンスは準備された心にのみ降り立つ-』福岡伸一 

      ※とりわけ目新しい大発見が記されてるわけではない。

       良くも悪くも、森羅万象を見つめる"福岡伸一節"が満喫できる一冊。

       ただ、いつも不思議でならないのは

       こんなにも説得力に満ちた「動的平衡論」が

       なにゆえ現代社会の〈常識〉として認められないのか?

       きっといまどきの権威者は、「真実」より「利益」が大事なのだろう。

      

〔コミックス〕

★『夏目友人帳』①-㉚※㉙㉚のみ初読 緑川ゆき

★『髪を切りに来ました』①-➄※①②のみ既読 高橋しん

★『葬送のフリーレン』①-⑬※⑫⑬のみ初読 山田鐘人・アベツカサ

 

【コミック】

※3シリーズとも、簡単には甲乙つけられない良さがある。

 手あかのついた言葉だが、金子みすゞの代表作に乗っかることにしよう。

 ーーみんなちがって、みんないい。 

       

ではでは、またね。