「戦争」ではなく「旅」に心を躍らせたい。 先月(2023年4月期)読んだ&揺さぶられた本 MakeMakeの読書録

先月読んだ本は以下の通り。

 

2023.4

★★『黄金の烏』『空棺の烏』『弥栄の烏』『烏百花 蛍の章』阿部智里

★★『手のひらの京』綿矢りさ ★★『同志少女よ銃を撃て』逢坂冬馬 

★『旅だから出逢えた言葉Ⅲ』伊集院静 ★『探検家の事情』角幡唯介

★『かなえられない恋のために』山本文緒 ★『歴史とは靴である』磯田道史

●『京都の歴史を歩く』小林丈広 高木博志 三枝暁子

 

〔コミックス〕(※は再読以上)

★『税金で買った本』ずいの/糸山冏 ①-④(➂まで※)

★★『異世界おじさん』殆ど死んでいる ①-⑨(⑥まで※)

 

結果、《今月揺さぶられた本ランキング》は

【小説】①『手のひらの京』綿矢りさ

    ➁『黄金の烏』『空棺の烏』『玉依姫』『弥栄の烏』『烏百花 蛍の章』

     [八咫烏シリーズ・第一部完結]阿部智里

    ➂『同志少女よ銃を撃て 』逢坂冬馬

※上の順位には、極めて個人的な理由が絡んでいる。

 まず、トップに上げた小説は、ちょうど京都旅行の間に読了した。

 (そうなるよう、行きの飛行機の中で読み始めたのだが)

 作者が初めて生まれ育った街・京都を舞台に著した作品を

 これ以上ない"臨場感"とともに味わった結果、極めて印象的な体験となった。

※いっぽう、冒頭で絶賛した「八咫烏シリーズ」。

 5作目の『玉依姫』が、八咫烏世界を説明する"辻褄合わせ"に思えてならず

 最終話『弥栄の烏』ともども、いまひとつ楽しめなかった。

 個人的には、無理して人間世界との関係を示さず

 「十二国記シリーズ」のように、独立した世界のままで描いてほしかった。

※また、第三席に挙げた『同志少女よ敵を撃て』。

 ソ連ウクライナ侵攻という大事件をバックヤードにしており

 ご存じのように、昨年度の本屋大賞にも輝いた超話題作だ。

 (だからこそ文庫化まで待ちきれず、手に取ってしまったのだが・・)

 確かに、スターリングラード攻防戦など現実の激戦地を舞台にした

 息をもつかせぬ戦争エンターテインメント小説としては、十二分に楽しめた。

 だが、たまたま前の月に『戦争は女の顔をしていない』を読んだせいか。

 どのエピソードにももやっとした既視感がつきまとい

 そのぶん、"この展開に持ち込めばもっと面白くなるぞ!"

 という作者の意図が透けて見えてしまった――ような気がしたのだ。

 そんな勝手な思い込みを抱えたまま、最後のどんでん返し?まで読み通した結果

 自分でも予想外の第3位(4月に読んだ小説中で最下位!)となった次第。

 

 ・・いずれにせよ、なにを書こうがしょせん"名もなき素人"のゴタクでしかない。

 感じたまま、思ったまま、ストレートに書くだけだ。

 

【小説以外】①『かなえられない恋のために』山本文緒

      ②『探検家の事情』角幡雄介 

    ※突出した作品がなく、選定に悩んだ。

     従来であれば、迷わず伊集院静のエッセイを挙げたのだが

     なんだか前二作に比べ、パワーダウンしてしまった印象がぬぐえない。

     明らかに著者の苦しみぶりが伝わってくる山本文緒の初期エッセイ

     (その再出版バージョン)を、追討の意を含めて推したくなった。

    ※次点は、「ペネロペちゃん」に自らの孫たちの姿を重ね

     ただの"ジジバカ"になった末路でしかない。

     やんちゃな探検家のオモシロ本は、相方共々現在のマイブームなのだ。  

  

【コミック】①『異世界おじさん』

    セガのゲーム機には個人的にも思い入れがある。

     微妙にエロい絵柄を含め、無条件に本作を推薦したい。

   

この歳になってくると、旅行と娘一家(ふた組)の来訪が

単調な日々の繰り返しに投げ込まれる、《時の栞》の役目を果たしている。

久しぶりにレンタカー抜きの旅行(神戸&京都)を終えたあとは

22-23日の長女一家来訪と5月3-4日の次女一家来訪を挟み

今月23日からは、およそ半年ぶりの北海道旅行(小樽泊)が待っている。

ここ数年で、明らかに基礎体力が低下しつつあり

思う存分歩き回れるのも、それほど長くないだろうという予感がある。

だからこそーー"楽しみは出し惜しみしない!"をモットーに

充実した歳月を過ごしてゆきたいのだ。

 

ではでは、またね。