一円玉の木、233mの山頂、〆は焼肉at鶴橋 神戸・京都ふたり旅 2023.4.17-20 2日目➂ 京阪宇治駅🚃石清水八幡宮🚃伏見稲荷🚃鶴橋/焼肉屋🚃京阪五条駅

2023年4月18日(火) 京阪祇園四条🚃宇治駅👣宇治上神社👣中の島👣平等院👣とり菊🚃宇治駅🚃石清水八幡宮🚃伏見稲荷🚃鶴橋/焼肉屋🚃京阪五条駅

         2日目のハイライトは・・やっぱ、焼肉だっ!

 

静かな路地から宇治橋のたもとに出ると、左手に平等院表参道が見えた。

まるで縁日ような混雑ぶりに、ふと休日の江ノ島を思い出す。

・・正面から攻めず、裏側(南門)に回ってよかった。

           薄曇りのなか、一路京阪宇治駅へ。

 

観光客が列をなす宇治橋を渡り、京阪宇治駅へ。

まだお昼を過ぎたばかりで余裕はたっぷり。

予定通り、無料でケーブル線に乗れる石清水八幡宮を目指すことに。

ほぼ貸切状態の各駅停車で中書島駅まで戻り、本線に乗り換え石清水八幡宮駅。

すぐ隣から出ているケーブルに乗り換え、山上駅に到着。

     どこかレトロなケーブルカー。お好きな席に座れるのも嬉しい。

       わずか数分の旅だけど、ケーブル登山?はやっぱ楽しい。

          アールヌーヴォー風の手すりがオシャレ。

    あいにくの天気で展望はイマイチ。前日の清水寺が晴れてて良かった。

 

うっそうと木々が繁る歩道をたどり、展望台を経由して八幡宮の境内へ。

朱い。でもって、妙に日光東照宮っぽい。

と思ったら、やっぱり徳川三代将軍家光時代の建造だった。

    絢爛豪華な国宝・御本社。建立した徳川家光の好みがよくわかる。

      参拝を終えて、視線を上げると・・見事なほどに真っ赤っ赤。

           あちらこちらに神獣?が隠れている。

 

"勝負(ギャンブル)の神様"らしく、一角には酒樽が積み重なっている。

スポーツ関係者のお詣りも盛んなのだろう。

この時も、どこぞの学校チームが必勝祈願に訪れていた。

   境内で最初に目を引く"こもかぶりの壁"。やっぱ飲む、打つ、買う?

 

本殿で手を合わせたあと、ぐるっとひとまわり。

取り巻くようにズラリと並ぶ小さな社。

その長押?を飾る様々な動物たち(木彫り)が、どこかコミカルで楽しい。

しかしもっと驚いたのは、本殿左に枝を伸ばすクスノキ

なんとなく見覚えのある枝ぶりだなぁ・・と思って立札を読むと

一円硬貨(裏)のモデルになった銘木とのこと。

予備知識ゼロでふらっと訪れるのも、意外な発見があって楽しいものだ。

      妙にくねくね折れ曲がった枝ぶりだなぁ・・と思ったら

          なんと一円硬貨(裏面)のモデルだった。

 

遊歩道を逆回りにたどり、再びケーブル山上駅へ。

行きと同ルートで石清水八幡宮駅まで戻る。

時刻を見ると、まだ午後2時を過ぎ。

このまま大阪に直行したら、ずいぶん早く着いてしまう。

時間を持て余すなら、"予備"に取っておいた伏見稲荷に行ってしまおう。

京都方面行のホームに渡り、快速電車に乗って数駅先の伏見稲荷へと向かう。

       駅のホームから、すでに参道が始まってる感じ。

        近づけば近づくほど、"外人率"は高まってゆく。

      これも"ゆるキャラ狙い"か、ちっちゃいきつねせんべい。

 

朝イチで訪れた宇治駅とは違い、伏見稲荷駅のホームは観光客で賑わっていた。

おまけに、日本人より外国人の割合がとても高い。

ざっと見て1(日本人)対3(外国人)ぐらいの勢力分布か。

中韓台湾など東アジアの人は判別が難しいので、実際は1対5程度だろう。

実際、参道の出店で買い食いを楽しむ人々の中に、日本語は聞こえてこなかった。

さすがは世界に冠たる「インスタ映えスポット」だ。

午前中の平等院ではさんざっぱら"雑踏がウザイ"とブーたれてたけど

これぐらい海外旅行気分を味わえるんだったら、話は別だ。

外国(東南アジア?)の史跡を訪れたときのような新鮮な気分で

華やかな社殿に彩られた境内から、千本鳥居がずらりと並ぶ奥へ足を進める。

 

                   本殿周辺は、そんなに混んでない。

         観光客のお目当ては・・朱い鳥居のトンネル。

         とはいえ、数百メートルも歩けばご覧のとおり。

 

自撮りに励む観光客で混雑していたのは、最初の数百メートルまで。

さきほどの混雑ぶりが嘘のように、人影が薄れてゆく。

途中で案内図を見ると、小一時間ほど歩けば山頂まで行けそうだった。

慌てることもないし、足腰が元気な今のうちに登ってみようか。

次第に山道っぽくなる鳥居ロードを、ゆっくり登り始める。

 

        じわり、じわり、"祈りのパワー"が高まってゆく。

          お狐の視線も鋭くなってきたような・・

 

やがて、行き交う観光客(大多数が外国人)の様子に変化が生じていた。

最初の頃は、大声ではしゃぐザ・観光客ばかりだったのが

20分も登るうち、明らかにストイックな登山者キャラばかりになっていたのだ。

要するに、軽いお散歩気分では踏破(大袈裟だな)が難しい

ーーといっても高尾山レベルだけど――それなりの山登り、だってこと。

 

         ヒメシャガの群生。気分はすっかり"山登り"。

     苦労した割に標高233mって・・高尾山の半分以下じゃん!?

    山頂の裏側には、不思議な形の岩がニョキニョキ。何かの供養塔?

 

幸い、普段から?鍛えていたおかげが

思ったより早く、異様な形の岩が積み重なった「山頂一峰」に到着。

かの清少納言がへたばったという急な石段道を降りて

5時前には相変わらず観光客でにぎわう参道前へと戻っていた。

        途中の社で見かけたネコ。気のせいか高貴さが漂う。

 

さて、2時間余りの「奥の院巡り」でお腹も空いたし、時間的にもいい頃合いだ。

伏見稲荷駅から今度こそ大阪方面を目指して、快速電車に乗った。

通勤ラッシュで込み合う車内で、ウトウトしながら揺れられること50分。

京橋駅でJRの環状線に乗り換え、鶴橋へ。

そこからはグーグルマップ(オフライン)を頼りに

"安くて美味しい焼肉屋"を求め、さ迷い歩く。

    鶴橋駅の周りは焼肉屋だらけ!・・という甘い考えは見事に外れた。

 

結果的に、鶴橋名物のコリアンタウンではなく

歩いて15分ほどの住宅街にある、地元で人気の老舗焼肉店に入った。

オフラインゆえ情報が少なく、店先にメニューが出ていなかったこともあり

一旦中に入ってから「お幾らぐらいで食べられますか?」なんて

ぶしつけな質問を投げてしまう。

それでも若い女性の店員(家族経営っぽい)は、笑顔で応じてくれ

教えてくれた焼肉セットの価格も手ごろなものだった。

じゃあお願いしますと言うと、店の奥へ奥へと案内される。

一見、小さな焼肉店だと思ったが、そこは店の人の作業場兼レジに過ぎず

実際の客席は、30~40畳あろうかという畳敷きの広間?だった。

 

       店先には赤提灯だけ。完全に地元の常連客相手の焼肉屋

 

炭火のコンロを囲んで座布団が並ぶ、そのうちのひとつに案内され

改めてメニューを確かめる。

そのラインナップは、いたってシンプル。

焼肉は、三種類の部位がミックスされたセット(二人分)が1980円。

他は部位ごとに、それぞれ好きなものを注文するようになっていた。

肉以外に提供できるのはキムチとモヤシ、ご飯のみ。

アルコールはビールなど様々な種類が用意されているが

「食べ物」のメニューは、それで全部。

裏返せば、それだけ肉に自信があるってことだ。

 

とりあえず生ビールを頼み、キムチとモヤシをつまみに乾杯。

ほどなく大皿に乗った焼肉セットがやってきた。

この日のメインはハラミ、そこに二種類の部位が少量加えてあった。

さっそく、そのハラミから焼いていく。

 

        この一枚の後、写真を撮ることを完全に忘れた。

 

一口食べて、感激した。

ふたりとも目を丸くしながら、旨い旨い、柔らかい柔らかいと、夢中で食べた。

ご飯と一緒に食べたのが、これがまたたまらない旨さだ。

あっという間に一皿が消え、迷わずもうワンセット追加していた。

気が付くと全部綺麗に平らげ、さらに食べられそうな気分。

だが、ここで食い意地を張ると、後で苦しい思いをするのが明らかだった。

腹八分目でぐっと抑え

ごちそうさまでした、おいしかったです、と席を立つ。

全部ひっくるめた合計は、一葉さん+数百円。

こんなに旨い肉を食べさせてもらい、申し訳ない気分になる。

鶴橋の老舗焼き肉店「新楽井(あらい)」さん、本当にご馳走様!

 

    会計時にハッと思い出し、あわてて一枚。なので構図もメチャクチャ。

           ・・・・ああ、また食べたくなってきた。

 

散歩がてら、帰りに名高いコリアンタウンを歩いて回った。

極彩色のネオン、狭い路地に並ぶ赤い店々、そして元気一杯の客引き・・

予想通り、ザ・観光地の賑わいだった。

こういう賑やかな場所は、もう手放しでは楽しめない。

住宅街の老舗焼肉屋を選んで正解だったな。

己の内側にしっかりと根付いた〈観光地アレルギー〉の存在を

改めて痛感させられた夜だった。

 

         有名な焼肉通りは、駅の反対側にあった。

          腹いっぱいで、ほとんど通り過ぎるだけ。

       ・・でも、ここの冷麺は、ちょっと食べてみたくなった。

 

ではでは、またね。