2023年4月18日(火)
平等院の「藤棚」。確かに一見の価値はあるけどね・・
静かなる宇治上神社に別れを告げ
宇治川河畔~朝霧橋~中の島へと続く心地良い散歩道をたどる。
時刻は午前10時半を過ぎたあたり。
行き交う人の姿は少しずつ増えてきたが
それでも"思ったより空いてるな"というのが率直な印象だ。
心地良い、宇治川沿いの遊歩道
興聖寺へと続く橋。このあたりまでは、のんびりゆったりだったなぁ。
だが、この分なら平等院も静かに鑑賞できるかも・・
なんて一瞬でも考えた己の浅はかさは、あっさりと打ち砕かれた。
時計回りに平等院の南門に近づいてゆくと
行列こそ出来てはいなかったが、少なからぬ人影が。
ふと道の反対側(左手)を見ると、土産物店前の広い駐車場には
何台もの大型観光バスが停まっていた。
なんのことはない、"裏側"からアプローチしたため
続々と押し寄せる観光客の大波に気付かなかっただけなのだ。
仕方ない。諦めて入場券を買い求め、列の後について敷地内に入ってゆく。
40年ぶりの平等院鳳凰堂・・なんて感慨に浸る余地は無かった。
とりあえず、お目当ての藤棚にデジカメを向ける。
ちょうど「藤の花(藤棚)の季節」だったので
普段よりいくらか混んでるかな、なんて予想は甘かった。
確かに藤棚の藤は淡く咲き、池を縁取るツツジも赤い色どりを添えていた。
しかし、とうてい心静かに鑑賞できるような環境ではない。
午前中(11時前)にも関わらず、鳳凰堂周辺は観光客の人波ばかり。
なんだか、縁日の賑わいに迷い込んだような気分。
しばらく前まで、静謐な宇治上神社で時を過ごしていただけに
この「落差」から受けたショックは小さくなかった。
入る前こそ、40年ぶりだし鳳凰堂の内部も見ていこうかと思っていたけど
団体ツアーのように集団でガイドに従って動かないとダメと知り、一気に萎えた。
それにしても、昨日の清水寺に比べ、日本人率がとても高い。
中国韓国などアジア系の外国人はそれなりに来ていたが
ひと目で欧米人と分かる姿は、"チラホラ"レベル。
疑似欧米旅行体験を味わわされた清水寺とは、ずいぶん印象が異なる。
同じ京都でも(宇治だが)、場所によって随分客層が異なるものなのだな。
藤棚だけなら、この程度の"見切り"で対応できるけど・・
「藤棚越しの鳳凰堂」は、何度チャレンジしても綺麗に撮れず。
藤に罪はないけれど・・会場直後(8時半)に来ればよかったなぁ。
ま、なにはともあれ、せっかく平等院までやった来たのだ。
とりあえず、最低限のノルマ?として
鳳凰堂、藤の花、池畔のツツジ&鳳凰堂などの定番ショットを数枚撮影。
あとは阿字池をひと回り、昔はなかった鳳翔館を眺め通るだけで見学を終える。
合わせて小一時間、宇治上神社と同じくらいか。
調子に乗って、もう一枚。
堂内の阿弥陀如来様も、望遠のパパラッチ・ショットで。
阿字池越しのツツジもなかなか。さすがに誰も入ってこない。
ただ、ガッカリ&ウンザリだけだったかというと、そうでもない。
出口手前にあるショップは、予想外の充実ぶりだった。
通り一遍の記念品ばかりではなく、品揃えも豊かで価格も手頃。
相方共々、いくつか買い求めてしまった。
それと、様々な場所にひと休みできる(座れる)場所が設置されていた。
訪問者の年齢(高齢者が多い)を考えると、これは重要。
良くも悪くも、"観光客に優しい施設"ではある。
そんなわけで思ったより早く、11時半前に平等院を出てしまった。
このまま駅に直行するのはなんだか悔しかったので
大通りを避け、あえて細い道を選んで歩くことにする。
宇治橋通りに向かわず、あがた神社の角を右へ。
住宅街を縫うような路地を進むと、一気に静けさが戻って来る。
脇道の祠に並ぶ道祖神?のみなさん。根付いた信仰は深く強い。
うーーん、やっぱ、この雰囲気がいいなぁ。
ときどき足を止めては、路地歩きを楽しんでいると
四つ角の一片に「抹茶うどん」の幟。
見ると、小さなうどん屋さんの入口だった。
そういえば、そろそろお昼どきだ。
店先に出ていたお品書を確かめると・・異様に値段が安い。
これで美味しいお店だったら、ここで食べておくか。
と、なんとなく店名をグーグルマップで調べるてみると――驚きの、評価4.5。
これはもう、入るっきゃない!
偶然にも、一軒のうどん屋?に出逢う。これだから路地歩きはやめられない。
タイミング的にもラッキーだった。
ちょうどカウンターの並び二席が空いたと、すぐに座れる。
メニューを見ると、抹茶うどん・そば以外にも、寿司、うな丼などと充実。
「宇治だし抹茶そばかな~」と安易に考え、それぞれ天ぷらセットを注文する。
カウンターの上、白と茶の透明ケースが「無料お茶請けセット」
好きなだけ取って、暖かいお茶と一緒にいただきま~す。
カウンターの内側には二人だけ。
当然、料理が出て来までにはしばらく時間がかかる。
しかし、その間のホスピタリティは満点。
客はお茶を飲みつつ、目の前に並ぶ透明ケースの中から
お茶請けとして、数種の漬け物を自由に取ってつまめるのだから。
どれも結構なお味、ついついお替りしてしまう。
頭上には昔の写真やら柱時計やらの、懐かしい風景が。
のんびり待つうちに、どうそ!と置かれたお盆には
抹茶うどんと、天ぷら数種、御味噌汁、さらに海苔巻き二本と香の物・・。
これで〆て✕百円は、文字通りの価格破壊だ。
うどんは抹茶の香りがふんわり、天ぷらは揚げたて、どれもおいしく頂いた。
天ぷら付き抹茶そばセット。確かこれで800円・・だったような。
ごちそうさまでした。・・ああ、俺もビール飲みたかったなぁ。
寄り道をしたお陰で、いいお店に巡り会えたね♪
相方と語りながら店を出ると、目の前には7~8名の行列。
時刻は12時を少し過ぎたあたりか。
相変わらずな自分たちの"悪運強さ"に苦笑してしまった。
藤の花咲く「とり菊」店先。このすぐ右に"待ち人"の列が・・
ではでは、またね。