「充実のファンタジー体験」は本当だった!  高知ふたり旅 2022.11.29-12.2 2日目➁  澤餅茶屋⇒安芸駅ぢばさん市場⇒伊尾木洞

2022年11月30日(水)高知市内⇒澤餅茶屋⇒安芸駅ぢばさん市場⇒伊尾木洞

 

    これぞ「穴場」の伊尾木洞。こんな凄い場所が自由に体験できるとは。

 

琴ヶ浜を右手に臨み、海沿いの道を進む。

十一時四十五分、産直販売所・安芸駅ぢばさん市場に到着。

ここは鉄道直結の市場、地元の人も御用達の「道の駅」だ。

「ぼうしパン」「本日のイノシシ肉」「桂浜の五色の石」など、他県ではお目にかかれ

ない品々がずらーっと並ぶ。(『有川浩の高知案内』18p)

 

「日本でいちばんおいしいお餅」を購入&賞味した後

さらに東へと車を走らせる。

到着時刻を1時間ほど早めれば、ほぼ上記と一緒の状況だ。

 

          駅舎がそっくり「道の駅」、ぢばさん市場。

      旅行2日目にして、早くも"買い物ブギ"が始まる。

 

駅舎と合体した「道の駅」は、多くの地元客で賑わっていて

観光スポットというより、"便利なスーパー"のイメージに近いだろう。

有川さんと同じく

旅先では必ず地元のスーパーに入る(土産物も買う)我らに

こうした商業施設の存在は、なによりも有難い。

特に「旅行支援」による「買い物クーポン」の恩恵に与れるここ一~二年は

普段なら見向きもしない"ちょっと高めの品々"を物色する、絶好の場だったりする。

昨夜ホテルのチェックイン時にもらったクーポンをさっそく取り出し

何やら賞に輝いた高級クッキー?など、数点を購入した。

 

       市場のすぐ隣に、土佐くろしお鉄道の改札口が。

       各駅に「◎やなせたかし」のキャラクターがずらり。

 

それにしても、駅前の歩道や市場の入口、さらには鉄道の路線図にまで

高知出身のマンガ家・やなせたかしが描いたキャラクターが

いたるところで迎えてくれる。

さらに、駅前の大きなパネルで初めて知ったのだが

ここ安芸は、超有名な作曲家・弘田龍太郎の故郷でもあった。

なんやかんやと発見が多い安芸駅前だった。

 

    みな知ってる曲ばかり。次に来たときは弘田龍太郎の"曲碑めぐり"かな。

 

さらに東に走ること、ほんの数分。

道路沿いに設けられた駐車スペースに車を停める。

天然の渓谷?・伊尾木洞の入口だ。

これまた有川浩の本で紹介されていた、〈隠れた名所〉のひとつ。

たまたま本日の目的地(馬路村)に向かう途中にあったので

せっかくだから、と軽い気持ちで途中下車したものの・・。

 

ーー通り過ぎなくて、よかった!!

 

案内板に従って道をそれて歩くと、すぐに伊尾木洞の入口だ。

一見すると、住宅地にぽっかり空いた小さな"割れ目"に過ぎないのだが。

中に足を踏み入れると・・まさに「別世界」。

映画『もののけ姫』を髣髴とさせる、シダと断崖の渓谷が迎えてくれたのだ。

 

         幹線道路のすぐ脇が、伊尾木洞の入口。

       物々しい注意書きはあるものの、ここまでは家と家の間。

 しかし、沖縄の斉場御嶽(せいふぁーうたき)を思わせる裂け目に入っていくと・・

            その先に待っていたのは・・

             まさしく、ザ・原生林。

 

しかも、シーズンオフの平日だからか、見た割す限り人の姿は皆無。

風にそよぐ木々の音だけが降り注ぐ幻想的な情景のただなかを、我等二人だけで

思う存分散策できたのだから、言うことなし。

 

         目の前にはつややかなシダ(希少種が自生している)

          見上げれば、うっそうと茂る緑の木々。

           ちょっと物騒な看板もあったけど・・

      木橋やロープを頼りに、上流へとたどってゆくと・・

             ひとすじの滝が待っていた。

 

ルート自体は、縦長の天然洞窟に始まる小川沿いの道を

数百メートルにわたって遡る、シンプルなもの。

場所だって、高さ十数メートルの渓谷の上に登ってしまえば

そこに広がるのは、ごく普通の農村風景、

なのに、渓谷内に漂う"原生林感"たるや、ここは屋久島か!?

と錯覚しかねないほど、ハンバないのだった。

   

    滝の上に登り、再び住宅地(畑)に出ると・・コスモスがお出迎え

         色んな意味で、忘れがたいひとときだった。

 

いや、ほんと。

ろくに期待してなかっただけに、伊尾木洞の鮮烈な印象は

いまでも五感にしっかり刻み込まれている。

まさに、「充実のファンタジー体験、保証します」(by有川浩

高知を訪ねることがあったら、騙されたと思ってぜひ、立ち寄っていただきたい。

信じがたいことに、入場料金も不要だし。

 

   公民館の裏手に「寅さん地蔵」。幻に終わった"最新作"を記念したという。

 

ではでは、またね。