2022年10月27日(木) 然別湖温泉・ホテル風水⇒然別橋⇔駒止ガレ場
こんなに簡単に逢えるなんて・・しかも、逃げないし。
朝起きると、目の前に白い靄がたちこめる湖面。
太陽は昇ったばかりだが、いっぱいに広がる蒼空が今日の晴天を約束していた。
せっかく早めに目覚めたのだからと、少し早めに一階のレストランへ。
湖を見下ろす窓際のテーブルで、景色と一緒に美味しくいただく。
朝もや立ち込める然別湖。きっと今日もいい天気。
湖畔の特等席で朝ごはん。バラエティ豊富でついつい食べ過ぎる。
湖を眺めて過ごす食後のひととき。贅沢な時間。
結局、チェックアウト間近まで部屋で過ごしていた。
さて、今日はどこへ行こうか。
事前に立てた予定では、このまま北上して層雲峡に立ち寄り
上川町から旭川を経由して美瑛&富良野を回って来るつもりだった。
ところが然別湖に泊まってみると、早くも夜の気温は氷点下。
レストランから見下ろす地面も、一面真っ白な霜に覆われているようす。
これでは、層雲峡までの山道も凍結している恐れがある。
ごく一般的な夏用?タイヤのレンタカーでは、かなり敷居が高そうだ。
まずは、湖畔を巡る散歩道を歩いてみた。
日陰の落ち葉は、みな霜で真っ白。昨夜の寒さがうかがえる。
結局、ただでさえ不慣れな土地での無理はNoと判断。
当初の予定を改め、午前中いっぱい然別湖周辺のスポットを回って
あとはゆっくり帯広市内のホテルを目指すことに。
となると、せっかく豊かな自然を自慢のエリアに来たのだ。
直ぐ近くにネイチャーセンターもあることだし
きっとハイキングや自然観察路などが、用意されているに違いない。
そう思い直し、一階売店脇の観光パンフレット置き場に行ってみると。
ーーあったあった。
手作りの『然別湖周辺マップ』が。
さらに隣には『ナキウサギ観察マップ』なるものまでが!
え? この近くにナキウサギが住んでるのか?
ナキウサギって、高い山に登ったり大変な思いをしないと逢えないんじゃないの!?
野生動物大好き人間としては、がぜんやる気が湧いてきた。
さっそくホテルのフロントへ直行。
上記2枚の手作りマップをいただきがてら
「いまこの時期でもナキウサギに逢えますか?」
勢い込んで訪ねてみると。
お約束はできませんが、運が良ければ逢えるはずです・・との答え。
こりゃもう、行くっきゃない!
自慢じゃないけど〈野生動物遭遇運〉には自信がある。
40年近く昔の話だが、テレビの動物番組の取材で日本各地を巡ったときも
目の前でライチョウの縄張り争いが始まったり(富山県・立山室堂/11月)
同じく目の前で、ニホンカモシカの子離れ行動に遭遇したり(秋田県・太平山/春)と
カメラマンでもないのに、幾多の"決定的瞬間"をゲットしてきたのだ。
注/ニホンカモシカの子離れ行動
母親鹿が新しい命を産み育てるため、誕生した一年前からずっと一緒にいた我が子を
自分の元から引き離し、独り立ちをうながす行動。
この時見たのは、突然、ザザザザッという音とともに
目の前を流れる小川の斜面に小鹿が転げ落ちて来て(母鹿に突き落とされた)
それでも後を追おうとする我が子に「付いてくるな!」と威嚇する母鹿の姿だった。
『わくわく動物ランド』という番組で放送されたはずだから
ひょっとしたら覚えている方がいるかもしれない。
あ、また遠い昔を思い返してしまったけれど。
天気運(晴れ男)同様、なぜか野生動物には好かれるタイプなのだ。
そんなわけで、意外にあっさり会えちゃったりしてーー
などと、甘~い考えを抱きつつ
車で数分ほどの「ナキウサギ観察ロード」入口・然別橋へ向かったのだけど。
まさかまさか・・あんなに簡単に逢えるとは。
きっと何年も前から、定番の観察路として整備されていたのだろう。
目指す然別橋の脇には、5~6台分ほどの駐車スペースが用意されていた。
すでに3台ほど車が先着しており、望遠カメラを構えたアマチュアカメラマンが
何とその場で、ナキウサギの出現を待っていた。
ホテルで貰った「観察マップ」を見ると
確かに観察路の入口近く、橋のすぐ脇の斜面に、こんな記述が。
「このあたりにもナキウサギがいます ご注意あれ!!」
そうはいっても、見た限り完全に日陰になっており
実際、斜面に顔を出している岩の表面は、びっしり白い霜で覆われていた。
ーーこんな寒々しい場所に、ナキウサギが出て来るわけないよな。
そう勝手に判断し、早々と最初のポイントはパス。
(後ほど、それがいかに無知な考えだったかを思い知る)
マップの中央に記された「有名な『駒止めガレ場』」目指して
細い踏み分け道を登り始めるのだった。
樹氷のような霜が降りた山道を、ゆっくり登っていく。
朝日を浴びた木の芽。植物の"意志"を感じる。
なんだか前フリで終わっちゃったけど
思いのほか長くなったので、続きは次回ということに・・
ではでは、またね。