2022年6月7日(火)北見市内(ホテル)⇒道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠⇒
900草原⇒釧路市湿原展望台⇒道の駅うらほろ⇒ハルニレの木⇒帯広市内
地元の客でにぎわう、激安!激ウマ!の炉端焼き店
車に戻り、川沿いの土手道をしばらく進むと
水門の先で、あっさり帯広に向かう国道38号と合流。
あれほど試行錯誤したのがウソのようなスムーズさだった。
これも「ハルニレの木」の御加護?
いや、単に"裏口から"アプローチしたから、迷いかけただけだろう。
ともあれ、気分は最高。
うかれポンチのまま帯広市内に入り、駅近くのコンフォートホテル帯広に到着する。
今回の旅では、このホテルに二連泊する予定だ。
理由は、とってもシンプル。
道東地域で宿泊地として選べるホテルのなか
ツインルームという条件を満たすうちで
最も追加料金が安い宿泊施設だったからに他ならない。
幸い、今回の旅では、ぜひ帯広周辺を訪れてみたかったので
まさに"渡りに船"といった巡り合わせではあった。
ともあれ、予定通り日没前の18時半前後にはチェックインも完了。
あとは、明日のために旨いものをしっかり食べるだけだ。
「計画倒れ」と言われながらも、事前にいろいろリサーチするのが性分なので
この夜もまた、食べログなどをチェックして
(比較的)安くて旨いと評判の店を、いくつかリストアップしておいた。
ホテルの部屋は8階。駅を見下ろす眺めもなかなか。
最低限の支度だけ済ませて、帯広の繁華街へと繰り出す。
昨夜の北見市内と違い、行き交う人の数がとても多く感じる。
おかげで何本もの通りに連なる飲食店は、いずれもなかなか混雑ぶりだった。
さすがは道東一の大都市た゛。
しかも行き交う人の年齢層が、若い。
20歳前後の若者や、スーツ姿のビジネスマンの姿が目に付く。
そのせいもあったのだろうか・・・
「ここ!」と候補に挙げていた店は、どこも満席状態。
おまけに地元サラリーマンらしきスーツの背中がズラッとカウンターに並び
"旅行者"か割り込めそうなオーブンな雰囲気とは対極にあったのだ。
事前にリストアップしておいた3軒を回ったが、あえなく全滅。
うーん・・やっぱ、予約しておかないと難しいな~~
ぼやきつつ、どこか適当な店で手を打とうと"諦めモード"にシフトダウン。
代わって起動させたのが、混雑センサー。
ーー地元の人で賑わう(安くて旨そうな)店を探すことにしたのだ。
そうはいっても、そうそう簡単に、
〈安くて旨い〉という希望を叶えてくれそうな飲食店があるわけないよなぁ。
ため息交じりに、隣の相方にこぼしかけたそのとき。
目の前を店を指さして、相方が言った。
ねえ、こことか、いいんじゃない?
見ると、軒先に「赤ちょうちん」が灯る、明らかに大衆向けの居酒屋。
窓際の席では、焼き立ての魚にかぶりつく地元客の姿。
どうやら炉端焼きをメインに、道内で取れる様々な食材を扱っているようだ。
店内はかなり広さと奥行きがあるが、ほとんどのテーブルは埋まっている。
入口に掲げられた店名は「函館赤ちょうちん」。
「函館」という一点だけ気になったものの、他の条件は全てクリア。
ーーよし、ここに決めよう!
愛想のいい相方を前に押し出し、暖簾をくぐる。
二人ですけど、予約なしでも入れますか?
迎えに出た女性店員に声を掛けると、さっと店内を見渡し、小首をかしげる。
ちょっとお待ちください。と言って、奥の方へと歩いていった。
ヤバイ。ここも満席だったか・・・
なかば諦めかけた次の瞬間、店員が戻って来て、言った。
カウンターの隅の並び席になりますけど、それでもいいですか?
いやいや、入れるならどこでもOK!
二人してコクコクと頷き、店内へ入る。
こちらです。
案内してもらった席は、言われた通り、長いカウンター席の端っこ。
それも、コの字型に折れ曲がった部分。
"残りものには福がある"を地でゆく、隠れ家的なポジションだった。
最後の2席は、"裏側感"漂う絶好のポジション。
"炉端"を囲むカウンター席が、幾つも組まれていた・・のかな?
やたら居心地のいい特別席に並んで腰かけ、分厚いメニューを見ると・・
あるわあるわ、なんでも揃ってる。
おまけに、冗談みたいに安い。
なにせニシン、ホッケ、サンマといった魚の半身が
3~400円台で焼いてもらえるのだ。
・・何を食べたかなぁ。
確か、イカの一夜干しとニシンの炉端焼き。
十勝ポテトに明太子を載せて焼いた、ピザ風の料理。
その他にも、野菜料理とか焼き鳥とか3品ほど注文したし
もちろん、チューハイや焼酎なども合わせて3杯は飲んだはずだった。
料理は、どれもカウンターに立つ(横向きだけど)オヤジさんが
タイミングを見計らって目の前で焼いてくれる、"できたてほやほや"ばかり。
んで、お腹いっぱい、これ以上入らない。
と、二人とも大満足で出口近くのレジカウンターに足を運び
告げられた料金は――なんと、4000円ポッキリ。
何かの間違いじゃないのかしら?
そうつぶやく相方の目が、キラキラ光っていた。
店先に貼ってあった案内図。昭和四十九年創業――俺より若いぜ。
帯広の相場が、めちゃくちゃ安いのか?
それとも、たまたま入った店が特別に格安だったのか?
果たして残る1泊で、この謎を解き明かすことができるだろうか・・
JR帯広駅。電車の本数が少ないから? 九時過ぎでも、ほとんど人影なし。
ではでは、またね。