2021年12月8日(水) とうふの比嘉~みんさー工芸館~宮良川ヒルギ群落
2007年の"新作みんさー織"「ニライカナイ」。一番有名なデザインかも。
「手織りしおりプレゼント(おひとり様1枚)」の誘い文句に引き寄せられて
ひょこっと立ち寄った、市内にある「みんさー工芸館」。
一冊だけ購入したガイドブックによれば
「島の女性になった気分でみんさー織体験ができる」ところだそうだが
落ち着いたとはいえコロナ禍続きのせいもあって
体験工房・売店ともに閑古鳥が鳴きっぱなし・・な状況だった。
それでも、店の人の対応はすこぶる親切。
明らかに〈プレゼント目当て〉の我々が申し出てみると
手持ちのしおりを全部取り出し
ひとりずつ似合いのデザインを選んで、プレゼントしてくれた。
八重山伝統の「みんさー織」を使った品々も
美しくバラエティに富んでおり
最初の内はほぼ百パー義務感だけで店内を巡っていたのだが
見れば見るほど独特の手織り模様が魅力的に思えてきて
あ、これもよさそうじゃん。
いや、こっちのほうが実用的だよ。
などと、すっかり"いいブツがあったら買おう!"モードに切り替わっていた。
最大の理由は、思ったよりもお手頃価格、ってとこなんだけどね。
みやげ物探しに熱中して、店内の写真を撮り忘れた。これは初物館の展示品。
トートバックからショルダーバック、帽子とあれこれ検討したものの
肝心かなめのチェックポイント
ーー帰宅してから普段使いできるか否か?
なるシビアなセレクションの結果、いずれも"いまひとつ"の評価に留まる。
それでも、珍しく〈このまま立ち去りがたい〉気持ちが収まらず
何種類もあった「みんさー織文庫カバー」のひとつ
(ダークグリーンの地布に五つと四つの絣柄が入ったもの)を、購入することに。
お値段は1980円也。
決して安くはないものの、造りがしっかりしていることはもちろん
布製ブックカバーにありがちなゴワゴワ感も排除されている。
さらに、しおり紐も表紙側にセットされており、使い勝手もよさそうだった。
よし、これにしよう。
ようやく決めて、レジに持って行くと
最初の"しおりチョイス"に始まり
"見るだけショッピング"にも付き合ってくれた女性店員が、柄を示して言うには。
「これは、八重山に古くから伝わる模様です。
帯にあたるところに、五つと四つの絣柄が交互に織られていますが
これは、『いつ(五)の世(四)までも末永く幸せにーー』という思いを込めて
嫁ぐ女性が相手の男性に贈った特別な文様なんですよ」
同封されていた「八重山みんさー織」というカードにも、書いてあった。
昔、沖縄の八重山に「みんさーふ」という木綿を藍で染めて織った紺絣の角帯がありました。当時は通い婚で、婚約が成立した証として女性が男性に贈りました。
普段は、伝統工芸品とかにほとんど興味を持たないのだが
自分の選んだデザインが"女性から贈られる愛のメッセージ"だった、と判ると
どこか運命的な出逢いを果たした気分になっちまうだから、ずいぶん身勝手なものだ。
ーーちなみに相方からこんなに"熱い想い"を贈られたことは、一度もない。
そんなエピソードのお陰なのか
帰宅して以来、すでに3~4冊ほど使っているが
合皮&皮のツルツルしたブックカバー(既得)とは異なる
織物のしっくりした手触りがとても心地良く
早くも〈お気に入り作家本専用〉のブックカバーに決定している。
やっぱり、お土産は、「食べ物」か「実用品」に限る!
(それ以外は、おおむね"使いどころ"が見つからず後悔する)
たかがブックカバーひとつのことで、延々引っ張ってしまったけど
その後で立ち寄った、「みんさー織博物館」(2階に併設)も見応え充分。
昔からの伝統を受け継ぐだけでなく
次々と新しいデザインを創りだしてゆく前向きな姿勢が、眩しかった。
・・なんて、企業PRみたいになってしまったけど
ホント、冷やかしでも構わないから、一度足を運んでみるといい。
きっと何かしら、感じるものがあるはず。
「代表的な絣モチーフ」一覧表。象形文字みたいで面白い。
工芸品はもちろん、みんさー織を活かした洋服も展示中。一見の価値あり。
おやおや。
今回も、ダラダラ書き流してしまい
またもや1か所で手頃な文量に達してしまった。
ようやく時刻は、午前10時ちょい過ぎ。
石垣島最北端を目指すドライブは、始まってもいないのだった。
とりあえず、次の目的地は
市街地から約15分(車)の「宮良川ヒルギ群落」だ!
ではでは、またね。