遠すぎた"ワタンジ" 石垣島ふたり旅 2021.12.5-9 2日目(その2) 白保海岸

2021年12月6日(月) 石垣市内→白保海岸(ワタンジ)→川平湾→御神崎

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     ひとっこひとりいない白保海岸。その理由が、やがて判明する。

 

おそらく、自然保護の観点から手控えられているのだろう。

白保海岸のワタンジに関する情報は、とても少ない。

ガイドブックや観光パンフレットなど印刷物には、一切書かれておらず

ネットで検索をかけても、数件ヒットするのがやっとだった。

とはいえこちとらも、20年前のもやっとした記憶しかないわけで

必死になって調べてみたところ・・

どうやら、状況&条件は昔とほとんど変わらないようで

白保海岸の船着場から500mほど北に歩けば

潮が引いた時、リーフまで歩いて渡れる「ワタンジ」が現われるとのこと。

「白保海岸」や「船着場」ではナビが機能しなかったので

とりあえずドライブマップで見つけた

サンゴ礁保護研究センター」目指して車を走らせる。

 

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         白保付近の街路樹。いかにも"南国"の風景。

気持ちのいい青空の下、石垣市内から東へ向かうこと、およそ20分。

記憶に残る白保中学校と白保小学校の校庭が、次々に見えてきた。

とりわけ広い校庭の中央に丸っこい木が鎮座している白保小学校の佇まいは

20年前とまったく同じで、強い郷愁を覚えてしまう。

 

ほどなく国道390号線を右に折れ、海岸を目指してゆくと

サンゴ礁保護研究センター」前に到着。

休館中(月曜休み)の駐車スペースに車を停め、すぐ先の砂浜へと出てみた。

白い砂と青い海が、目の前いっぱいに広がる。

・・いや、感動するのはまだ早い。まずは現在地を確かめないと。

左右を見渡すと、2~300メートルほど北に「船着場」らしき石組みを発見。

とりあえず、あそこまで行こう。

 

車に戻り、北に向かって、もうひと走り。

正面に「船着場」、右手に休憩所?らしき建物があるスペースに到着する。

時刻は、正午を少し回ったところ。

干潮時間まで2時間もないが、自分たち以外に車も観光客の姿もない。

地元の軽トラック一台と、漁師らしき男性が船着場付近で何か作業しているだけだ。

 

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          船着場・・といっても、簡単な石組があるだけ。

 

ネット情報によると、500mほど北に「ワタンジ」があるはずなのだが・・

本当に、ここで正しいのか、ちょっと不安になる。

とはいえ、地図(ナビ画面)を見る限り、この「船着場」より北に

車で海岸まで行ける道はないようだった。

しかたがない、行けるとこまで歩いてみよう。

覚悟を決め、この日のために持ってきた「ボロジーンズ」と「長靴」に履き替え

珊瑚の死骸でできた真っ白な砂浜の上を、北に向かって歩き始めた。

 

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               白保海岸を"ふたり占め"

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                                あちこちで花が咲いている。ホントに12月?

 

12月初めとは思えない強い陽射しが、脳天から振りそそぐ。

見渡す限り無人の白保海岸を、相方とふたり。

ゴム底の長靴を踏みしめ踏みしめ

サンゴと貝殻でできた波打ち際をザクザクと歩いてゆく。

・・・それにしても、綺麗に晴れたものだ。

 

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      はるかかなた(1キロほど沖合)に、サンゴ礁の白いライン。

 

潮風に飛ばされぬよう深く帽子をかぶり、なかば夢心地で足を運ぶこと20分。

視線の先が、一面の白い砂浜から

小さな岩がごつごつとき出している、"プチ岩場"へと姿を変える。

右手の海を見ると、そこだけ水深が浅いのだろう、白っぽく変色している。

だけでなく、その"白い水域"が、ずっ~と沖まで拡がっていた。

ーー間違いない、ここが「ワタンジ」のエントランスだ!

 

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        明らかに水深の浅いエリアを発見。ここが"ワタンジ"だ。

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        エモノを捕らえやすいのか、サギが歩き回っていた。

 

だが、それにしては・・干上がっている箇所が、ほとんど見当たらない。

時刻はすでに、12時30分を過ぎている。

ネット情報だと、「干潮の1~2時間前に渡り始めることができる」とのこと。

そう。なんだか、思ったよりも全然、潮が引いていないのだ。

 

このときようやく、心の中でくすぶっていた「懸念」が、燃え上がる。

それは、石垣島潮汐表。

干潮時間の隣に記されていた「潮位」の数値。

午前2時台の干潮時が「-22㎝」だったのに対し

我々が乗り込んだ午後2時過ぎでは「74㎝」と記されていた。

たとえ大潮付近の干潮だろうと、充分に潮位=海面の高さが下がらないと

沖のサンゴ礁まで歩いていけるほど、干上がらないのでは・・・

 

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          なかなか潮が引いてくれない・・

 

いや、諦めるのは、まだ早い。

潮が引き切る干潮時間は、あと90分も先のこと。

それまでに、「ワタンジ」が現われてくれるかもしれない。

せっかく来たのだから、ギリギリまで待ってみよう。

とりあえず、コンビニで買った焼肉ライスサンドで、腹ごしらえ。

"干潮待ち"の態勢を整えることに。

 

いっぽう、「歩いて行くのはちょっと難しそうだねー」

と、さっさと"諦めモード"に切り替えた相方。

岩場にできた日陰に腰を下ろし、のんびり海を眺め始める。

 

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           少しずつ水かさは減っているのだが・・

 

こうして、無人の「ワタンジ前」で待つこと、1時間。

ふと沖を見ると、浜辺から50mほどのあたりから

野球場ほどもある"砂色の大地"が広がっていた。

あ、あれは干潟・・というか、平たい岩石の表面じゃないか。

「ワタンジ」が、海上に姿を現れたのだ!

改めて波打ち際を見ると、川の流れのような潮流が幾筋も走っており

海面下の岩盤?が、少しずつ顔を出し始めていた。

 

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      雲のすぐ下が「ワタンジ」。でもその手前に、潮の流れが"通せんぼ"。

 

残り時間を考えると、遥か沖合のサンゴ礁まで行くのは難しい。

それでも、ワタンジの上を歩くことは、できそうだ。

足を置く場所を慎重に確認しながら

波打ち際にできた「陸」の上を、ゆっくりと歩き始める。

ところどころで、海水の流れが行く手を阻むが

長靴パワーで強引に渡ってゆく。

10メートル、20メートル、30メートル。

"海の上を歩く"、不思議な感覚が楽しい。

 

気がつくと、ほんの数メートル先に

さきほど海岸から見えた〈野球場サイズ〉のワタンジが広がっていた。

ところが・・目の前に、依然として深さ2~30センチほどの"海水の川"が

かなりの勢いで流れている。

膝まで濡らす覚悟なら、歩いて渡れないこともない。

けれど・・・・。

 

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       悠然と歩くサギの向こうに、サンゴ礁が・・悔しい。

 

時計を見ると、14時を回ったあたり。

もうすぐ、干潮だ。

無理して"大陸"に上陸したところで

当初の目的だったサンゴ礁までは、辿り着けない。

ここは潔く、諦めよう。

――と、諦めの悪いうたたは、やっと観念したのだった。

 

岩の日陰でのんびり本を読んでいた相方のところに戻り、声をかける。

途中までしか行けなかった。もっと潮位の低い日にリベンジしよう。

そう。残念だったね。でも、気持ちよかったよ。

なにごとにもめげない相方の笑顔に救われ

海水が入り込んだ長靴をジャボジャボ鳴らしながら

見渡す限りひとけのない白保海岸を、トボトボと戻ってゆく。

 

★今回の教訓★

"ワタンジ歩き"の必須条件は、「干潮」+「干潮時の水位」。

今回の失敗から、少なくともあと50センチは低い潮位が必要だろう。

ちなみに来年上半期で、上記の条件に合致する日程は

4月18日(月) 干潮14時28分 潮位5センチ

  19日(火)   15時09分   2センチ

  20日(水)   15時54分   6センチ

5月16日(月)   13時32分   4センチ

  17日(火)   14時15分   -3センチ

  18日(水)   15時02分   -4センチ

 

みな今回より60センチほど水位が低いので、サンゴ礁まで歩いて行けるはず。

なんとか都合をつけ、どちらかの日程でリベンジしたいものだ。

それにしても、実際に調べると、いかにチャンスが少ないかが痛感できた。

ここまで厳しい条件だと、そりゃ観光ガイドには載せられないか。

 

ではては、またね。