トラック地獄と癒しの西明寺 京都ふたり旅 2021.10.4-7 2日目(その4) 高雄(高山寺~西明寺)🚌四条烏丸~食堂デイズ

2021年10月5日(火) 京都市内 

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        四条河原町の夕焼け。みんなスマホで撮っていた。

肩透かしを食らったような気分で

高山寺の表参道をトボトボと降りていく。

それでも、まるで山奥のようなうっそうとした森のなかを

マスクをはずして、思う存分深呼吸しながら歩けるというだけで

今どきの日常生活では、そうそう体験できない〈幸せ〉なひとときだった。

こんなに深い山合だというのに、住所は「京都市左京区」なのだから

どこまで広いんだよ、京都市!?・・・なんて突っ込みたくなる。

 

ともあれ、"高雄三尾巡り"のひとつ、高山寺の次は

清滝川を少し下ったところに庵を編んでいる、西明寺だ。

地図(マップ)で確認したところ、そこまでの道のりは500m前後か。

7~8分も歩けば着いてしまう。

だが・・・その500mが、思いのほか、しんどかった。

なぜって、歩行者用の散策路が整備されておらず

ほとんどの行程で、周山街道と呼ばれる自動車道の路肩を歩かされたのだ。

しかもこの周山街道、京都の北西部を繋ぐ道が他にないためだろう

トラックなどの大型車が、かなりの頻度で往来している。

そのたび徒歩旅行者は、追い詰められたアリンコのように路肩に固まるしかない。

ブツクサ言っても、高山寺の境内を歩いている間は

自然度満点の、プチ・トレッキング気分で楽しめていた。

対して、轟音とともに去来するトラックに煽られ続けた、この十分足らずは

ひたすら耐える「苦行タイム」でしかなかったのだ。

 

てなわけで、高雄観光の注意点・その①

高山寺西明寺の間は、歩いて移動しないことをオススメする。

せっかくの〈自然体験〉が台無しになるぞ。

 

30分ほど歩かされた気分だったが

時計を見ると10分そこそこで周山街道から離れ

西明寺へと向かう間道に逸れることができた。

トラックのプレッシャーや騒音、排気ガスから解放され

車どころか人の気配もまったく感じられない下り坂を歩くこと、2~3分。

清滝川にかかる小さな朱塗りの橋・指月橋の前に到着。

これを渡って、登り坂&石段を数回スイッチバックして高度を稼げば

そこはもう、西明寺の門前だった。

 

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          指月橋。ここでようやく、ひと息。

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            とても風情のある、西明寺門前。         

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                緑"したたる"境内の情景

 

今度は、いい意味で"予想を裏切られた"。

決して広い境内ではなかったが、本堂も庭も鐘楼も手入れが行き届いており

高山寺で受けた〈廃墟感〉は、カケラもない。

自動車道路のトラック攻撃でゲンナリしていたこともあり

たまらず庭園内のベンチに腰を下ろし、しばらくぼーっとしていた。

その間も、我々以外誰一人訪れるものはなく

静かな西明寺の境内で、傾き始めた午後のうららかな陽射しを浴びるのだった。

 

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      いたるところモミジだらけ。紅葉の時期はさぞかし綺麗な・・

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     ありがとう西明寺。おかげで、気持ちよく帰ることができたよ。

 

高雄といえば、もうひとつ、高野山真言宗名刹神護寺」が控えている。

当初のゆるい計画では、時間に余裕があればそちらにも寄るつもりだったが

途中の〈トラック地獄〉で受けたダメージが予想外に大きく

うーん・・高雄は、もういいかな。

という気分になっていた。

 

ひとまず西明寺でまったりできたから、今回はここまでにしとこうか。

急いで回れば行けなくもないが、時間に追われる旅ほど哀しいものはない。

相方とも意見が一致し、"鳥獣戯画神護寺は次の機会に"ということになった。

来た時にメモしておいたバスの時間に間に合うよう

キリのいいところで西明寺を出発。

周山街道沿いにある槙ノ尾の停留場まで戻り

時間通りにやって来た四条烏丸行きのバスに乗った。

 

結局、高雄には正味1時間少々しか滞在していなかったが

それでも、往復のバス旅(計2時間)を含め

今まで訪れたことのない京都北西部への半日旅行は

豊かな自然のおかげもあって、思いのほか楽しむことができた。

・・ただ一点、〈トラック街道〉だけは、二度と歩きたくないけど。

 

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      しつこいかもしれないけど、この日の夕焼け空は凄かった。

 

西の空が赤く染まる頃、バスは四条烏丸に到着。

そこから東行きのバスに乗り換え、四条河原町で下車する。

目指すは、本日の夕食処。

昨年秋に訪れて以来、ぜひもう一度食べたいと思っていた「食堂デイズ」だ。

実はこの店、毎週水木曜日がお休み。

そう。予定していた琵琶湖東岸への小旅行を明日の水曜に偏向したのは

ここでディナーをいただくためでもあったのだ。

 

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      食堂デイズ。営業中は、前の路上に店名が丸く照射される

開店時間18時の5分ほど前、2階にある店の前に到着すると

我々の姿に気づいた店員さんが、一足早く中に招き入れてくれた。

まだ二回目なのに、すっかり常連気取りで席につき

黒板にチョークで書かれた、「本日のお品書き」を検討する。

一応、オムライス(卵料理)の評判が高いのだが

なんとなく目についたメニューを、相方と交互に注文した。

 

結局、この夜は

ゴボウのスープ。キュウリの??(忘れた)

鶏肉のタルタルステーキ。(生の鶏肉のタタキ!)

タイのカルパッチョ。・・などを、お酒とともにいただいた。

う~~ん、やっぱりおいしい!!

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       左が鶏肉のタタキ。初めての味覚に、舌もお腹もビックリ!

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       タイのカルパッチョ。店の得意技"煮凝りソース"が効いてる

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           見上げると、天井近くにワインラックが・・

 

コロナでなにかと大変だろうけど(この日もラストオーダーは20時)

どうか頑張って続けて欲しい、と切に願うのだった。

 

さあ、明日は京都を離れて近江へ。

近江八幡を中心に、琵琶湖東岸を旅するのだ。

 

ではでは、またね。