なにはともあれ“モーニング„! 京都ふたり旅 2021.10.4-7 1日目(その1) 進々堂三条河原店

2021年10月4日(月) 新横浜⇒京都

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          猛暑の京都御苑で、熱中症になりかける

 

ようやく辺りが明るくなってきた朝5時20分

いつものように小型スーツケースをゴロゴロと転がして

最寄りの駅へと出発。

少しでも交通費を浮かそうと

新幹線の切符が使えるJR長津田経由で、新横浜へと向かう。

例によって前夜はろくに眠れず、頭はボケボケだ。

しかも、朝っばらから真夏並みの強い日差しが降り注ぐものだから

横浜に到着した6時10分過ぎには、早くも"ひと汗かいた"気分になっていた。

 

ここ数日、季節外れの暑さが続いており

目指す京都の気温も30度近くまで上がる見通しだ。

それでも朝夕は冷えるかも? との不安はぬぐい切れず

半袖と長袖のシャツを、それぞれ3日分持ってきてしまった。

(結局、長袖はそのまま持ち帰る。やたら無駄な衣類が多い旅だった)

 

早くも汗ばみ始めた身体を新幹線のホームへ押し上げ

無事、予定通り6時33分発の「のぞみ3号」に乗車できた。

・・やれやれ、これで一安心だ。

 

ちなみに、今回予約した新幹線+ホテルの旅は

万一予約した新幹線に乗り損ねると、すべて無効になり

改めて自腹で再購入せねばならなかったのだ。

それだけに支払った料金は、2人分で4万円少々。

ホントに、こんな値段でいいのか!?

とほっぺたをつねりたくなるような、激安ツアーだった。

 

ともあれ、海外旅行がそうであるように

"乗ってしまえば、格安もへったくれもない"ところは、変わらない。

旅行会社にリクエストした希望通り、窓側の前後2席に着席する。

相方ともども、ボーッと車窓を眺めたり、うとうとしていたら

あっという間に、2時間が経過。

ダイヤ通り8時25分、のぞみ3号は京都駅ホームに滑り込んだ。

 

なんだ、もう着いたのかよ・・!

何度新幹線に乗っても、このスピードに慣れることができない。

同じような所要時間でも、北海道や沖縄のように飛行機を使ったときは

"は~るばる来たぜ~札幌~♪"といった旅人気分を実感できるのだが

移動手段が列車の場合、せめて半日は乗らないと〈旅〉に手が届かない気がする。

実際、埼玉に暮らす長女一家や千葉に住む次女一家を車で訪ねるときだって

2時間以上はかかるのだから、やはり新幹線は「規格外」と言わざるを得ない。

青春18きっぷを使い潰し、東京駅発大垣行きの夜行列車を手始めに

東海道山陽道の鈍行列車を乗り継ぎ乗り継ぎ

翌日夕方広島でお好み焼きをパクついた我らにとって

列車とは、あくまでも〈のんびりゆっくり走るもの〉なのだ。

 

おっと・・しょうもない思い出話はこのくらいにしといて

まずは動きやすい状況を作ることにしよう。

改札を出て、京都タワーがそびえる賑やかな北口とは反対側の八条口へ。

南北を結ぶ連絡通路をさらに南に進み、横断歩道を渡ったところに

今回宿泊する「イビススタイルズ京都ステーション」を発見。

文字通り〈駅前ホテル〉だ。

3階の受付で、スーツケースなど余計な荷物を預けて身軽になる。

 

よし、これで"街歩き"の準備は完了。

なにはなくとも、まずは朝飯だ。

前回(昨年秋)の際、京都最初の食事は、「イノダコーヒー本店」でいただいた。

今回も京都ならではのカフェで、モーニングセットを摂ることにするか。

相方に確認したところ、彼女も異論はないという。

 

いまだボケボケの頭ながら、空元気を振り絞り

京都駅にとって返す。

連絡通路の途中にある観光案内所に寄って、各種地図とパンフレットを収集。

ついでにバスの一日乗車券(700円)をゲットする。

複雑なダンジョンマップさながらのバス路線図とにらめっこして

市内を循環する200番台バスに乗車。

斜めに照り付ける灼熱の陽射しに目を細め

懐かしくも見慣れた京都の町並みを眺めること、20分。

本能寺にほど近い、川原町三条の停留所で降りて

あとはスマホのグーグルマップのガイドに従い、目指す喫茶店へ。

 

いったんは逆方向に歩き出したが、すぐに「違うよ!」と教えてくれる。

紙の地図とにらめっこしては、同じ場所を何度も行ったり来たりしてた十年前が

はるか遠い昔のように感じられてしまう。

ほんっとに、便利になったもんだ。

だけど、こんなにスマホに頼りだと、自力でどこにも行けなくなっちゃうような・・

つい、余計な心配が浮かんでしまうのは、年寄りの証なのだろう。

 

ともあれ、強烈な陽射しを避けるべく、帽子をかぶり日陰伝いに歩くこと数分。

川原町通と三条通の交差点を左に曲がったちょっと先に

今年最初の京都の朝食スポット「進々堂三条河原町店」が姿を現した。

昨秋訪ねた「イノダコーヒー」のような和風建築ではなかったが

落ち着いた色合いのガラス張りのフロントが

京都ならではの老舗カフェの雰囲気を、しっかりと放っている。

      

しかも一歩足を踏み入れると、迎えてくれるのは、ふくよかなバターと小麦の匂い。

そして、棚一杯に並んだパン、パン、パン。

進々堂は、カフェである前に、ベーカリーショップだったのだ。

うーん、どれもこれもおいしそう。

 

でも、この朝、我々の目標は、モーニングセット。

ベーカリーコーナーを通り過ぎ、奥の喫茶スペースに向かう。

半分ほど埋まったテーブル席の中ほどに着席し、メニューを開くと

真っ先に飛び込んできたのは、「パン食べ放題セット980円」の文字!

なんと、あの魅惑のパンたちを、思う存分味わえるというのだ!!

一瞬、これだ! と決断しかけるが、すぐに自分の腹具合を確かめ、口を閉ざす。

どんなに頑張っても、2~3個食べるのが精いっぱい。

とてもじゃないが「食べ放題」を満喫できる体調でも、年代でもない。

相方も、想いは同じようだった。

「そんなに食べられないもんね~」とつぶやきつつ、メニューのページをめくる。

目に入ったのは、食べ放題ではない一般的なモーニングセット。

結局、この中のひとつ「クラムチャウダーセット」を注文することに。

クラムチャウダーカップスープ+サラダ+トースト+飲み物のセットだった。

パン専門店らしく、トースト用のパンは4種類?の中から選べる。

せっかくなので、全粒粉や田舎パンなど、普段あまり口にしないタイプを注文した。

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             広く明るく、落ち着いた店内  

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        京都で最初の"ごはん"は、定番モーニングセット
  

瑞々しい野菜サラダに、お腹が目覚め。

クラムチャウダーは、五臓六腑に優しく染み渡る。

選んだパンは、どちらも絶妙な食感と塩加減。

もちろん店の雰囲気は、明るく快適。流れる空気も、のんびりゆったり。

珈琲だって、お代わり自由だ。

――京都のカフェ(モーニング)は、なんか居心地いいんだよね。

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         さりげなく"御簾"を感じさせるブラインド

 

しっかり全部平らげたところで

ようやく"京都に来た"という実感が、じわり湧き上がってくる。

さあ、いよいよ「京都の旅・2021秋」が幕を開けた。

 

ちなみに、本日の最重要ミッションは・・相国寺

承天閣美術館若冲さんに、逢いに行くのだ!

 

ではでは、またね。