意外にもガチ!イチ推しの"リアル業界漫画" 『推しの子』①~④ 赤坂アカ✖横槍メンゴ 周回遅れのマンガRock 

最初の1冊で読むのをやめてしまったら

きっと後悔すると思う。

それくらい、「芸能界転生モノ」とでも呼べばいいのか

"なんでもあり"な第1巻と

2巻以降の内容が大きく異なっている。

 

※以下ネタバレになるが、どうかご勘弁を。

 

プロローグは、とにかく派手&荒唐無稽だ。

謎の人物に殺された医師(男性)と

不治の病で若くして亡くなった患者(女の子)

共に熱狂的なファンである超人気アイドルの隠し子(双子)として転生。

その後、不慮の死を遂げるアイドル(母)の"真犯人"を探るべく

双子(特に男性)は、幼くして芸能界に乗り込んでゆく。

 

ここまでは、よく見かける〈異世界転生モノ〉と同様

チート(万能)感いっぱいの主人公が縦横無尽に大活躍する

〈ドタバタ復讐劇〉が始まる!・・のかな? 

なんて、正直ゲンナリしながら2巻目を手に取ったのだが

見事にこちらの予想を裏切ってくれた。

 

双子はともに、前世の記憶を保持している転生者。

幼少時から思考も会話も「オトナ並み」というメリットを持っていた。

だが2巻目は、その利点が薄れる14歳時からスタートする。

なので、12歳で病没した女の子はもちろん

20代で死んだ男のほうも、「妙に大人びたガキ」程度に過ぎない。

 

でもって、純粋にアイドルを目指す女の子(瑠美衣-るびい)も

「母の復習をする!」と心の中で誓った男(愛久愛海-あくあまりん)も

常識はずれなチート能力をカケラも発揮しないまま

やたらリアリティの高い"イマドキの芸能界"を

持てる力を振り絞って、一歩一歩、よじ登ってゆくのだ。

 

しかも、そんな彼ら彼女らの周りには

この手の作品にありがちな〈軽薄な業界人〉が、ほとんど登場しない。

同年代のライバルたちは、それぞれが夢と現実の狭間でもがき、闘っている。

ディレクターやプロデューサーなどの〈裏方〉も

極めてリアルな価値観を持ち、"大人の言動"を披露してくれる。

 

おそらく原作者は、相当緻密な取材を重ねたうえで

本作品に落とし込んでいるのだろう。

マスコミ関係者から見ても

驚くほどリアルで破綻のない〈芸能界の裏表〉を描き出している。

それどころか、「恋愛リアリティショー」「ネットアイドル」などなど

今だからこその"ニューカマー"を次々お膳立てしてくれるのだから。

いい歳をした業界人としては、待ってましたの〈最新内幕モノ〉なのである。

 

どうか、この"濃厚な内容"と"ウソのようなリアリティ"を維持したまま

この先も走り続けていただきたい、と願う次第。

間違っても、"どうせ転生モノだし何が起きてもOKだよね!"

ーーみたいな「手抜き」だけは、勘弁してほしい。

 

ちなみに、8月発売予定の第5章(巻)は「2.5次元舞台編」とのこと。

首を長~く伸ばして、待ってるぞ!

 

ではでは、またね。