三度目の緊急事態宣言も、もはやカエルの面にションベン。
「不急じゃないが"不要"でもない」と言い訳のもと
開き直って出かける方々が続出。
新型コロナ感染者数も、相変わらずの高止まり状態を続けている。
いっぽう、オリンピック開催を目指す「お上」への否定的意見は、増加の一途。
もはや「国民の総意」と称されるほど、多数派を占めつつある。
そうした〈否定論者〉の多くが口にする反対理由が、冒頭のセリフ。
もう少し具体的に言うと、こんな感じか。
「あなたは『オリンピックは開催すべきだ』と主張するけど、強硬に開催し
その結果、爆発的なパンデミックが起き、多くの命が奪われたとしたら
どう責任を取るつもりだ。オリンピックは人の命よりも大切なのか!?」
でも、これって、「二者択一」として成立してないんじゃないかな。
もし成立するとしたら
「オリンピックを開催した結果、新型コロナによる犠牲者が爆発的に増えた」
といった因果関係を、異論を挟めないかたちで証明する必要がある。
しかし、この段階で大きな疑問が浮かび上がってくる。
すなわち、オリンピック開催は、本当に感染爆発を引き起こすのか・・である。
世界的なパンデミックが始まってから、すでに一年余り。
この間、新型コロナス感染に関する様々な事実が明らかになってきた。
ひとつは、空気感染までは行かず、主に飛沫や接触感染で広まる、ということ。
実際、マスクを正しく着用し、飛沫をまき散らす行為を控えていれば
毎日の通勤電車内やスポーツイベントの会場でも
感染爆発が発生しないことは、すでに立証済みとなっている。
よって最大の問題は、〈移動の禁止〉ではなく
「感染者の飛沫をばらまく行為」を、極力減らすこと。
だからこそ、国や東京都は、
やっきになって「不特定多数での飲食=マスクなしの会話」を禁止し
そのくせ満足な補償を用意しないから、飲食業者の猛反発を食らってるのだ。
で、この貴重な〈事実〉を、オリンピックに当てはめてみると・・
会場内での飲食行為さえ制限できれば
ある程度の観客(半分とか)を収容することは、決して不可能ではないはず。
感染爆発を起こした実例がないのに、ヒステリックに絶対禁止を叫ぶのは
理性的じゃないし、それこそ「常識知らず」ってやつだ。
ま、それでも、近年"路上飲み"やらが問題になっているように
完全前後(特に後)、どこかで語り合いたくなるのは、それこそ"人情"というもの。
残念ながら、強硬アレルギーの日本では、これを法的に禁じる勇気がない。
なので、現在の感染状況と、先進国中最低ランクのワクチン接種率を直視すれば
ごく常識的に考えて、夏のオリンピックは「無観客」が妥当である。
誰も、猫の首に鈴をつけようとしないんだから、仕方ないだろう。
結果、残る開催形式は、原則〈無観客〉のみ。
となると、ここに"逆転の一手"が潜んでいることに、お気付きだろうか?
以前に書いたことの繰り返しになるが
東京オリンピックの開催期間は
7月下旬から8月上旬にかけての2週間ちょっと。
奇しくもこの時期は、大学生以下の若者たちにとって「夏休みの入口」にあたる。
むろん少なからぬ社会人も、同じ時期に夏季休暇を取るはずだ。
すると例えば、新型コロナ感染抑制のため東京オリンピックは中止!
・・となった場合、彼らは、どんな行動に出るだろうか?
たとえ、四度目?の緊急事態宣言が発令。
「極力他者との接触を避け、ホームステイを!」なんて〈お願い〉したところで
法的強制力も罰則もないのに、唯々諾々と従うわけがないでしょ。
マスコミを挙げてヒステリックに騒ぎ立てている今回の感染爆発ですら
「ゴールデンウィーク中の人の移動は減る様子がない」ありさまなんだから。
しかし、例えば、世間体を気にし始めた国民の多くが
あくまでもイメージ面だけで「良識的」と受け取られやすい
「オリンピック開催中止」を叫ぶなか
("感染爆発の責任をとれ"と非難されることはあっても
"オリンピック中止の責任をとれ"とは、誰にも言われないからね)
強硬開催してみた、とする。
その場合、上記の〈夏休み遊びたい国民〉の行動は、どうなる?
少なくとも、私は、次のように考え、行動する。
『しょーがねーな。オリンピックもやることだし、この2週間はバカンスを我慢して、
テレビでも見ながら、ホームステイをやってみるか』
間違いなく断言できるのは
東京オリンピックを予定通り開催した場合(あくまで無観客という条件付き)
夏休み冒頭の人の流れは、確実に減少するーーということだ。
当然、人の移動に伴う「飲食・会食」の機会も減り、感染爆発は確実に抑制できる。
以上の論拠により
「オリンピックか人命か」という、二者択一は成立せず。
それどころか、オリンピック開催すれば感染者を減らす効果が期待できる。
・・・このように、結論づける次第だ。
もちろん、参加する各国選手の皆さんには、徹底した感染予防処置を講ずるべきだし
主な世界大会で実施されている「バブル方式」を厳格に行ない
まんいち感染者が見つかった場合は、残念ながら出場辞退をお願いする。
このあたりのシステムは、それこそ実証済みだ。
肝心なのは、〈すべてを完璧に行なわなければオリンピックではない〉
などといった"時代錯誤な価値観の奴隷"にならず
できる限りの手立てを尽くし、可能な範囲で、オリンピックを開催する。
――このことに、尽きるんじゃないか。
だいいち、今までさんざっぱら感情移入し
果たせなかった己の夢を夢を重ねては、泣き笑いさせてもらったくせに
「人の命よりアスリートの夢の方が大事なのか?」などと
目くじら立てて騒ぐ奴らの身勝手さは、正直、見るに堪えない。
そもそも、オリンピックを開催しようがしなかろうが
爆発的な大流行が起きる可能性は、常にある。
現に、大掛かりな人の移動や交流が抑制されているはずの、この瞬間ですら
史上最悪の事態に陥った自治体が、続々明るみになってるわけだし。
ならば、なんでもかんでも悲観的に受け止めて
自粛自粛の果てに、「何も楽しみがなかった1年間」を刻み付けるのではなく
「ほんっとに、2021年は大変な年だったけど。
東京オリンピックだけは・・やっぱ、やっといてよかったよね」
と、後で笑い合えるようにしたいんだよ。ホントに。
ではでは、またね。