ルアンパバーンへの峠道 ラオス(&ハノイ)ふたり旅 2018.11.27-12.4 4日目(その1)

2018年11月30日(金) バンビエン⇒ルアンパバーン

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            バンビエンの朝焼けを楽しむ

 

激しい夜(隣室)を過ごした割には深く眠れたらしく

明け方になって、パッと目が覚めた。

そういえばテラスがあったっけ。

ふと思いつき、ドアを開けて出てみると

・・・空一杯に朝焼けが!

部屋からデジカメを持ち出し、何枚かシャッターを押す。

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        上方の黒い粒がバルーン・・・失敗したなぁ。

 

相方も起きてきて、いっしょに眺めてると

ビー玉のような小さな粒が、ぷかりと浮かんでいた。

朝のバルーンフライトだった。

・・めちゃくちゃ、気持ちよさそう。やっぱり乗れば良かったなぁ

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          日が昇ると、あっという間に朝になる

 

うとうとするうち、朝の7時になったので

一階玄関前の広いテラス席に降り、朝食をいただく。

サラダ、ジュース、フルーツ、パン、ハム&エッグ、コーヒー。

内容はシンプルだが、材料が新鮮なせいか、やたら美味しい。

特にフルーツは、量も種類もたっぷりで、大満足だった。

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               朝のナム・ソン川

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         こんなロッジに泊まるのも、気持ちよさそう

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             朝からやってる屋台も多い

この日、ルアンパバーンに向かうミニバスの出発時間は、朝の9時。

それまで1時間半近くあったので、朝の散歩としゃれこんだ。

天気は、文句なしの快晴。

陽射しは強く、頭上には見事な青空が広がっている。

悠然と流れるナム・ソン川を包むように、山並みが続く。

どっちを向いても、絶景だらけ。

空気は美味しく、聞こえるのは鳥のさえずりばかり。

後ろ髪を引かれる想いで、宿に戻り、荷造りを終える。

 

昨日の大遅刻は何だったんだという感じで

予定通りの9時直前、ゲストハウスの正面にミニバスが入ってきた。

10~12人乗りといったところだ。

先客は、わずかに2人。

楽々、窓側の席を確保できた。

その後、何か所か回り、最終的には7割程度席が埋まるが

ぎゅうぎゅう詰めだったVIPバスとは、比べ物にならない快適さ。

やっぱり、小型バスにして正解だった!

相方ともども、車窓を眺めてたり、うつらうつらしたりと

理想的なバスの旅を楽しむことができたのだった。

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         青空の下、順調にミニバスは走る

ちなみに、この日乗車したミニバスのタイムテーブルは

バンビエン発900⇒1400ルアンパバーン

およそ5時間かけ、途中の山岳地帯を越えてゆくルートだった。

※VIPバスのような大型車だと、さらに1時間長くなる。

 その分、小型バスはスピードを出し運転も荒いため、車酔いしやすい。

 「だから大型バスの方がオススメ」とガイドブックに書いてあった。

てなわけで、あらかじめ酔い止め薬を飲んで乗車したのだが

ぜんぜん気分は悪くならず、むしろ揺れが気持ちよく、寝てばかりいた。

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       トイレ休憩。奥に止まってるのが乗車したミニバス。

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          トイレ小屋脇の展望。無駄に美しい。

途中、小さな売店でトイレ休憩。

その後、徐々に道は登り坂となり、ルアンパバーンへの山越えにさしかかっていく。

・・・いつの間にかうとうとしていたようで

はっ、と目が覚めた時には、車は峠道をゆっくりと進んでいた。

あたりには濃い霧が立ち込め、10メートル先がぼやけて見えない状態だ。

そんななか、工事トラックや作業服の男たちが、忙しそうに行き交う。

おそらく、昨夜あたり大雨が降ったのだろう。

崖崩れが起きたらしく、懸命に補修工事を行なっているのだ。

 

さらによく見ると、道の半分ぐらいが崩れ落ち

二車線道路が一車線程度の幅にまで狭まっていることが判った。

そのため、交通規制がかかっており

事実、すぐ脇では、何台もの大型バスが移動を禁じられ

なすすぺもなく列を作って止まっていた。

我々が乗車していたミニバスも

同様に「その場で待機」を命じられているようだ

常識的に考えれば、ルアンパバーンまで陸路で行ける状況ではない。

このまま引き返すしかないのか・・と思ったのだが・・

なぜかミニバスは、そろそろ前に進み続ける。

なんと、監視の目を盗んで、強行突破しようというのだ!

 

そして数分~十数分間。

真っ白な霧の中、動いたり止まったりを何度か繰り返したすえ

突然、ミニバスは勢いよく走り出す。

どうやら、無事に〈崖崩れエリア〉を通り抜けたらしい。

乗客全員が、盛大な拍手をドライバーに送った。

停まったままの大型バスを横目に

我らの車は、ぐんぐんスピードを上げてゆくのだった。

 

事実、この崖崩れで、大型バスは引き返すしかなかったらしい。

前日のVIPバス体験がなければ、土壇場で「ミニバスへの変更」もなく

我らふたりも、ルアンパバーンにたどり着けなかった。

返す返すも、旅先における〈悪運の強さ〉は、ハンバない。

 

痛い目に遭えば、もう少し慎重になるのだが

「なんとかなるだろう」と思うと

本当に「なんとかなってしまう」のだ。

この〈悪運〉が尽きるまで、旅はやめられそうにない。

 

ではでは、またね。