Greed(強欲)の暴走を許すな 所得額に上限を定め、超過分は諸問題の対策に使おう。『バイヤーズクラブ いのち救う薬を求めて』(NHK-BS世界のドキュメンタリー 3.17放送) MakeMakeの遠吠え

タイトルやキャプションが気になった番組は、念のためHDに録画。

余裕があるときに順次再生し、「もういいや」と思うまで観ることにしている。

大半は冒頭の5~10分間見ただけで消去するのだが

それでも、たまに『お宝』を掘り当てるので、どうにもやめられない。

3月17日(水)2300からNHK-BS1で放送されたドキュメンタリー番組

『バイヤーズクラブ いのち救う薬を求めて』も

そうやって出会えた《大当たり》だった。

 

番組の主人公は、オーストラリア・タスマニア島に暮らす一人の男性。

数年前、彼は、C型肝炎に感染し、そのまま放置すれば命を失う状況にあった。

だが、まさにその頃、とある製薬会社がC型肝炎の特効薬の開発に成功。

1~2か月間、定期的に服用するだけで

それまで、いかなる治療法を駆使しても1割程度しかなかったC型肝炎の治癒率を

ほぼ100パーセント、何の副作用も伴わずに完治できるようになった。

まさに、奇跡の新薬誕生!

 

ところが、ひとつだけ、大きな問題があった。

命を救う特効薬の値段が、とにかく高い。

国によって違うが、欧米など先進国で購入する場合

日本円にして、およそ600~1000万円という価格が付けられていたのだ。

実際に薬を作るために必要な「原価」は、1ドル未満だというのに。

 

男は、行き詰った。

まとまった金を用意するだけの、経済的余裕がなかったからだ。

命を救える薬があるのに、使うことが出来ない。

このまま、死を待つしかないのか・・

 

しかし、ひとつの情報が、男を救うことになる。

その名は――ジェネリック医薬品

超高額に設定された欧米諸国とは別に

インドやアフリカなどの開発途上国?で提供される「特効薬」は

特許の大部分を免除した「ジェネリック薬」で代行され

先進諸国の20~100分のⅠという手ごろな価格で

(それでも日本円で数万のレベルだが)提供されていたのだ。

 

迷わず男は、単身、インドに渡航

あらゆるつてを頼って、ジェネリック薬を入手。

帰国後、その服用を開始し、見事C型肝炎を完治させる。

 

だが、男は、それで満足しなかった。

自分と同じように高額過ぎる薬代が払えず

命の危機にさらされているC型肝炎患者のため

個人輸入によるジェネリック薬の提供に乗り出したのだ。

ネットを通じてスタートした、この「代行輸入サービス」に

すぐさま世界中の、お金に余裕のないC型肝炎患者たちが注目。

短い間に、数百・数千人の命を救うこととなった。

 

しかし、「特効薬」を開発・販売している製薬会社が

そんな〈スタンドプレー〉を、見逃すはずもない。

ボランティア的な男の行為の違法性を訴え、その活動を全力で阻止。

自らが設定した〈高すぎる薬価〉に関しても

「特効薬の開発に要した莫大な資金を回収するための正当な価格設定であり

 潤沢な元手がなければ、新たな薬の研究・開発もできなくなる」

と、堂々と言い放った。

最初の一年間だけで、数兆円規模の利益を上げたにも関わりず。

 

ま、早い話。

マネー・ファースト。人命はその次。・・ってことだ。

かつての金融危機で、巨額の退職金を「貰い逃げ」したCEOらの例を見るまでもなく

強欲=Greedに囚われた人間ほど、醜い存在はない。

 

だって、そうだろう。

たとえ何兆円集めようとも、びた一文「あの世」には持っていけない。

もちろん巨額の富を得たからって、天国に行けるわけでも、

神族の一員にランクアップできるわけでもない。

(そもそも「天国」も「神さま」も存在するとは思ってないし)

それどころが、多すぎる金は、幸せよりむしろ不幸や争いを引き寄せる。

肉親・親戚同士が憎み合い奪い合う、相続騒動は言うまでもなく

巨額の遺産を持て余し、生きる目的を見失った〈二世〉も、哀れでしかない。

 

だからこそ、強く、強く、提案したい。

"金に人生を奪われない"ためにも、

もっとたくさんの金を!というゴールのないマネーゲームに、上限を設定。

ある一定額を超えた所得(財産)は

国家の枠を超えた非営利組織の許にストック。

医療・福祉・貧困・教育など、苦しむ人々の自立を助ける

〈生きたカネ〉として、有効に使用するべきだ――と。

 

具体的な上限額は、たとえば・・年間で100億円あたりでどうだろう。

実際、これ以上稼いだところで、どんな使い道があるというのか。

せいぜい、島を買い取るとか

自分のロケットを作って飛ばすとか

専用のアミューズメントパークを作るとか。

いずれにしたって、ロクなもんじゃない。

 

むろん、過剰分の金を譲渡した人に対しては

ちゃんとした「見返り」が必要だ。

たとえば、それは《名誉》で報いることができる。

かつて貴族のランク付けに使われた「伯爵」「公爵」etcとは別に

超高額所得者だけが名乗れる〈新たな爵位〉を授与する、とか。

日本でいえば、〈名誉皇族に任ずる〉という道もある。

どのみち、日本の皇族は国政に関する「決定権」を持たないのだから

その一端に連なる栄誉を与えたようと、痛くも痒くもない。

少なくとも、補助金?目当ての"結婚ゴロ"が割り込まれるより

国内外に対して、はるかに見栄えのいい〈新皇族〉になる。

 

 

それ以外にも、「命名権」や「国民栄誉賞的なセレモニー」など

《名誉》をベースにした特別なグループの設立は、決して難しくない。

え? そんなことしたら、新しい特権階級ができてしまう? 

いいんじゃないかな、それで。

生い立ちやら生まれ持った才能で、明らかに存在している「格差」を無視して

〈人はみな平等〉〈みんな違って、みんな素晴らしい〉とか

ありえない理想を追い求めるより、はるかに現実的な"対策"だと思うよ。

それに、ほら、ノーブレス・オブリージュって、あるじゃん。

「選ばれし者は、その地位に叶う責務を果たさなければならない」ってやつ。

《名誉》って、裏を返せば《義務》。

階級にふさわしい言動を、背負って立つ存在なのだ。

それができないようなロクデナシだったら、世論で引きずり下せばいい。

みんな得意でしょ。過剰に反応してあっというまに炎上させるの。

 

あいやー・・いつのまにか、黒くなってきたようだ。

このあたりで、MekeMekeは退散しよう。

 

ではでは、またね。