2020年2月27日(木) ハバナ市内
価格については、しっかりチェックしたはず。
係の女性に見せてもらった「料金プランの一覧」から
1GB(ギガバイト)-10CUC(ほぼ1200円)のところを指し示し
確認のためラインマーカーで線を引いてみせた。
しかし、.用意したSIMフリースマホにプリペイドカードをセットしてもらい
あとは接続を待つだけとなったところで、彼女が差し出した請求書の額は
――40CUC(キューバペソ)。
実に4倍、日本円で5千円にまでジャンプアップしていたのだ。
ホワイ? なぜに!?
どうにも納得がいかず、必死に英単語を並べて理由を聞いてみると・・
「SIMカードの値段が30CUCかかる」という。
これまで覚えているだけでも、
プリペイドSIMカードを購入したどの国でも
請求されたのは、通信費のみ。
カード本体に料金が課されたことは、ついぞなかった。
えー・・そりゃないよ~。
反射的にキャンセルを申し込むが、セットした後だから無理だという。
泣く泣く、40CUCを差し出すことに。
しかも、お金を受け取った彼女は、笑顔で、とんでもないことを口にした。
「今日はまだアクティベート(利用)できません。
明日の朝セッティングするので、もう一度ここに来てください」
なんと、通信会社から許可が下りるのに時間がかり
ネットに接続できるのは明日になる(たぶんそんな内容)、とのたまうのだ。
え、え、え~~っ!
明日もう一回来い、なんて無理だって。
朝8時40分発のバスで、300キロ以上離れたトリニダーに行くんだから。
ダメもとでこちらのスケジュールを伝えると
両手を広げ左右に上げる、世界共通の〈御愁傷さま〉ポーズが返ってきた。
どんなにお願いされようとも、今日中に使えるようにはできない、ってことだ。
・・・おいおい、5000円も払ったのに、ハバナに戻ってから出国までの
最後の2日間しか、ネットに接続できないっていうのか.。
なんだこの、理不尽さ。
さすがは社会主義国。肝心なところで融通が利かないんだよなぁ。
35年前、解放直後の中国の旅を思い出してしまったぜ。
ま、やっちまったものはしょーがない。
ネットにつながらないスマートフォンを握りしめ
久々の〈カルチャーショック酔い〉をひきずったまま、店の外へ。
初夏のような強い陽射しが降り注ぐ旧市街を
次の目的地に向かって、進んでいく。
昨夜、グーグルマップで両替所(CADECA)を調べてみたら
すぐ近くに支店があることがわかったので
ついでに両替えを済ませてしまおうと考えていたのだ。
え? 両替なら空港でやったんじゃないの?
確かにそうだが、あそこは外貨(日本円やドル)からCUC(兌換ペソ)の両替しか
受け付けてくれなかった。
実は、キューバには、もうひとつの通貨CUP(人民ペソ)が流通しており
一般国民は、もっばらそちらを使って売り買いしている。
(ちなみに、CUPから直接外貨に両替することは出来ない」
つまり、キューバに来た外国人が、路線バスに乗ったり個人商店で買い物をしたい・・
といった庶民レベルの行動をとるためには、このCIPが必要不可欠。
そして、CUCとCUPの両替を受け付けている施設(銀行)こそ、我らの目的地no.2。
両替所(CADECA)なのだった。
なとど、上記の一節を読む程度の短時間で、目指す両替所(CADECA)前に到着。
ここでも5~6組の先客が、閉ざされた入り口ドアのまえで列を作っていた。
最後尾について、様子を眺めていると。
ときどき中にいる係員が開け、先頭から一組ずつ招き入れていた。
お金を扱うところだけに、きっちり入場制限を行なっているのだった。
幸い、10分少々で列の先頭まで進み
閉まったドアに貼られた「営業時間」の表示に目を走らせると・・
「12時30分から昼休み」だということに気づく。
午後の営業開始は、14時から。
あわてて腕時計を見ると、、12時17分。
よかった。なんとか間に合いそうだ.。
ちょうどそのとき、ドアが内側から開き、係の男性がアゴを上げて「入ってこい」。
・・なんとか滑り込みセーフで、人民ペソ(CUP)をゲットできた。
朝の9時から3時間半かけ、手に入れたのは
使えないSIMカードと、人民ペソだけ。
気づいてみれば、午後1時。
せめて美味しいランチで腹を満たそうと
これまた事前にマップでチェックしておいた
やはり旧市街にある「ハバナで人気No.1のレストラン」を目指すことに。
Esqui a de Cubaは、ビルの二階にテラス席を並べたおしゃれなレストラン。
外国人観光客をターゲットにした、清潔であか抜けた雰囲気の店だった。
旧市街を見下ろせるテラス席を選ぼうとしたが
風が強く、テーブルクロスごとグラスを引っくり返しかねなかったので、断念。
壁沿いにある、それでも眺めのいい2人席に落ち着いた。
例によって、たくさんは食べられないので、店員にそのことを伝え
セットのコース料理1人分と、ドリンクをべつにもう1つ注文。
・・・で、これが絶品だった。
ふたりともがドリンクに選んだキューバ名物「モヒート」はもちろんのこと
前菜の、これまたキューバ名物「黒豆のスープ」は、驚きのワサビ?風味。
さらにメインのロブスターも、肉厚・スパイシー・かつ上品な味付け。
それぞれ量も充分で、2人でシェアしてちょうどいいボリューム。
2セット注文していたら、3割方は残していただろう。
後から考えると、この初日の昼食が、キューバで一番おいしかった。
モヒートのほろ酔い気分もあって、チップを多めにはずんでしまったが
それでも〆て3000円ちょっと。
これで外国人向けなのだから、キューバの食費はかなり安そうだ。
時刻は、午後2時半ちょい前。
とりあえず「今日中にやるべきこと」は、済ませた。
あとは、名実ともに"フリータイム"を残すのみ。
昨夜の寝不足に加え、ボディーブローのように時差ボケが効いてきたせいで
いったんホテルに戻り小休止してもよかったが
体の欲求に従ってしまうと、いつまでたっても昼夜逆転状態のまま。
多少無理してでも、せめて夕方までは.起きていないと.。
さあ、どこに行こうかな?
ではでは、またね。