モヒートとロブスターで全部チャラ? キューバふたり旅 2020.2.26-3.5 2日目(中編)

2020年2月27日(木) ハバナ市内

 

f:id:utatane-do:20210217224146j:plain

ハバナのニャー

価格については、しっかりチェックしたはず。

係の女性に見せてもらった「料金プランの一覧」から

1GB(ギガバイト)-10CUC(ほぼ1200円)のところを指し示し

確認のためラインマーカーで線を引いてみせた。

しかし、.用意したSIMフリースマホプリペイドカードをセットしてもらい

あとは接続を待つだけとなったところで、彼女が差し出した請求書の額は

――40CUC(キューバペソ)。

実に4倍、日本円で5千円にまでジャンプアップしていたのだ。

ホワイ? なぜに!?

どうにも納得がいかず、必死に英単語を並べて理由を聞いてみると・・

SIMカードの値段が30CUCかかる」という。

 

これまで覚えているだけでも、

ベルギー、ポルトガル、スイス、トルコ、ベトナム、台湾etc

プリペイドSIMカードを購入したどの国でも

請求されたのは、通信費のみ。

カード本体に料金が課されたことは、ついぞなかった。

えー・・そりゃないよ~。

反射的にキャンセルを申し込むが、セットした後だから無理だという。

泣く泣く、40CUCを差し出すことに。

 

しかも、お金を受け取った彼女は、笑顔で、とんでもないことを口にした。

「今日はまだアクティベート(利用)できません。

 明日の朝セッティングするので、もう一度ここに来てください」

なんと、通信会社から許可が下りるのに時間がかり

ネットに接続できるのは明日になる(たぶんそんな内容)、とのたまうのだ。

え、え、え~~っ!

明日もう一回来い、なんて無理だって。

朝8時40分発のバスで、300キロ以上離れたトリニダーに行くんだから。

ダメもとでこちらのスケジュールを伝えると

両手を広げ左右に上げる、世界共通の〈御愁傷さま〉ポーズが返ってきた。

どんなにお願いされようとも、今日中に使えるようにはできない、ってことだ。

 

・・・おいおい、5000円も払ったのに、ハバナに戻ってから出国までの

最後の2日間しか、ネットに接続できないっていうのか.。

なんだこの、理不尽さ。

さすがは社会主義国。肝心なところで融通が利かないんだよなぁ。

35年前、解放直後の中国の旅を思い出してしまったぜ。

 

ま、やっちまったものはしょーがない。

ネットにつながらないスマートフォンを握りしめ

 久々の〈カルチャーショック酔い〉をひきずったまま、店の外へ。

初夏のような強い陽射しが降り注ぐ旧市街を

次の目的地に向かって、進んでいく。

昨夜、グーグルマップで両替所(CADECA)を調べてみたら

すぐ近くに支店があることがわかったので

ついでに両替えを済ませてしまおうと考えていたのだ。

 

え? 両替なら空港でやったんじゃないの?

確かにそうだが、あそこは外貨(日本円やドル)からCUC(兌換ペソ)の両替しか

受け付けてくれなかった。

実は、キューバには、もうひとつの通貨CUP(人民ペソ)が流通しており

一般国民は、もっばらそちらを使って売り買いしている。

(ちなみに、CUPから直接外貨に両替することは出来ない」

つまり、キューバに来た外国人が、路線バスに乗ったり個人商店で買い物をしたい・・

といった庶民レベルの行動をとるためには、このCIPが必要不可欠。

そして、CUCとCUPの両替を受け付けている施設(銀行)こそ、我らの目的地no.2。

両替所(CADECA)なのだった。

f:id:utatane-do:20210217224431j:plain

洗濯ものだってカラフル

なとど、上記の一節を読む程度の短時間で、目指す両替所(CADECA)前に到着。

ここでも5~6組の先客が、閉ざされた入り口ドアのまえで列を作っていた。

最後尾について、様子を眺めていると。

ときどき中にいる係員が開け、先頭から一組ずつ招き入れていた。

お金を扱うところだけに、きっちり入場制限を行なっているのだった。

幸い、10分少々で列の先頭まで進み

閉まったドアに貼られた「営業時間」の表示に目を走らせると・・

「12時30分から昼休み」だということに気づく。

午後の営業開始は、14時から。

あわてて腕時計を見ると、、12時17分。

よかった。なんとか間に合いそうだ.。

ちょうどそのとき、ドアが内側から開き、係の男性がアゴを上げて「入ってこい」。

・・なんとか滑り込みセーフで、人民ペソ(CUP)をゲットできた。

 

朝の9時から3時間半かけ、手に入れたのは

使えないSIMカードと、人民ペソだけ。

気づいてみれば、午後1時。

せめて美味しいランチで腹を満たそうと

これまた事前にマップでチェックしておいた

やはり旧市街にある「ハバナで人気No.1のレストラン」を目指すことに。

f:id:utatane-do:20210217224529j:plain

キューバで一番美味しかったレストラン

f:id:utatane-do:20210217224632j:plain

おしゃれ・・というより、カジュアル?

Esqui a de Cubaは、ビルの二階にテラス席を並べたおしゃれなレストラン。

外国人観光客をターゲットにした、清潔であか抜けた雰囲気の店だった。

旧市街を見下ろせるテラス席を選ぼうとしたが

風が強く、テーブルクロスごとグラスを引っくり返しかねなかったので、断念。

壁沿いにある、それでも眺めのいい2人席に落ち着いた。

例によって、たくさんは食べられないので、店員にそのことを伝え

セットのコース料理1人分と、ドリンクをべつにもう1つ注文。

・・・で、これが絶品だった。

 

ふたりともがドリンクに選んだキューバ名物「モヒート」はもちろんのこと

前菜の、これまたキューバ名物「黒豆のスープ」は、驚きのワサビ?風味。

さらにメインのロブスターも、肉厚・スパイシー・かつ上品な味付け。

それぞれ量も充分で、2人でシェアしてちょうどいいボリューム。

2セット注文していたら、3割方は残していただろう。

後から考えると、この初日の昼食が、キューバで一番おいしかった。

モヒートのほろ酔い気分もあって、チップを多めにはずんでしまったが

それでも〆て3000円ちょっと。

これで外国人向けなのだから、キューバの食費はかなり安そうだ。

f:id:utatane-do:20210217224920j:plain

バオバブっぽい木を発見

時刻は、午後2時半ちょい前。

とりあえず「今日中にやるべきこと」は、済ませた。

あとは、名実ともに"フリータイム"を残すのみ。

昨夜の寝不足に加え、ボディーブローのように時差ボケが効いてきたせいで

いったんホテルに戻り小休止してもよかったが

体の欲求に従ってしまうと、いつまでたっても昼夜逆転状態のまま。

多少無理してでも、せめて夕方までは.起きていないと.。

さあ、どこに行こうかな?

 

ではでは、またね。