旅の良し悪しはトイレで決まる!?  ローマ&ナポリふたり旅 2017.1.3-1.9 4日目(前編) 

2017年1月6日(金)ナポリ⇒ソレント⇒アマルフィサレルノナポリ

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ここまでたどりつくのは大変だった・・

この日、イタリア全土は祝日(御公現の祝日Epifania)

博物館や美術館が軒並み閉まるらしかった。

ポンペイは開いていたがフォノ・ロマーノに入っていたので

 遺跡以外のところを見て回りたかった)

なので1日かけて、アマルフィ海岸を巡る予定を立てていた。

しかし、日本からネットなどで調べても

現地を運行するフェリーやバスの時刻が分からない。

結局、いつもの〈でたとこ勝負〉。

――まい、いいか。とにかく、行けるとこまで行ってみよう!

ということになった。

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ホテルのロビー

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シンブルながら美味しい朝食

朝7時半ごろホテルのロビーで朝食をとり

(パンとジュースとカフェオレだけだが、焼きたてで美味しかった)

8時過ぎには出発し、ナポリ中央駅を目指す。

とりあえず、ナポリからソレントまでは

「私鉄ヴェスーヴィオ周遊鉄道」で行けることがわかっていたので

その近くにあるヴェスーヴィオ鉄道の始発駅に向かったのだ。

 

前日に立ち寄り、時刻表で確認しておいたとおり

8時39分発の列車で、一路、ソレントへ。

乗車率は100パーセント以上。

途中でポンペイ遺跡の最寄り駅にも停まるので、大半は観光客だった。

予想通り、30分ほどのヴィッラ・ディ・ミステリというポンペイの最寄り駅で

乗客の多くが下車。

おかげでその先のソレント半島部分は、車窓に見えるナポリ湾を眺めながら

ゆったり列車の旅を楽しむことができた。

・・が、それは〈嵐の前の静けさ〉にすぎなかったのだ。

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案内板の地図なんか撮ってる場合じゃなかったのに・・

定刻の9時47分、うららかな日差しが降り注ぐ終点ソレント駅に到着。

天候のせいか南に来たせいか、ナポリ市内よりかなり暖かく感じる。

とはいえ、ここから先はノープラン。

まずは駅に設けられた観光案内所に飛び込み

にこやかに迎えてくれた女性職員に

ソレントからアマルフィに行くフェリーについて尋ねてみると

海が荒れるため、残念ながら冬場は運休とのこと。

ならば、バス便は?と重ねて聞くと

駅前10時発で、アマルフィを通ってサレルノので行く便があるという。

彼女が指差す駅前広場(というほど広くない)に視線を向けると

確かに一台のバスが停車中。すでに乗車が始まっていた。

ちなみに、これを逃すと13時までないらしい。

え?! 10時ってことは・・あと10分もないじゃん!

じゃ、急いで乗らなくちゃ!

と、焦りながらも、身体はもう一つの欲求を訴えていた。

そう。トイレに行きたくなっていたのだ。

 

電車を降りてすぐ、駅舎の中にある(はずの)トイレに向かえばよかったのだが

まずは「この先の確認」を済ませてしまおう、と思ったのが間違いだった。

いったんバスに乗ったら、1時間40分後のアマルフィ到着まで我慢するしかない。

頭の中は「とにかくトイレ!」で一杯になってしまった。

駅員に願い出て、ホームにある(はずの)トイレを使わせてもらえば

大騒ぎすることもなかったのだろうが

「駅前だしカフェのひとつやふたつはあるはず。そこでトイレを借りればいい」

と考えてしまったのが、運のツキ。

下り坂になっている駅前通りに出ると

確かにカフェらしき店はちらほら見かけたものの

あいにく、みんな営業前。

そりゃそうだ。まだ朝の10時前だもの。

それでも、坂を下りた角に開店準備中のオープンカフェを発見。

テーブルクロスを広げるイケメン店員に、「トイレを貸してください」と声を掛けると

ニカッと笑って、奥まったコーナーを指し示してくれた。

――助かった~~!

(使用後、チップを渡そうとしたが、"いいよいいよ"と受け取ってくれなかった)

 

さんざん待たせてしまった相方に「ごめん!」と告げ

駅前に取って返そうと足を踏み出したそのとき

目の前の交差点にバスの運転席が、ぬっ・・と姿を現わす。

そう。急いだつもりだったが、とっくのとに10時を過ぎていたのだ。

あーーー、バスが行ってしまう!!

思わず、相方ともども去り行くバスに向かって手を挙げる。

すると・・なんと、その場で急停止するではないか。

すかさず乗車口に走り寄り、「乗せてほしい!」と身振り手振りで訴えると。

運転席のオジサンは、出発地点だった後方の駅前を指差し

「待ってやるから、チケット買ってこい」と答えた(と思う)。

・・え?!ホントにいいの?!

急いで坂道を登り、駅前へ。

先程までバスが停まっていた場所に.会議室にあるような長テーブルを置き

チケット販売していた職員から、乗り降り自由で24時間有効の「周遊券」を購入。

すぐ道を駆け降り、およそ5分遅れでバスに乗車することができた。

こちらの勝手でお待たせてした運転手&乗客のみなさん。まことに申し訳ない!

 

※実は、バスのチケット売り場で

 「いま出たバスに乗るから切符を売ってくれ」と訴えると

 「30分後に次のバスが出るから、急がなくても大丈夫」と返された。

 観光案内所の情報とは違い、バス便は頻繁に走っていたのだ。

 (おそらく、複数の会社が運営しているのだろう)

 先にここで時間をチェックしてれば、まったく焦る必要はなかった次第。

 ま。うまくいかないときって、こういうもんだよね。

 

とにもかくにも、ソレント10時(プラス5~6分)発のバスに乗り

左手に海を眺めながら、ぐるっと反時計回りにソレント半島をめぐることに。

幸い、最後尾の一列が空いていたので、そこに陣取り

断崖絶壁にへばりつく家々や青い海を、じっくり眺めることができた。

前もってネットで得た情報では

「くねくね道が延々と続き、めちゃめちゃ車酔いする」「酔い止め薬は必須」

など、このルートの過酷さをしきりに訴えていたが

個人的な実感では、まったくそんな不穏さに襲われることはなかった。

最後尾の席なので振り回されていたはずだが・・運転手が優秀だったのだろう。

 

気持ちよく晴れ渡っていたこともあり、景色は最高。

揺れもまったく問題なしと、いいことづくめで1時間40分の絶景バス旅は完了。

お昼前の11時40分、無事アマルフィに到着できたのだった。

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あれは・・ヴェスーヴィオ山?

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絶景。また絶景。

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イスラムの塔」発見!


ではでは、またね。

 

 

 

 

 

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