2017年1月5日(木) ローマ⇒ナポリ
ローマから2時間ちょっとの鈍行列車旅で
ナポリ中央駅に着いたのは、時刻表通りの13時10分。
ここから予約したホテルまでは、歩いて5分程度だ。
ちょっと早いけどチェックインを済ませようと
2泊分の着替えなどを詰めた軽いバッグを肩にかけ
駅前広場へと足を進めると。
・・なんだか、ローマとぜんぜん違う!
まず、昼下がりなのに、妙に暗い。
不思議に思って見回すと、行き交う人がアフリカ系ばかり。
いや、ホントだってば。
明らかにラテン系とわかる人も、のきなみ小柄で肌も浅黒いのだ。
しかも、旅行者の警戒心が後押ししているのかもしれないが
みなさん目つきが鋭く、物騒な雰囲気を漂わせている。
加えて広場のあちこちに、背丈を越える巨大なゴミの山が、そびえていた。
結果、ナポリの第一印象は――
あ、〈違う国〉に来たな。・・だったのだ。
とはいえ、びくびくしてても、いいことはひとつもないので
せいいっぱい背筋を伸ばし、何度も訪れた常連のような決然とした足取りで
ホテルがあるはずの脇道へと進んでいく。
手にした「歩き方」の地図にも、極力目を落とさぬよう気を付けて。
おかげで一本道を間違えたりしたが
さほど迷わず、目指すホテルの名を記したプレートが張り付く
4~5階建てのビル?の前に辿り着くことが出来た。
でが、実はこれからが、またひと仕事。
頑丈な鉄柵の扉でロックされた入口脇のインターホンを押し
名前と予約していることを、.英単語を並べ、なんとか伝える。
すると、カタコト英語には慣れているらしく
すぐに「カチリ」という音がして、戸口のロックが解除。
狭い階段をホテルのある(たしか〉3階まで上がっていくと
そこにも鍵のかかったドアが。
入り口と同じ過程を経て、ようやく二晩お世話になるナポリの宿
すく目の前に受付カウンターがあり
そこに60~70代とおぼしき小柄で痩せたオジサンがにっこり笑い
魚河岸のセリ人のようなしゃがれた渋い声で迎えてくれた。
これだけで「ナポリに来た!」と実感できるほど、強烈な存在感の持主。
また、案内された部屋は狭く不規則な形をしており
両側の壁に沿って、二台のベッドがずらした「二」の字に折れていた。
早い話、平行四辺形の上辺と下辺の位置関係だ。
実は二カ月ほど前、ネットでナポリのホテルを探していたとき
このホテルを発見し、1泊二千円未満という料金に感激。
2つのベッドが離れてたのも好都合だったので(いびきがうるさい時がある)
「バス・トイレ共用」という条件を知りつつ、予約してしまったのだ。
(ただし、相方に「バス・トイレ共用」は少々キツかったらしい。
結局、一度もシャワー室に入らなかった。
これ以降、予約した宿はすべてバス・トイレ付きとなる)
なにはともあれ、チェックインもとどこおりなく終了。
最低限の荷物だけをデイバッグに詰め、いざ初のナポリ散策へ。
まずは、夕食の予約を済ませてしまうことに。
これも旅立つ前に、ネットや「歩き方」で調べたところ
人気店のディナーは予約しておいたほうがいい、と口?を揃えていた。
むろん電話一本で済むのだが、スムーズに予約できるほど英会話に自信はない。
そこで、昼間のうちに直接店を訪ねることにしたのだ。
店の場所も確認できるから、一石二鳥と言えなくもないしね。
こうして、駅付近で一番人気のレストラン「ダ・ドナード」で、を翌日夜の席を予約。
同じく駅近の「ミミ・アラ・フェッロヴィア」で、数時間後の夕食の予約を確定。
この時点で、時計の針は3時を少し回ったあたり。
・・やれやれ。あとは安心してナポリ観光を楽しむだけだ。
再びナポリ中央駅に取って返し、駅前広場で店を開けていたキオスク?で
市内わ走るバス、トラム、ケーブルカー、地下鉄に使える「1日乗車券」を購入。
お金を取り出そうと、たすき掛けにしたバッグに手を掛けると
キオスク?のおっちゃんが、厳しい口調で、なんか言った。
たぶん「そんなんじゃひったくられちまうぞ!」みたいな内容だ。
すぐ身振り手振りで、ダウンジャケットの下にバッグを隠すように指示し
その通りに行動すると、「ウンウン、それでよし!」と大きく頷いていたから。
うわ。そんなにカッパギが多いのかよ、この町は!
改めて、ナポリのブッソウな一面を実感させられたのだった。
ま、それでも〈なんとかなるだろう〉と
ふらふら街なかに繰り出していっちゃうんだけどね・・
こんなゴミゴミした路地があちこちへと伸びている
ではでは、またね。