旅の"禁断症状"を「道の駅」で癒す 2021年1月13&14日(前編) Ara-kanふたり旅

1月12日~15日まで国内旅行を予約していたが

「緊急事態宣言&不要不急の外出自粛への要請」などから

キャンセルを余儀なくされ

ゴミ箱の中に放り込まれたような気分で、ぽっかり空いた四日間を迎えた。

 

それにしても、「不要不急の外出」って、何?

たとえば余命半年を宣言された人が

"来年まで待てないので、断固としてお花見の旅に行きたい"

と主張し実行するのは、「不要不急の外出」に該当するのか否や?

 

・・などと、例によって具体的な線引きをするどころか

己の責任につながる約束をなにひとつ提示せぬまま

ひたすら〈自己責任しか行き着く先のない曖昧な自粛〉を唱える

どこまでも頼りにならない「お上」に呆れかえるうち

さんさんと日差しが降り注ぐ絶好の行楽日和に

4日間も自宅に籠って待機し続けるのが、アホらしくなってきた。

 

てなわけで、2日目の1月13日

可能な限り予防対策を心がけつつ、近隣の道の駅を訪ね回ることに決定!

この日は、国道246号線を西へ向かうこと1時間半。

松田町のあたりで県道78号線に分かれ、ちょっと行ったところにある

「道の駅 足柄・金太郎のふるさと」へ。

到着したのは1時15分あたりだったが、駐車場は8分ほどの込み具合。

平日の昼下がりにしては、なかなかの盛況ぶりだった。

そりゃそうだ。こんないい天気の日に、ずーっと自宅待機だなんて。

まして中高年だったら、外出せずじっとしていたら運動不足で体調を崩しかねない。

偉い人たちの言うことに全部従って、健康でいられるほど現実は甘くない。

結局、自分の身は自分で守るしかないってこと。

だ~れも、責任なんか取ってくんないんだからさ。

・・みんな、考えることは一緒なんだよね。

「道の駅」の賑わいにホッとするなんて、思ってもみなかったよ。

 

ま、重たい話はこのくらいにして。

 

以前から、国内旅行に出た時(特にレンタカーで回る場合)は

小休止ポイントを兼ねて、各地にある道の駅を訪ねるようにしている。

手頃な価格で、土地ごとの名物や特産品が楽しめるので

かれこれ10年以上にわたり、すっかり味をしめていたのだ。

ちなみに神奈川県内にある道の駅は、全部合わせても4カ所のみ。

そのうち、2年ほど前に「箱根峠」は訪れていたので

今回の「足柄」で2つ目となる。

 

四国・九州・沖縄・北海道などで巡った道の駅のように

新しい発見や驚きはないだろう・・と、あまに期待せずに入ったが

いい意味で予想を裏切る充実ぶりだった。

なかでも、「ふるさとゴハン食堂」と銘打った食事スペースは

〈土地のもの〉をふんだんに使ったオリジナルメニューが、勢ぞろい。

何を注文しようか、しばし迷ったすえ、2人とも意見が一致。

おそらく一番人気の「大きいさかなと小さいさかな丼(多分)」を選ぶことに。

要するに、まぐろ刺身丼・鉄火丼・シラス丼の三位一体バージョンだ。

 

食券を購入、半分ほど埋まったソーシャルディスタンシング済みテーブルで

待つことしばし。

番号を呼ばれ、キッチンカウンターに向かうと、

そこには、丼から溢れんばかりの大きな魚と小さな魚たちが!

まずは、たっぷのワサビを溶かした生醤油をタラリ。

いただきます!

・・おお。最近新鮮な魚を食べていなかったからかもしれないが、うまいじゃないか!

特に、まぐろの刺身とシラスは、笑みがこぼれるおいしさだった。

 

途中まで夢中で食べたところで、お盆に乗せられたもう一本の調味料に目が行く。

実は本品を受け取ったとき、お盆の上には「丼・醤油・ゴマダレ」の三品が

あたかも釈迦三尊像のように、立ち並んでいたのだ。

しかも、ランチョンマット代わりに敷かれたペーパーには、

このメニューの「おススメの食べ方」が、図解入りで紹介されていた。

それによると、①まずは、ワサビを溶かした生醤油を掛けて召し上がれ。

②次に、ゴマダレをかけて、違う風味を味わってください。

③最後は、ごはんと少量のお刺身を残し、出汁スープをかけてお茶漬けでどうぞ。

・・といった、3段構えの食べ方を順次楽しめるように工夫されていたのだ。

(文章&情報はうろ覚え。間違ってたらゴメンよ〉

 

てなわけで我らも、この有難いガイドに従い

途中で、「わさび醤油」から「ごまだれ」へとチェンジ。

残り3~4分の1になったところで

丼を手に、おもむろに席を立ち(むろんマスク着用)

キッチンカウンターにデンと置かれた「出汁スープ容器」の前へ

用意されていたビニール手袋を装着した手でおたまを掴み。

たっぷりの出汁スープを丼へと注ぎ込み、自分たちのテーブルに戻った。

白く色が変わった刺身を愛でつつ、すすり込むこと、しばし。

・・・う~~ん、たまらん。

魚(かつお節?)のダシが濃厚に薫る、幸せの味だ。

 

器のサイズこそ、やや小ぶりながら

見た目以上のボリュームに、お腹はいっぱい。

 

大切なことに気づいたのは

2人ともが一滴残さず、綺麗に平らげた後だった。

――あ、写真、撮ってなかった!

・・道の駅といっても大したことないだろう、なんて軽く考えてたから

デジカメは、ハナから車に置きっぱなし。

スマホこそ持ってきてはいたが、丼(料理の現物)を前にして以来

完全に頭が〈いただきます!)モードに入ったため

「撮影する」という旅記録の必須業務を、きれいさっぱり忘れてしまったのだ。

だから、ウマイウマイと書きながら、証拠写真は一枚もなし。

ま、いまどき、ググりさえすりゃ一発で出てくるから

気になるんだったら、ひと手間よろしく。

きっと、食べてみたくなるはず。

ちなみにお値段も、漱石さん1人で大丈夫なレベル。

 

もうこれ(お昼ごはん)だけで、来たかいがあったね!

今度来た時は、足柄牛にチャレンジしようか・・

すっかりご機嫌になって、食堂を後にしたふたり。

入口を挟んで反対側にある、農産物直売所&物販スペースに向かった。

「道の駅」に来たときのいつものパターンで、まずは格安の農産物を物色。

ダイコン・キャベツ・ジャガイモ・みかんなど

手ごろな値段と見るや、どんどんカゴに放り込んでいく。

名産品や銘菓など「おみやげ」っぽいものには余り興味が湧かないのだが

今回は、30%引き=賞味期限が迫っていた「浅漬けの素」を購入。

(さっそく翌日使ってみたら、さすがの味とコク。買ってよかった!)

 

ともあれ、ランチと買い物を済ませたところで、まだ2時半過ぎ。

このまま帰るのはもったいないと、近場の観光地をチェック。

246を走っていたとき、真正面に圧倒的な白い姿が見えていた富士山を

どっかいい場所で眺められないか・・と探した結果、

松田山ハーブガーデン」がよさそうだと、そこに決定。

あまり頭の良くないカーナビのガイドで

くねくね&行き止まりの道を行ったり来たりすること、およそ30分。

やっと、正門前にたどりつくと・・

そこには、無上のチェーン&立て看板が。

はい、その通り。「新型コロナのため臨時休業」ってヤツ。

この日初めて、「新型コロナ」を実感した瞬間だった。

 

それでも、やっばり諦めきれないAra-kanふたり。

最後のチャレンジとばかり、

ダメもとで、中津川上流にある「寄ロウバイ園」を目指すことに。

パンフの情報だと、1月半ばの今が〈花の盛り〉なのだとか。

しかーし。山間へと分け入ること10分ぐらい。

川沿いの道の脇に、無情の立て看板が。

『今年の「ロウバイ祭り」は中止となりました』

"いや、中に入れなくても、外から眺めることはできるかも・・"

一縷の希望を胸に、なおも車を走らせていく。

だが、ひとつもロウバイがも見えないふもとの入口。

ここで、ダメ押しの「車両進入禁止」と閉鎖ロープが待っていた。

 

いや、前もってネットで調べりゃ分かることなんだけどね。

オジサンたちは、スマホを使い慣れてないので、ついついチェックを怠り

現場で直面してから、「あ、調べときゃよかった!」ってなるわけ。

とはいえ、実際、〈行けばなんとかなる〉場合もあったし。

"いやー、気持ちいいドライブだったねー"ってことで、ヨシとしよう。

(事実、ガラガラの道をスイスイ走れて、ドライブとしては◎。

 ゴルフ場を大回りした帰り道も展望がよく、なかなか印象的だった)

 

結局のところ、右往左往したわりには「道の駅」にしか行けなかったが

それだけでも充分、「旅」を楽しめた1日だった。

午後6時まえに帰宅して開口一番、相方が発した言葉は

「明日もどこか行きまょう!」

そんなわけで、明日(14日)も、どっか行くことになった。

よし、今度はちゃんと写真も取るぞ。

 

ではでは、またね。