1月12日~15日まで国内旅行を予約していたが
「緊急事態宣言&不要不急の外出自粛への要請」などから
キャンセルを余儀なくされ
ゴミ箱の中に放り込まれたような気分で、ぽっかり空いた四日間を迎えた。
それにしても、「不要不急の外出」って、何?
たとえば余命半年を宣言された人が
"来年まで待てないので、断固としてお花見の旅に行きたい"
と主張し実行するのは、「不要不急の外出」に該当するのか否や?
・・などと、例によって具体的な線引きをするどころか
己の責任につながる約束をなにひとつ提示せぬまま
ひたすら〈自己責任しか行き着く先のない曖昧な自粛〉を唱える
どこまでも頼りにならない「お上」に呆れかえるうち
さんさんと日差しが降り注ぐ絶好の行楽日和に
4日間も自宅に籠って待機し続けるのが、アホらしくなってきた。
てなわけで、2日目の1月13日
可能な限り予防対策を心がけつつ、近隣の道の駅を訪ね回ることに決定!
この日は、国道246号線を西へ向かうこと1時間半。
松田町のあたりで県道78号線に分かれ、ちょっと行ったところにある
「道の駅 足柄・金太郎のふるさと」へ。
到着したのは1時15分あたりだったが、駐車場は8分ほどの込み具合。
平日の昼下がりにしては、なかなかの盛況ぶりだった。
そりゃそうだ。こんないい天気の日に、ずーっと自宅待機だなんて。
まして中高年だったら、外出せずじっとしていたら運動不足で体調を崩しかねない。
偉い人たちの言うことに全部従って、健康でいられるほど現実は甘くない。
結局、自分の身は自分で守るしかないってこと。
だ~れも、責任なんか取ってくんないんだからさ。
・・みんな、考えることは一緒なんだよね。
「道の駅」の賑わいにホッとするなんて、思ってもみなかったよ。
ま、重たい話はこのくらいにして。
以前から、国内旅行に出た時(特にレンタカーで回る場合)は
小休止ポイントを兼ねて、各地にある道の駅を訪ねるようにしている。
手頃な価格で、土地ごとの名物や特産品が楽しめるので
かれこれ10年以上にわたり、すっかり味をしめていたのだ。
ちなみに神奈川県内にある道の駅は、全部合わせても4カ所のみ。
そのうち、2年ほど前に「箱根峠」は訪れていたので
今回の「足柄」で2つ目となる。
四国・九州・沖縄・北海道などで巡った道の駅のように
新しい発見や驚きはないだろう・・と、あまに期待せずに入ったが
いい意味で予想を裏切る充実ぶりだった。
なかでも、「ふるさとゴハン食堂」と銘打った食事スペースは
〈土地のもの〉をふんだんに使ったオリジナルメニューが、勢ぞろい。
何を注文しようか、しばし迷ったすえ、2人とも意見が一致。
おそらく一番人気の「大きいさかなと小さいさかな丼(多分)」を選ぶことに。
要するに、まぐろ刺身丼・鉄火丼・シラス丼の三位一体バージョンだ。
食券を購入、半分ほど埋まったソーシャルディスタンシング済みテーブルで
待つことしばし。
番号を呼ばれ、キッチンカウンターに向かうと、
そこには、丼から溢れんばかりの大きな魚と小さな魚たちが!
まずは、たっぷのワサビを溶かした生醤油をタラリ。
いただきます!
・・おお。最近新鮮な魚を食べていなかったからかもしれないが、うまいじゃないか!
特に、まぐろの刺身とシラスは、笑みがこぼれるおいしさだった。
途中まで夢中で食べたところで、お盆に乗せられたもう一本の調味料に目が行く。
実は本品を受け取ったとき、お盆の上には「丼・醤油・ゴマダレ」の三品が
あたかも釈迦三尊像のように、立ち並んでいたのだ。
しかも、ランチョンマット代わりに敷かれたペーパーには、
このメニューの「おススメの食べ方」が、図解入りで紹介されていた。
それによると、①まずは、ワサビを溶かした生醤油を掛けて召し上がれ。
②次に、ゴマダレをかけて、違う風味を味わってください。
③最後は、ごはんと少量のお刺身を残し、出汁スープをかけてお茶漬けでどうぞ。
・・といった、3段構えの食べ方を順次楽しめるように工夫されていたのだ。
(文章&情報はうろ覚え。間違ってたらゴメンよ〉
てなわけで我らも、この有難いガイドに従い
途中で、「わさび醤油」から「ごまだれ」へとチェンジ。
残り3~4分の1になったところで
丼を手に、おもむろに席を立ち(むろんマスク着用)
キッチンカウンターにデンと置かれた「出汁スープ容器」の前へ
用意されていたビニール手袋を装着した手でおたまを掴み。
たっぷりの出汁スープを丼へと注ぎ込み、自分たちのテーブルに戻った。
白く色が変わった刺身を愛でつつ、すすり込むこと、しばし。
・・・う~~ん、たまらん。
魚(かつお節?)のダシが濃厚に薫る、幸せの味だ。
器のサイズこそ、やや小ぶりながら
見た目以上のボリュームに、お腹はいっぱい。
大切なことに気づいたのは
2人ともが一滴残さず、綺麗に平らげた後だった。
――あ、写真、撮ってなかった!
・・道の駅といっても大したことないだろう、なんて軽く考えてたから
デジカメは、ハナから車に置きっぱなし。
スマホこそ持ってきてはいたが、丼(料理の現物)を前にして以来
完全に頭が〈いただきます!)モードに入ったため
「撮影する」という旅記録の必須業務を、きれいさっぱり忘れてしまったのだ。
だから、ウマイウマイと書きながら、証拠写真は一枚もなし。
ま、いまどき、ググりさえすりゃ一発で出てくるから
気になるんだったら、ひと手間よろしく。
きっと、食べてみたくなるはず。
ちなみにお値段も、漱石さん1人で大丈夫なレベル。
もうこれ(お昼ごはん)だけで、来たかいがあったね!
今度来た時は、足柄牛にチャレンジしようか・・
すっかりご機嫌になって、食堂を後にしたふたり。
入口を挟んで反対側にある、農産物直売所&物販スペースに向かった。
「道の駅」に来たときのいつものパターンで、まずは格安の農産物を物色。
ダイコン・キャベツ・ジャガイモ・みかんなど
手ごろな値段と見るや、どんどんカゴに放り込んでいく。
名産品や銘菓など「おみやげ」っぽいものには余り興味が湧かないのだが
今回は、30%引き=賞味期限が迫っていた「浅漬けの素」を購入。
(さっそく翌日使ってみたら、さすがの味とコク。買ってよかった!)
ともあれ、ランチと買い物を済ませたところで、まだ2時半過ぎ。
このまま帰るのはもったいないと、近場の観光地をチェック。
246を走っていたとき、真正面に圧倒的な白い姿が見えていた富士山を
どっかいい場所で眺められないか・・と探した結果、
「松田山ハーブガーデン」がよさそうだと、そこに決定。
あまり頭の良くないカーナビのガイドで
くねくね&行き止まりの道を行ったり来たりすること、およそ30分。
やっと、正門前にたどりつくと・・
そこには、無上のチェーン&立て看板が。
はい、その通り。「新型コロナのため臨時休業」ってヤツ。
この日初めて、「新型コロナ」を実感した瞬間だった。
それでも、やっばり諦めきれないAra-kanふたり。
最後のチャレンジとばかり、
ダメもとで、中津川上流にある「寄ロウバイ園」を目指すことに。
パンフの情報だと、1月半ばの今が〈花の盛り〉なのだとか。
しかーし。山間へと分け入ること10分ぐらい。
川沿いの道の脇に、無情の立て看板が。
『今年の「ロウバイ祭り」は中止となりました』
"いや、中に入れなくても、外から眺めることはできるかも・・"
一縷の希望を胸に、なおも車を走らせていく。
だが、ひとつもロウバイがも見えないふもとの入口。
ここで、ダメ押しの「車両進入禁止」と閉鎖ロープが待っていた。
いや、前もってネットで調べりゃ分かることなんだけどね。
オジサンたちは、スマホを使い慣れてないので、ついついチェックを怠り
現場で直面してから、「あ、調べときゃよかった!」ってなるわけ。
とはいえ、実際、〈行けばなんとかなる〉場合もあったし。
"いやー、気持ちいいドライブだったねー"ってことで、ヨシとしよう。
(事実、ガラガラの道をスイスイ走れて、ドライブとしては◎。
ゴルフ場を大回りした帰り道も展望がよく、なかなか印象的だった)
結局のところ、右往左往したわりには「道の駅」にしか行けなかったが
それだけでも充分、「旅」を楽しめた1日だった。
午後6時まえに帰宅して開口一番、相方が発した言葉は
「明日もどこか行きまょう!」
そんなわけで、明日(14日)も、どっか行くことになった。
よし、今度はちゃんと写真も取るぞ。
ではでは、またね。