本当においしいナッツに出逢う カッパドキア&イスタンブールの旅 2019.11.28-12.5 2日目(中編) Ara-kanふたり旅

2019年11月29日(金) カッパドキア〔ギョレメ⇔ネヴシェヒル市内〕

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カッパドキアのニャン

いつまでもベッドの上でぼーっとしてると、日が暮れてしまう。

小休止は30分ほどに留め、まずは、ギョレメの郵便局を探すことに。

旅に出る前、ネットで調べたところ

「日本円からトルコリラに両替するならここがオススメ」、と出ていたのだ。

ホテルの位置さえちきんと把握していなかったが、なにはともあれ外へ。

グーグルのオフラインマップを起動し、郵便局を入力すると・・あったあった!

スマホのナビだけを頼りに、曲がりくねった道を行ったり来たり。

・・だが、直線距離で1キロも離れていないはずなのに、なかなか辿り着けない。

ナビに従って歩いているはずなのに、妙に遠回りしている気分なのだ。

しかも、「あれ? ここ、さっき通らなかった?」と、相方の声が。

ここにいたって、やっと気付く。

マップのナビは車だけに対応しており、一方通行の道の逆行は不可。

そのため、町を大回りするルートで案内されていたのだ。

さっそくナビをオフにし、マップに現在地と目的地だけを表示。

紙の地図と同じように使って、郵便局を目指すと・・わずか数分で到着!

郵便局というより出張所といった、小さなコンクリの建物で

ホントに、こんなところで外貨両替してくれるのかな? 

少々不安になったが、ドアを開けて中に入ると

やはり両替に訪れたのだろう、とふた組ほどの旅行者がベンチで待っていた。

しかも窓口に近づき、電光掲示板のレート表を見ると・・

成田はもちろんイスタンブール空港よりも、ずっとレートがいい。

・・よし、ここで一気に両替しちゃおう!

当初は旅の前後半で2回に分けて両替するつもりだったが

イスタンブール市内が一番レートがいい、という情報を得ていた)

全日程で使う予定の金額を、まとめて両替することに。

――といっても、5万円ポッキリだったが。

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街じゅう変な岩だらけ。すぐに慣れるよ。

こうして、時間はかかったものの、本日のミッション〈その1〉をクリア。

ふと時刻を調べると、すでに昼近く。

さっそく、ゲットした現地通貨を使って、トルコ最初の食事に向かう。

カッパドキア観光の中心都市・ギョレメは、

日本の感覚からすれば、地方の小さな町ぐらいの規模。

両側から迫る山の間を通っている一本のメインストリートの周辺に

カフェ、レストラン、土産物店、現地ツアーオフィスなどが軒を並べている。

我らふたりが入ったのも、その一軒・Cafe Sakakだった。

まずはオーソドックスなトルコ料理を、ということで

レンズ豆のスープとキミレット・ケバブ(トマトソースの利いた肉料理)を注文。

観光客の舌に合わせているのだろうが、予想したほど脂っこくなく食べやすい。

日本に比べて野菜の味が濃厚で、やたら美味しく感じた。

これなら、1日3食トルコ料理でもイケそうだ。

 

定番のチャイでランチを締めくくり、さて、残るは本日最後のミッション。

プリペイドSIMカードの購入&セッティングだ。

実は、旅に出る数日前、遅ればせながらストレージの大きいスマホを購入。

やっと念願の「翻訳アプリ」をダウンロードしたので

今回のトルコ旅行で、ぜひともアプリを使ったコミュニケーションを!

と、やる気満々になっていたのだ。

 

てなわけで、さっそくカフェの従業員に「プリペイドSIMカードの店はあるか?」

尋ねてみたのだが・・・首を横に振られてしまう。

この近所で入手するのは無理。

ネヴシェヒルまで行かないと扱ってない、とのことだった。

ガーン。

予想外の答えに、一瞬迷ったが

・・だったら、行ってやろうじゃないか、ネヴシェヒル

と、逆に闘志が湧いてきた。

 

さっそく、「地球の歩き方」をパラパラ。

ギョレメから近郊で一番大きな都市ネヴシェヒルまでの交通機関を調べると

・・あったあった、ミニバスが。

どうやら1時間に一本ほどの間隔で定期便が出ているらしい。

よし、これなら行けるぞ。

 

カフェを出て、歩くこと数分。町の中心部にあるバスターミナルに到着。

見ると、10数人乗りのミニバスが停まっており、頭の禿げあがったオッサンが近くの縁石に腰掛け、煙草をふかしていた。

にっこり笑って歩み寄り「ネヴシェヒル?」と訊ねると、大きく頷く。

これは幸先がいい!

さっそく料金(二人分で5トルコリラ=100円だったような気がする)を支払い

乗り込むと、ほどなくミニバスは出発。

途中、奇妙な形の岩を眺めながら、20分ほどでネヴシェヒルの大通りに入る。

右手にスーパーマーケットが見えたので、とっさに降車ボタンをプッシュ。

目指す中心街まで、まだ5~600メートルほど距離があったが

スーパーマーケット巡りは海外旅行で欠かせない楽しみのひとつなので

見つけ次第寄ってみる癖がついていた。

そんなわけで、喜び勇んでトルコを代表するスーパーMigrosに乗り込んだのだが・・

期待していたような「発見」はほとんどなく

展示法・品揃えともに、ごくありふれた街中のスーパーマーケット。

ま、そういうこともあるさ。

ちょっと気落ちしながら、県庁のある中心地を目指してトコトコ歩き出すと

100メートルほど先の左手に、どことこなく携帯ショップっぽい雰囲気の店舗。

目を凝らして看板を見ると、通信会社TurkTelecomの文字が。

――やった、たぶんあそこで行けるはずだ!

 

妙にあか抜けたガラスのドアを押し開け、壁一面にスマホが並ぶ店内へ。

持参したスマホを取り出し、「プリペイドSIMカード」と連呼していると

髭のお兄さんが「OK、OK」と答え、価格表を見せてくれた。

1週間自由にネットが使えて、120トルコリラ

イスタンブール空港の、ちょうど5分の3の値段だった。

迷わず、こちらも「OK」と返事すると

パスポートを預かり、もろもろの手配に取り掛かってくれた。

ところが、5分たっても10分たっても

なぜかお兄さんは、パソコン画面に張り付いたまま

どこかとの通信を繰り返し、その返事を待っている様子。

どうやら、これまで幾つかの国でSIMカードを入れてもらったように

その場だけで手続きが完了するシステムではないらしい。

パスポートナンバーなど個人情報をメールで確認し、登録する必要があるようだった。

このあたり、トルコには社会主義っぽい一面があるのかもしれない。

それでも20分ほど待つと、再び「OK!」の声。

無事、自在にネットが使えるスマホをゲットできたのだった。

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ネヴシェヒルのショッピングビル。荷物チェックがめんどくて入らず。

時刻は、まだ3時前。

せっかくネヴシェヒルに来たのだから、すこし街中を回ってみよう。

相方とも意見が合致し、大通りに沿って中心街を目指すことに。

警察署・県庁・ショッピングビルが並ぶ賑やかな通りをふらついていると・・

地元の人で賑わう、2階建てほどの商店が目に留まった。

何だろう? 近づいてみると、お客さんでごった返す店内には

アーモンド、カシューナッツクルミ、ピスタチオ、ヒマワリの種etc

多種多様な木の実が一杯に入った大きな麻袋が所狭しと並んでいる。

――ナッツの店だ!

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トルコに行ったら、ここでナッツを買う。これ決まり。

「トルコはナッツがうまい」と、いろいろなところで見聞きしていたので

観光客ではなく地元の人でこんなにも賑わっている店に出逢えたのは

まさに絶好のチャンス。

トルコ入国から数時間、正直まだ異国の雰囲気に馴染めておらず

積極的な行動に出れる気分ではなかったが

勇気を奮って、混み合う店内へ突入!

セットしたばかりの翻訳アプリを起動し

眉を上げて「なんか用かい?」と笑顔を浮かべる陽気な店員に

「200グラム単位でも売ってもらえますか?」と日本語で喋ったものを

トルコ語に翻訳した文章の画面を提示すると

チラッと目をやり「OK!」と再び満面の笑顔。

よしよし、ばら売りしてくれるなら、注文しちゃおう。

さっそくナッツで山盛りの袋を指差し、それぞれ200グラムずつ購入することに。

確かカシューナッツとピスタチオとアーモンドとピーナッツを

それぞれ200グラムずつ混ぜてもらったものを一袋。

さらに、ヒマワリの種を200グラム。

少なくとも、そのくらいは購入したと思う。

値段も日本で買うよりも安かった。

うろ覚えだけど、〆て2000円(100トルコリラ)は行かなかったはず。

 

それぞれ店名の入った丈夫な紙袋に入れてもらい

店を出るなり、さっそく・・カリッ!

――う、う、う、うまい~!! 

香ばしさはいうまでもなく、とにもかくにも、味が濃い!!

煎り具合も最高で、ピスタチオもカシューナッツもたまらん風味だけど

驚くべきはピーナッツの豊潤さ!!

日本で食べるピーナッツのあの軽い味とは、まるで別の食物だ。

こんなにも味わいの深いナッツを口にしたことは

間違いなく、生まれて初めてだった。

・・・やばい、1年以上前のことなのに

   これを書いてるだけで、よだれが湧き出してくる。

   俺は、パブロフの犬か!?

 

ともあれ、この余りに衝撃的な《出逢い》によって

2019年晩秋のカッパドキアイスタンブールめぐりに、またひとつ。

『ナッツを食べ比べよう』という、新たな目的が加わった。

 

 

ではでは、またね。

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せっかくカッパドキアに来たのに、こんな街なかをフラフラ。