異国の初日は、いつもオロオロ カッパドキア&イスタンブールの旅 2019.11.28-12.5 1日目~2日目(前編)Ara-kanふたり旅

何年も前から"絶対に行こう”と思っていた国(エリア)トルコを

ようやく訪ねることができたのは、ほぼ一年前のこと。

翌月、中国・武漢新型コロナウイルスが発見され

瞬く間に世界中へと拡散していくとは夢にも思っていなかった

ある意味〈最後の幸福な時代〉の記録である。

「悪いことなど何も起きない」と根拠もなく信じ込み

吞気にして能天気な旅を満喫していた自分たちが、うらやましくてならない。

 

2019.年11月28日(木) 1日目 成田空港⇒イスタンブール空港

 

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そこいらじゅうに岩がニョキニョキ

この日の出発便は

成田2300発、翌朝0545イスタンブール着 ターキッシュエアTK053。

21時までにチェックインを済ませればOKなので

たまプラーザからのリムジンバスは使わず

交通費節約のため田園都市線半蔵門線京成本線の最安ルートを利用することに。

しかし、15時過ぎに自宅を出て、京成青砥まで2時間以上もかかってしまう。

また、久しぶりの電車利用だったせいか、やけに荷物が重く感じる。

気持ちは変わってないのだが、やっぱり年を取ったんだなあ。

相方を苦笑を交わしつつも、20時半過ぎには無事成田空港にたどりついた。

 

いつものように、直接航空会社の発券カウンターには向かわず

ターミナルの隅にある旅行会社のカウンターを目指す。

今回は、カッパドキアイスタンブール、2つのポイントに絞った旅を選択。

事前に調べたところ、イスタンブール市内は問題なかったが

カッパドキア地方に関しては

の空港から中心地ギョレメまでの公共交通機関がやや不安だったため

航空券とホテルの予約に加え、空港からホテルまでの送迎もセットになった

いわば〈準フリーツアー〉を申し込むことにしたのだ。

おかげで、現地での移動を一任されているオッチャンとしては

空港からの乗り継ぎにアタフタする必要がなく、だいぶ気分が楽である。

 

旅行会社カウンターでエアチケット&ホテルバウチャーを受け取り

ターミナルエアのチェックインカウンターでスーツケースを預けると

あとは、時間を潰すだけ。

第一ターミナル上階にある、いつもの讃岐うどんをすすり(閉店したようす。哀しい)

ゴールドカードラウンジでガイドブックを検討するうち、いい頃合いになったので

お定まりの出国手続きをへて搭乗する。

機内はほぼ満席だったが、24時間前から始まるウェブチェックインで

最後方の窓側から2席を確保していたので、隣席を気にする必要はなかった。

 

初めて利用するターキッシュエアだったが

機内サービスについては、可もなく不可もなく・・と言いたかったのだが

離陸後まもなく提供された機内食が――異様に不味い。

魚も卵料理もバッサバサで、正直、食べられたものじゃなかった。

配られたアメニティも見るからに安っぽくて、嬉しくない。

(それでも、ちゃっかり持って行ったけどね)

生まれて初めて足を踏み入れるトルコという国に、一抹の不安を覚えながら

うつらうつらすること、11時間と少し。

 

11月29日(金) 2日目 イスタンブール空港⇒カッパドキア(ギョレメ)

 

トルコ時間の早朝6時前、イスタンブール空港に到着。

入国審査を受けたあと、国内線ターミナルへと移動する。

このあと、7時15分発TK2006便で

カッパドキアの最寄り空港ネヴシェヒルに向かうためだった。

・・なんて書くとスムーズだったように感じるが

実際には、入国審査ブロック何カ所もあり、どこに行けばいいのか右往左往。

また、寝不足でぼやっとした頭で空港内のショッピングエリアをぶらぶら。

スマホにセットするプリペイドSIMカードを売る店を発見した。

しかし、提示された価格は1週間有効で200トルコリラ(4000円)。

露骨な〈空港価格〉だったので辞退し、カッパドキアで再チャレンジすることに。

いや、そもそもこの時点で、所持していた現金は日本円とユーロとドルだけ。

「現地で両替したほうがレートがいい」という情報を信じて

まだトルコリラは一枚も持っていなかったのだ。

 

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朝もやにかすむトルコの大地

ともあれ、イスタンブール空港0715発のTK2006便に乗り込み

朝焼けに赤く染まる大地を眼下に眺める、およそ1時間半のフライトを経て

⇒ネヴシェヒル空港0845着。

よーし、ここまで来ればあとひといき。

そう思いながら、手荷物受取所でスーツケースを待つが・・いつまで待っても来ない。

――ひょっとして、またヤラカシてくれたのか!?

つい半年前、ジュネーブ空港で味わった「荷物不着&空港野宿」体験が脳裏をよぎる。

そのとき、空港職員らしき男性が現われ、我々を含めた日本人客を手招き。

別の部屋へと案内してくれた。

すると、そこに、我らのスーツケースが!

どうやら我らが待っていたのは、国内線のターンテーブル

国際線利用客の荷物は、隣の国際線ターンテーブルに到着するシステムだったのだ。

 

見慣れたスーツケースとの再会を果たし

今度こそ、到着ゲートから外へ。

と、荷物の受け取りに手間取ったせいか

人影もまばらな広い到着ロビーに、現地案内人とおぼしき数人の男たちの姿が。

最初に近づいてきたひとりに、ツアー会社の名前を告げると

それならこっちだ、と別の男性を指差される。

すると、濃い髭をたくわえた30代ぐらいのイケメン男が手を挙げ

流暢な日本語でワシらの名前を呼んでくれた。

相方のスーツケースを受け取り、駐車場に停めた車へ向かう。

――やれやれ、これでひと安心。

 

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ネヴシェヒル空港。周りには何もなし

ここ数年の旅では定番となっていた

「公共交通機関を利用した空港からテルまでの移動」が、今回はすべてお任せ。

自力で開拓する充実感がないのはちょっと寂しいが

現地通貨さえ持っていないのだから、この時点でほぼ選択の余地はない。

たまには、こんな旅もあっていいんじゃないかな。

岩だらけの荒涼とした車窓の景色を眺めながら

寝不足でぼんやりした頭で、そんなことを考えていた。

 

途中、運転手をつとめるガイドさんに

「これから1日ツアーに案内してもいいけど、どうする?」と聞かれた。

カッパドキアの名所をひと巡りし、最後に岩山を眺めながらシャンパンで乾杯。

ひとりあたり7500円で、タクシーを1日貸し切りで観光。

決して高くはない価格設定だったが、いくら効率がいいからといって

ガイド任せの「確認ツアー」に頼ってしまうのは、やっぱり心が動かなかった。

今日は寝てないし、ホテルでのんびりします――と言って、断ることに。

 

車を走らせること、およそ1時間。

あたりの岩山が、オブジェか彫刻作品のように見えてきたと思ったら

そこは、カッパドキアの中心地・ギョレメ。

今日から2泊する、洞窟ホテルのある町だった。

 

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ギョレメの街(の一部)

車は、大通り(といっても広くない一本道)を横切り

坂道をくねくねと登っていく。

そして、え? こんなところにホテルがあるの?

と思える、岩だらけの斜面の住宅街?

そこをさらに斜めににじり登った、工事現場の上に、目指すホテルはあった。

――ここを自力で見つけるのは、かなり難しいだろうな。

やっぱり送迎付きでよかった。

そう思いつつ、無事チェックイン完了。

旅行会社が手配してくれたのは、数部屋だけの小さな洞窟ホテル

さっそく、もとは家畜小屋だったという半地下の洞窟ルームに案内してもらう。

まだお昼よりだいぶ手前の10時半過ぎだったが、

幸い、部屋は空いており、そのままベッドに倒れ込むことができた。

 

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洞窟ホテル。目印がなく、何度も道に迷った。

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2泊した元家畜小屋。2カ所にベッドあり、助かった。

とはいえ、このまま寝るわけにはいかない。

まずなにより、日本円からトルコリラに両替しなくては。

続いて、ゲットしたトルコリラを使い、トルコで初めての食事。

次に、プリペイドSIMカードを扱う店を探し、持って来たスマホにセットする。

この3件をクリアした後、余裕があれば近所の観光を楽しむ。

――コンプリートを目指して、ミッションスタート!!

 

ではでは、またね。