「ごめんなさい」を言えない人が多すぎる 本日の”なんだかなぁ”

座右の銘、と言い換えることもできるだろう。

いくつかの”心に刻み込まれた言葉”を、折に触れては噛み締めている。

その代表格が、ローマ帝国の雄ユリウス・カエサルの名言だ。

『人は、自分の信じたいことしか、信じない』

 

ここ数ヶ月間、太平洋を隔てたアメリカ合衆国で繰り広げられている

茶番のような大統領選挙を巡る人々の言動もまた

この言葉の〈正しさ〉を、見事なまでに見せつけてくれた。

 

前回(今月4日)にも書いたことだが

大接戦の末、ほぼ敗北が確定した現アメリカ大統領ドナルド・トランプ

開票直後には、「我々の選挙は盗まれた!」と

根拠を示さぬまま不正選挙の疑いを声高に主張していたが

日を追うごとに、そんな言いがかりが通用しないことが見えてきた。

 

すると今度は、彼は何をしたのか?

アメリカ全土が新型コロナパンデミックに襲われているというのに

大統領の政務を投げ出し、引き籠りを演じはじめる。

日に日に増加する患者と死者には目もくれず

ごく限られたセレモニーに顔を出すだけで

なんとゴルフ三昧にふけっているのだ。

まったく、見事なまでにオノレのことしか考えていない、

天上天下唯我独尊ヤロウである。

 

だが、本当に恐ろしいのは、そんなロクデナシを

いまだに全アメリカ国民の半分近く(さすがに少しは減ってきた)が

『選挙に勝ったのはトランプ大統領だ』

『俺たちを救ってくれる英雄はトランプしかいない』

などなど、自分たちの信念をこれっぽっちも改めようとしないことだ。

 

自らの敗北を頑なに認めない――これはまだ、理解できなくもない。

だが、次期バイデン政権への政務引き継ぎを拒み続け

結果として、猖獗を極めるパンデミックを放置してしまうのは

誰が見たって、あまりに身勝手なおこないである。

少なくとも、本当に「国民のことを考えている」大統領の所業ではありえない。

しかも〈陰謀〉との戦いを諦めない彼が、代わり何をやったかといえば・・

コロナ対策ならぬゴルフ三昧。

そして、自分の意向に逆らう配下を次々首にする。

・・たったの、これだけ。

 

さらに、ようやっと、このままだと任期四年で終わる可能性を認めたのだろう

あわてて「大統領としての実績作り」に目覚め

何の前触れもなく、いきなり「海外派兵」を言い出す始末。

あまりの危うさに青くなった周囲の猛反対によって

かろうじて思い留まってくれたようだが・・

この言動ひとつからでも

トランプ大統領になってから海外での戦闘行為も、兵力増員も行なっていない。

 これは、歴代大統領のなかで極めて突出した偉業だ!

 平和を愛するトランプ大統領を、我々は熱烈に支持する!!」

などと熱狂していた一部の平和主義者たちの根拠を、完全にぶち壊した。

 

ドナルドが戦争行為に消極的で、海外派兵の人員削減に熱心だったのは

単に「その方が金銭的損失が少ない」からに他ならない。

もし彼が、軍需産業に関わっていたとしたら、この図式は簡単に反転していた。

それくらい、〈金勘定〉がすべてに優先しているのだ。

 

もはや、どこからどう見ても、ドナルドが〈裸の王様〉に過ぎないことは

お日様が東から昇るくらい、自明の理である。

しかしそれでも、支持者たちは、決して考えを改めない。

そして、口々に叫ぶのだ。

「彼の失策は、すべて陰謀によって捏造されたものだ!

 社会主義者たちがでっち上げるフェイクニュースに、騙されるな!」

 

これぞまさしく『人は、自分の信じたいことしか、信じない』

2000年余り前、イタリアに生まれ

彼の言葉に耳を貸さぬ反対派によって非業の死を遂げた

ユリウス・カエサルの言葉。

そのものである。

 

彼ら(トランプ支持者)は、決して

自分たちの判断が誤まっていることを、認めないだろう。

常に自分らの外に「敵」を作りだし、それに打ち勝とうと夢中になるいっぽう

自らの心の奥にひそむ《本当の敵》には、決して気づくことがない。

実際、コロナウイルスに感染し

いよいよ危ないとなった、その間際ですら

信じられない」「これはなにかの間違いだ」などと呟くのだとか。

 まったくもって”ナントカは死んでも治らない”、そのまんまだ。

 

アメリカ大統領選をめぐる今回の騒動?は

〈歴史〉によってもたらされた、極めて貴重な『反面教師』である。

ぜひ、持てる五感をフル稼働させて注目し

ひとりひとりの胸に〈得がたい教訓〉を、刻みつけていただきたい。

猛威を振るうパンデミックを含め、我々が生きるこの世界こそ

どうか失礼な表現を許して欲しい――〔史上最高の授業〕なのだから。

 

ではでは、またね。