私たち人間は、動物だ。
書いて字のごとく、動物は”動く生きもの”であるから
動かなく(動けなく)なってしまった場合
それは、”なんらかの制限下にある状態”であり
残念ながら、自らの命を100%燃焼できずにいる。
――極めて差別的な表現だと受け取り、激怒する方もいらっしゃるだろうが
あくまで〈生物としての機能〉を語っているつもりなので
どうか、オッサンのタワゴトと、余裕を持ってスルーしていただきたい。
で、この”動く生きもの”という動物(=人間?)の概念は
身体的機能に留まらず、精神的な働きにも適応される。
そう、私は認識している。
なので、《心が動かくなった人》もまた
己の生命を完全には活用できていない状態であると、考える。
ま、この程度のこと、大上段に振りかざさなくても
”恋をしている女性は、いくつになっても若々しい”。
みたいな事例を挙げれば、なんとなくわかってもらえるはずだが。
そんなわけで(どんなわけだ?)
どーも最近、心揺さぶられる小説に出会えないという不満から
またも『図書館戦争』の世界に引きずり込まれ
いい歳こいてときめいてしまった己への、自己弁護に替えてみた。
わざわざ宣伝するまでもなく
本書は、人気SF小説の代名詞「星雲賞」とともに
「ダ・ヴィンチ」誌の「好きな恋愛小説ランキング」で第一位を獲得した
超有名ベタ甘恋愛&近未来(おや、もう時代に追いついた)小説だ。
それでも、あえてひとつ絶賛するなら
なんといっても「会話=言葉の力」にトドメを刺す。
登場人物のひとりひとりが発する、言葉。
そこに込められた想いを受け止め
渾身の力で投げ返す、さらなる言葉。
こうした、いわば〔魂のキャッチボール〕が
読む者の心を包み込み、熱く揺さぶったかと思えば
反対に凍えさせ、かきむしり、斬りつけていく。
〈心の急所〉を正確に貫くこのテクニックが、天性のなのか
たゆまぬ努力の産物なのかは、さだかではない。
ただ、最終『別冊図書館戦争Ⅱ』の巻末インタビューに載っていた
作者自身の言葉は、私の核心を裏付けてくれるものだった。
有川 言葉ってほんとに、人を抱きしめる手段にもなるし、人を傷つける凶器にもなるんです。なので、その言葉の持っている力と恐ろしさを、もう少し意識してもらいたいですよる。何の気なしの言葉でも、すごく人を傷つけるし、これぐらい大丈夫だろうって思っても、相手には大丈夫じゃないこともあるわけです。最近権利を主張する人が、ちょっと多いなぁという感じがしています。言葉を使う権利はもちろんあります。でも、言葉を使うということは、同時に義務も発生するということなんです。その辺りをこのシリーズを読んで少しでも考えてもらえたら、嬉しいです。 (318ページ)
別の個所で『言葉は必殺技』なる言いまわしも使っている著者の
強い想いが伝わってくる一節だ。
そっくりそのまま、はるか東海上の大国で
「俺の投票は盗まれた!」と吠える身体ばかりデカイ大人子供に
ぜひとも読ませたい言葉である。
あれれ。
ときめきを主題にスタートしたのに
いつのまにか「言葉の持つ力」へとワープしてしまった。
いまだ読書途中の『恋愛ラボ』(現在12巻!)との相乗効果で
近年稀に見る〈ベタ甘モード〉になっているのに・・。
う~ん、トキメキについては
次回(?)の『恋愛ラボ』感想文でリベンジするか。
ではでは、またね。