GoTo北海道! 2020.10.18-21 1日目 やっぱり”空気”が違うよね Ara-kanふたり旅

2020年10月18日(月)

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ほとんど眠れぬまま、早朝3時半に床を出る。

追加料金のかからない時間帯を選んだため

羽田出発便は自動的に朝6時45分(スカイマーク)となった。

 

とはいえ、始発電車に乗ってたまプラーザを目指しても

5時の始発リムジンバスには間に合わず、第2便の5時25分発が精一杯。

時刻表通り空港に着いても、離陸時間まで残り35分しか猶予がない。

20分前までにチェックインできれば大丈夫、とはいうものの

途中でアクシデントが起きたら、乗り遅れる危険がある。

そこで、今回初めて「タクシーアプリ」を使い

朝四時半、迎えにきてもらうことにした。

 

しかし、前日午後に予約希望を入れたところ

・・「車の手配が出来ない」との返事が。

どうやら同じようなことを考える人はけっこういるらしく

始発電車が走る前の時間帯には、タクシー予約の花盛りだったらしい。

 

やむなくタクシーは諦め、始発電車の利用へと方針を変更。

それでも、支度を終えた4時過ぎからダメもとでタクシーを呼んでみると

やはり「送迎可能なタクシーはなし」との返答が。

やっぱり無理かぁ・・とこぼしながら、しつこく五分後に再チャレンジ。

すると――なんと、「あと15分ほどで到着します」が出た!

たまたま近くを通りかかったタクシーがいて

こちらからのリクエストに応えてくれたようだった。

 

結局、10分ちょっとで自宅前にタクシーがスーッと横づけ。

小雨のぱらつくなかを駅までスーツケースを引いて歩くことなく

始発便の5時より20分以上も早く、目指すバスターミナルへと到着。

時間の遅れを気にすることなく、ゆったり気分で羽田空港に向かうことができた。

 

第一ターミナルに到着したのは、5時40分。

ゆっくりバスを降り、目指すスカイマークの発券カウンターへ。

今回の航空券は団体扱いだっため、事前の座席変更は受け付けてくれなかった。

そこで、チェックイン時に座席変更ができないか試してみると

ラッキーなことに、窓側1席だけが空いているシートを数カ所発見!

ふたり揃って大の「窓側スキー」な我らは

迷わず前後1席ずつの窓側シートへと座席をチェンジ。

――これも、始発バス利用で早めにチェックインできたおかげだ。

 

スカイマークBC703 羽田発0645⇒0820新千歳空港

今回の旅で初めて利用するスカイマークだったが

ほとんどANAJALとサービスの違いはなく

気付いたのは、ドリンク有料ということぐらい。

キットカット1個とマスク1枚の無料配布もあった。

 

定刻出発&定刻到着とスムーズに旅程を終え

預けた荷物をピックアップして、予約していたレンタカーのカウンターへ。

でもって、空港の端っこにある受付カウンターの前は

そこだけ100人以上もの利用客でごったがえしていた。

みなさんこのツアー(HIS)の利用者なのだろう。

GoToがらみの格安ツアーの中でも、とびきり好条件だったことがよくわかった。

薄利多売を絵に描いたように、次々と番号札を渡され

営業所までピストン輸送を繰り返すバスに、順次乗せられていく。

確かにこれじゃ、事前に車のメーカー希望を受け付ける

なんてまだるっこしいことはやっていられない。

(いつも利用しているメーカーの車を借りれないか、数日前に連絡したが

 あっさり断られていた)

 

結局、レンタカーの営業所で案内された車は

相方が愛用しているホンダのフィットではなく、日産のノートだった。

それでも、コンパクトカーであることは一緒なので

多少手こずりながらも、無事路上へと発進することができた。

あとは、少しずつ慣れていくしかない。

ちなみに私は完全なペーパードライバーで、ナビ専門。

さっそく最初の目的地、今夜の宿がある富良野への途上にある

「道の駅 夕張メロード」を入力し

まず運転感覚に慣れてもらうため、一般道の経路を選択した。

 

すると、ナビはなぜか東(富良野)方向ではなく、北を目指して直進。

「あれえー、ホントにこの道でいいのかなぁ」とか首を捻っているうちに

マオイの丘公園という違う道の駅に着いてしまった。

とりあえず駐車場に車を止め、改めて地図とナビを見比べてみると

確かに一般道を選ぶと、いったん北に膨らむように走り

その後、東に向かうというルートであることが明らかになった。

どうやら間違えたわけではないらしいとわかり、一安心。

 

せっかく道の駅に着いたのだからと、

朝から何も食べていないお腹を満たすことに。

おりしも日曜日の10時過ぎ。

お洒落な鉄筋コンクリート造りの建物の周囲に

たくさんの地元の人がつめかけ、朝市が開かれていた。

さらに、出入り口付近には何軒もの出店が軒を連ねており

おいしそうな臭いが漂っている。

あちこちぶらつきながら、相方はカニまん(肉まんのアンがカニ肉)。

俺は、車で出店をやっていた「サバのくんせいドッグ」を選んだ。

しっかり燻製されたサバの半身とレモンが効いた、新鮮な味わいに感激。

去年の秋、イスタンブールで食べた「サバサンド」よりずっと美味しかった。

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メニューしか撮ってなかった・・

小一時間ほど「マオイの丘公園」で過ごし、ふたたび車をスタート。

のどかな平原の道を、一路東へと向かう。

それにしても、北海道の地方ロードはほとんど信号がなく、渋滞とも無縁。

それだけにスピードを出す車が多く、50キロ道路でも80~90キロは当たり前だ。

初めて乗る日産車、しかも長距離運転は久しぶりという相方は

なかなか速度を出すことが出来ず、後続の車にスイスイ追い抜かれていく。

でもまあ、急ぐ旅ではないし。何より安全第一。

 

見上げれば見事な秋晴れ。

澄んだ青空の下、黄色や橙の木々がパッチワークのように広がってる。

そして何より、この乾いた森の匂い・・・

やっぱり北海道は、日本よりもヨーロッパの気候に近い。

――これを体験しただけでも、やってきた意義があったなぁ。

なんて、車窓を彩る〈暖色祭り〉を愉しみながら

しみじみとした気分になっていく。

 

平原から林間、そして山合いへ。

少しずつ深くなっていく風景のなかを走ること、1時間あまり。

最初にカーナビに入れた目的地「道の駅 夕張メロード」に到着する。

さきほど立ち寄った「マオイの丘公園」とは異なり

生協とお土産コーナーが合体したような素朴な建物だった。

入って見ると、地元名産の夕張メロンを使ったお菓子が勢揃い。

でも、まだ旅は始まったばかり。お土産にしようという気にはなれなかった。

トイレに入り、ぐるっとひと回りするだけで、出発することに。

 

夕張から、さらに東へ小1時間。

3つ目のチェック(小休止)ポイント、「道の駅 自然体験しむかっぷ」に到着。

スキー場やトマムリゾートの入口に位置するだけに

ガラス張りのオシャレな建物に、いかにも「自然大好き!」風の品々が並ぶ。

センスのいい雑貨や文房が目に留まり、

野草のイラストがプリントされたファイルケースを買ってしまう。

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ちょっとあざとい素朴風イラスト

そうそう。ここまでほとんど触れてこなかったけど

空港から道の駅まで、どこに行っても、みんなしっかりマスクを着用していた。

着用率は、ほとんど100%。

首都圏だと10代や20代の若者を中心に、

どこに行っても1~2割は見かける〈マスク無視層〉が、見事にいないのだ。

これを「社会的圧力」と呼ぶ人もいるけど

少なくとも今回は、都会者の負け!――と言わざるをえないだろう。

 

ここからは進路を北へ変え、峠を越えて富良野を目指す。

相変わらず、対向車も信号も少ない

黄色やオレンジに染まった道をひた走る、快適なドライブが続く。

直接宿に向かっても、15時のチェックインには早いので

無料で立ち寄れる「ファーム富田」に向かった。

 

途中、なんでもない所だったが

あまりに陽射しと周囲と色調が美しく

思わず車を停めてカメラを向けてしまった。

ほんっとに、紅葉って、見飽きることがないよね。

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写し切れない、この美しさ・・

かれこれ20年ほど前、二人の娘と一緒に家族4人で訊ねたことがある。

その時は夏休みの始めで、ラベンダーも花盛り。

小学生高学年だった娘たちは

ここで「アイスクリームの手作り体験」に参加した。

しかし今は、10月も後半。

ラベンダーの季節は、とっくに終わっている。

――花の盛りでもないし、あまり期待しないでおこう。

 

と、いつもの小休止(&トイレタイム)のつもりで

「ファーム富田」の駐車場に車を停め、足を踏み入れてみると・・

これが、大当たり!

はるか東に連なる十勝岳連邦を背景に

赤・茶・緑に染まった花畑。

さらにそれを縁取るように黄色やオレンジの紅葉が。

強い紫が目に飛び込んでくる初夏の風景より

むしろ好ましく感じる、なんとも温かみのある暖色のパノラマが

くっきりとした日差しを浴び、どこまでも広がっていたのだ。

――やっぱり、来てよかった。

この旅で何度も繰り返す言葉を、呟いてしまう。

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いきなりこの景色

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このなにげなさが、最高

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空と雲も絶景の仲間入り

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とことんラベンダー色で統一

結局、なにも購入せず、1時間ほど「ファーム富田」に滞在。

早くも今回の旅に大満足して、駐車場へ。

15時過ぎ、カーナビに宿をセットし、車をスタートさせる。

来た道を富良野駅近くまで戻り、スキー場へ方面へ少し入ったところが

今夜の宿「リゾートインノースカントリー」。

 

大きめのペンションとでもい言えばいいのか

ちょっと古びた洋風の建物に入ると

愛想のいい女性職員が応対してくれる。

もちろんマスク姿で、入館時の手指消毒は是非モノだ。

あいにくコロナの影響から、ホテルのレストランは夜間休業中。

そこで、地元の人なら穴場を知っているのではと

若い女性職員に「お勧めの居酒屋は?」。

すると、「居酒屋でしたら『いろり』がお勧めです!」との返事が。

ホテルから富良野駅前まで歩いて35分ほどかかるというが

歩くのには、慣れている。

じゃ、そこに行ってみようかな。

 

案内された部屋は3階の端っこ。

エレベーターがないので、階段をえっちらおっちら登り

スーツケース他の荷物を運んでいく。

室内は、左にベッド2台、右に畳の四畳半という、和洋折衷のつくり。

正面の窓からは、野原や裏山の素朴な風景が眺め渡せた。

いびきがうるさい(と言われる)当方は

さっそく押し入れから布団を引き出し、畳の間に広げていく。

これぐらい離れていれば、相方も気にせず眠れるだろう。

 

さて、あとは美味しい晩飯を食べるだけ。

さっそく、グーグルマップで、教えてもらった「いろり」を検索。

・・・お、あった!

しかし――営業時間のところに、赤く「休業中」の文字が。

哀しいかな、日曜日は営業していなかったのだ。

他の居酒屋も調べてみたものの、どれも「日曜休業」。

ようやく、チェーン店のひとつが日曜日も営業中との情報を得た。

「しかたない。ここに決めよう」

ほとんど選択の余地もなく、駅近くのチェーン店を目指すことに。

 

10月とはいえ、ここは北海道。

あるだけの防寒具に身を包み、夕暮れ迫るホテルを出発。

スマホのグーグルマップを道案内に

人気のない真直ぐな道路をトコトコ歩き、空知川を渡って富良野駅方面へ。

真っ暗な道路沿いにかろうじて灯る居酒屋に入った。

他の多くの店が休みのせいか、店内はなかなかの混雑ぶり。

どうやら予約がいっぱい入っているらしい

――あ、そうそう。「GoToイート」が始まっていた。

予約すると、1000円分だかポイントがもらえるようになっていたんだ。

ワシらも一応チャレンジしてみたんだが

IDからパスワードやらで訳が分からくなって、諦めてしまった。

おそらく中高年で使いこなせる人は少ないんじゃないかな。

 

ともあれ、幸い10分ほど待つだけで、店の中へ。

席は〈個室スタイル〉だったので、周りを気にせずマスクを取ることができた。

「秋のお勧めメニュー」を中心に、ニシン、カニ、ホタテなど海の幸を注文。

さすがに素材の味は上々で、特に野菜類の旨さは北海道ならではだった。

しかし味付けの方は、よくある居酒屋チェ―ンの常で、少々濃い目。

総じて・・ま、こんなもんかな。という印象だった。

 

それでも帰りの支払い時、なんとか「地域クーポン」を使うことに成功。

今後の活用法に見通しがついたのは、大きかった。

なんやかんや2人分で1万円が使えるのだから、ここは有効に活用したいところだ。

 

店を出てから、せっかくだからと、富良野駅を見に行った。

すると、日曜夜という状況のせいもあったのか、駅周辺はほとんど無人

駅舎と街灯の光だけが、ぽっかりと空いた駅前広場を照らしていた。

・・他の多くの地方都市と同様、富良野の駅前も「シャッター通り」なのか。

通勤・通学客が利用する平日はともかく、

日曜の風景は、いつもこんな感じなのだろう。

確かにこれじゃ、居酒屋も商売にならないよなぁ。

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午後7時30分の駅前通

ちょっと寂しい気分を抱えたまま

夜7時過ぎの富良野駅からホテルへと戻る。

行きには開いていた店が、コンビニを除いてほぼ営業終了。

人通りがほとんどないのだから、これも当然か。

 

そして、ホテルに向かう暗い真直ぐな道を登り出したころ

頭上を横切るような細かい光の粒――天の川。

こんなにたくさんの星をいっぺんに見上げたのは、何十年ぷりだろうか。

ポツンポツンと離れて立つ街灯のほかに光がないため

文字通り「満天の星空」が広がっていたのだ。

 

またひとつ、得した気分でホテルに戻った。

酔いが醒めてきた9時過ぎ、大浴場へと向かう。

天然温泉でこそなかったが、小ぢんまりとした露天風呂もあり

星々の光を眺めながら、のんびりゆったりとつかることができた。

 

1日目だけで、この旅は元が取れた気がする。

 

ではでは、またね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実に7カ月半ぶりの「空の旅」。