最低でも年越しは確実となった新型コロナ・パンデミックのため
5月に予約していたアイルランド周遊の旅も
11月末のリスボン~バルセロナの旅もキャンセルせざるを得なくなった。
それでも、今月下旬で10年パスポートが無効になるので
「身分証明書にもなるし、まいっか」と
あまり深く考えず、更新の手続きを申請してきた。
向かった先は、横浜市センター南パスポートセンター。
昨年秋にオープンした新しい施設だ。
前回・前々回の更新(20年前)では
田園都市線沿線の自宅から何度か乗り換え
川崎駅近くのセンターに通ったことを考えると
段違いの便利さだ。
せっかくの近場だったので
散歩がてら、自宅から徒歩で行くことにした。
午後2時ごろに出発。
途中、ちょっと買い物を済ませ
3時半前には、センター南駅に到着した。
「構内の1階に施設がある」、と案内には書いてあったが
東急SCの南側から入ったせいか、案内板らしきものが、どこにもない。
それでも、1階に降りればわかるだろうと、下りのエスカレーターに乗ると
ようやく正面の壁面に、他の施設の表示よりかなり地味~な文字で
「センター南パスポートセンター」の表示を発見。
これ明朝? さすがお役所・・と変なところで感心してしまう。
ともあれ、通常の建物の3~4階分を一気におり
エスカレーターの出口に足を進めると、そこが目指す1階。
またも、案内板らしきものは見当たらず
左右をきょろきょろ見回すと・・
右手後方に広がるガラス張りのショッピングエリアの天井近く
鴨居?に相当するあたりに、これまた地味な「・・センター」の表示が。
しかし、一見すると飲食店らしきテーブル席が並んでいるだけ。
パスポートの気配は、まるで感じられない。
だが、"ま、書いてあるんだからこっちだろう"と
カフェ店内っぽいエリアに足を踏み入れ、前方に目をやると・・・あったあった!
30メートルほど先の正面に、大きなガラスの扉。
そしてその奥に、明るい照明を浴びた、妙にスカスカな空間。
――え? 受付終了? 今日お休みだっけ?
思わず足を止めてしまったが
よく見ると、ガラス扉の向こう側に、若い女性の姿。
どこか所在なさそうに立っている。
――よし。とりあえず、閉まってはいないようだ。
歩行を再開し、音もなく開いた扉の向こうへ。
「いらっしゃいませ、パスポートの更新ですか?」
みたいな言葉を、その女性に掛けられ
「はい、更新です」「申請用紙への記入は済んでいます」など
ほんの十数秒で確認を終えると、整理券を手渡され
「それでは、✖番窓口へどうぞ」
待ち時間なしで、10歩ほど先に並ぶ受付カウンターのひとつを告げられた。
見ると、横並び一列に10カ所ほど設置された受付は、すべて空席!
いや・・左手奥に一人だけ、私と同年配の男性が座っていた。
早い話、バレーボールコートほどもある「パスポートセンター」は
限りなく、貸切り状態に近かったのだ。
新規の申請者は少ないから空いてるだろう、と予想はしていたが
・・ここまでガラガラだとは。
期限切れでも更新しない人がほとんどなんだなぁ。
今さらながら、新型コロナの猛威を実感した
職員以外(ほぼ)無人の、パスポートセンターだった。
とはいえ、数少ない貴重な?利用者だったおかげで
手続きは極めてスムーズに進行。
デジカメ&パソコンでプリントした自作顔写真も
「ちょっとヨレてますね、それにピントが甘いかな・・」など不備を伝えられ
隣の写真館での撮り直しを匂わされたが
提出したのが、近年にない〈お気に入りの一枚〉だったこともあり
"うーん・・どうしようかな"的な困り顔をしていたら
このままだと申請を取り止めかねない、と思ったのだろうか
「ちょっと待ってくださいね」
いったんブースの奥に引っ込み(上司に相談した?)
再び出てくるなり、「はい、これで大丈夫です」とOKサイン。
よかったよかった。
実際、この顔写真がダメだったら
コロナ終息後に改めて申請しようと考えていたのだ。
めったにない〈独占状態〉だったからこそ
こうしたワガママも聞き入れてもらえたと、私は思っている。
ちなみに、上記のやり取りをしている間に、唯一の先客は退出。
「センター南パスポートセンター」は、完全な貸切空間になっていた。
なので、わずか十数分で更新手続きを終え
黄色い「パスポート引換証」を手に立ち去るときも
ガラス扉の内側にずっと立っていた案内嬢?に
「ありがとうございました」と、にこやかな声をかけてもらうことに。
――なんか、すごい、得した気分でセンターを後にしたのだった。
待ち時間、ゼロ分。
至れり尽くせり、親切な対応。
さらに、運が良ければ、全施設の貸切体験。
誰もが海外旅行を自粛している今こそ
実は、〈パスポート更新の好機〉だったりして。
ではでは、またね。