2017年5月31日(水)
まずは、フルーツをメインにしっかり朝食を摂る。
小型スーツケース&バックパック&貴重品用ショルダーバックの
三点セットをしっかりパッキングし、いざ本日の目的地に向けて出発。
昨日買った24時間チケットが期限内だったので
これを使って地下鉄ロジェ駅からブリュッセル北駅へ。
思ったよりも早く、予定より1時間早い列車に乗ることができた。
ここでも、ホームで列車を待っていたらフランス語らしきアナウンスが流れ
何か言ってるけどわかんないなー? と困ってると
近くにいた年配のご婦人が「こっちこっち」と手招きしてくれる。
どうやら列車の到着ホームが変更になったらしい。
教えてもらえなかったら乗り過ごしていた。
本当にベルギーの人は親切だ。好感度さらにアップ。
ところで、この日の目的(宿泊)地は
ベルギー南東部の丘陵地帯にある”世界一小さな町”デュルビュイ。
今回、ブリュッセルinパリoutの航空券を購入したとき
大都市ばかりに泊まるのは面白くない
せっかく自由旅行なんだから、どこか小さな町でのんびりしようか。
――という気持ちから、選んだスポット。
ブリュッセルからの経路も、さほど難しくなかったので
適当な宿を予約し、一泊することにしたのだ。
ちなみに、この日の移動経路は
ブリュッセル北駅1007⇒1101リエージュ1114⇒1204バルボー。
巨大なガラス屋根が何本ものホームを覆い尽くす駅リエージュから
観光列車のようなローカル列車でバルボーへ。
どちらも空いており天気も快晴。のどかで気持ちのいいショートトリップだった。
問題は、無人のバルボー駅についてから。
ここから目指すデュルビュイまで、およそ五キロ。
ガイドブックによると、公共のバスは当てにできないので
駅から10分ほど歩いたカフェでタクシーを呼ぶよう勧めていた。
しかし、英会話もままならない我らが選んだ手段は・・
「ゆっくり歩いても2時間はかからないから、このまま行こうか」
むかし山歩きで鍛えた健脚を信じ、徒歩で向かうことに。
最初の20分ほどは主要道路に沿いだったので、ちょっとキツかったが
細い道に入ってからは路上のネコ、草地の花々や馬などを眺めながらの快適な旅に。
真夏のようなカンカン照りで、木陰に入るたびに小休止したり
近道しようとして迷いかけたものの、1時間半ほどでデュルビュイに到着した。
街の中央にある広場は、多くの自家用車で埋まっており
観光地としての人気の高さをうかがわせた。
ほとんどが車で国内旅行を楽しむベルギー人のようだった。
カフェのテラスでビールのグラスを傾ける人々を羨ましく思いながらも
なにはともあれ、この大荷物を片付けなければ・・と
事前に連絡しておいた時間に宿につき、ドアホンを押した。
――何度押しても、返事はなし。
通りがかった観光客に心配されつつ、30分ほど待つが状況は変わらず。
このままでは埒が明かない・・仕方ない、試してみるか!
と、勇気を振り絞って連絡先に電話することに。
幸い、簡単な操作だけで国際電話できるケータイを持っていたので
番号を押すだけで即会話ができる状態だったのだ。
2回ほどのコールですぐに相手が出て、あとはカタコトで名前を告げ
「いま、宿の前にいる。ドアが開かないので、待っている」と伝えると
ほんの5分ほどで、車で駆けつけてくれた。
自宅は別の場所にあり、電話で呼ぶのが通常の段取りらしい。
にこやかに挨拶してきた宿のオーナーは、70代ぐらいの細身の男性。
すぐにドアの鍵を開け、階段を上がって部屋に案内してくれた。
2階のワンフロア丸ごとが我らの部屋。
それぞれベッドが3台は入るゆったりした寝室とリビングルーム。
ひょっとして、以前はお子さんが使っていたのでは?
そう感じさせるような、生活感が漂っていた。
ほぼこちらの会話能力の問題だったが
何度か聞き返しても、根気よく丁寧に部屋や鍵の使い方を教えてくれた。
ずっと気にしていた翌日朝のタクシー(デュルビュイからバルボー駅 )も
その場で電話予約してくれたので、大助かりだった。
あとは、予約票通りの宿泊費を直接支払い、
「明日の朝、鍵を部屋においといてくれればいい」と告げ
オーナーは笑顔で去って行った。
・・・やれやれ、これで一安心だ。
時刻はすでに14時近く。
散歩がてら、軽い昼食を摂ることに。
とはいえ10分も歩けばひと回りできるほどの小さな集落。
石畳の小道や、石造りのチャーミングな家々、窓辺を飾る鮮やかな花々など
絵本のような街並みには、特にこれといった見どころはなく
観光地らしき賑わいも感じられない・・と思ったら
チェックしておいたレストランが軒並み閉店状態だということに気付いた。
実はこの日(水曜日)は、週に一度の週休日だったのだ。
「グルメの街」という評判も高かったので、ちょっとガッカリ。
やむなく、広場兼駐車場に面したカフェに入り、ピールと軽食を摂った。
・・ともあれ、陽射しの下で飲むベルギービールのうまいこと!
あとは、もういちど川伝いに近所をぶらぶら。
褶曲地層がそびえたつ岸壁や、水遊びをする子どもたち、丘の上の古城に水車と
ほろ酔い気分でのんびりゆったり、そぞろ歩きする。
その後は宿に戻り、広々とした部屋で遅めの昼寝を満喫。
ちなみに宿の名前はLe Studio de Christine。
1泊といわず、3泊ぐらい滞在したい、居心地満点のホステルだった。
まだ昼間のような午後8時前。
のそのそ起き出し、街の入り口に一軒だけ開いている飲食店で
サンドイッチとビールを3本ほど買って、今夜の夕食とする。
ところが、宿が見えてきたところで・・
休業日だとばかり思い込んでいたレストランの軒先に、灯りが!
実は、この日の夕食にと密かに決めていた店だった。
なんと、夜だけ営業していたのだ。悔しい!
だったら入ればいいのだが・・もう買っちゃったなぁ・・と
〈もったいないオバケが〉文句を言い始める。
案の定、最初の予定通り宿食に決定。
――ちよっとばかしケチくさかったかなぁ。
ぶつくさいいながらも、サンドイッチ&ビールで大満足。
なんのことはない、安上がりな旅人ふたりだった。
ではでは、またね。