ベルギー&フランス旅行 2017.5.29-6.5 2日目 ブリュッセル&ブルージュ Ara-kanふたり旅

2017年5月30日(火) ブリュッセルブルージュ

 

朝起きて食堂へ行くと

そこは小中学生でごったがえしていた。

やはり学校か地域単位で泊まりにきていたようだ。

それでもスペースは広く、椅子もテーブルもたくさんあったので

余裕を持って座ることができた。

朝食はオーソドックスなコンチネンタルだが

パンは美味しく、フルーツの種類も豊富で大満足だ。

一人旅ちゅうの日本人女子大生と同席して、すこし話し合う。

テロの時イギリスに滞在していたので大変だったこと。

(そういえばこ少し前にロンドンで連続テロがあったんだ)

このあと帰国するが途中のアブダビでストップオーバーするなど

静かな外見に似合わず、なかなかのアグレッシブぶり。

やっぱ、男性より女子の方がたくましいようだ。

ちなみに、今回の旅のあいだ、宿で出会った日本人は彼女だけだった。

 

さて、腹ごしらえも終えて、プリッシュセル市内へ。

この日は、やらねばならないことがいっぱいあったのだ。

まずは歩いて地下鉄ロジェ駅へ。

ここでブリュッセル市内のメトロ、トラム、バス乗り放題の

24時間乗車券を購入する。

さっそくメトロに乗って、「蚤の市」を目指す。

駅を降りてから方向がわからず、きょろきょろしていると

すぐ通りがかりの人が声をかけてきて、教えてくれた。

 ごく自然に話しかけてくれるのが、けっこう嬉しい。

パリでなどでは何度も「見て見ぬふり」を体験したものだが

同じ西ヨーロッパで200キロも離れていないのに

国が違うとずいぶん人当たりにも差が出るものなんだな、と実感する。

 

苦労してたどりついた蚤の市だったが

例によって何も買わず、歩きながら眺めるだけだった。

旅を始めたばかりでもあり、ずっと持ち歩くのもなんだったし。

30分ほど会場をぶらついてから、迷いながらブリュッセル南駅を目指す。

この街は、意外に区画整理がヤワなのか、すぐ方向が分からなくなり

自分の居場所が掴めなくなってくる。

おまけにブリュッセルは北駅・中央駅・南駅の3つに分かれているので

ますます混乱してしまう。

しかもこの時はまだ、グーグルマップも使いこなせていなかったので

頼りになるのはガイドブックの地図だけ。

それでも、親切に教えてくれる地元の人々のおかげで

さほどの混乱もなく、中央駅~グラン・ブラスへと戻っていくことができた。

 

オシャレなお店がたくさん並んでいたが

いかにも〈高級!〉な雰囲気で、中に入る気分にはなれず。

そのくせ、途中見つけたスーパーで「ベルギー王室御用達ビスケット」を発見。

早くもお土産用に購入してしまった。

 

世界三大がっかり』のひとつ、「小便小僧」にも会いにいく。

確かに、像自体の高さは50センチほどと迫力には欠けていたものの

ガッカリしてほしくないのだろう

地元の人々が日替わりで違う衣装を着せていた。

この日は、サングラスをかけたバカンス風ファッション。オシャレ!

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小便小僧もバケーション中?

ベルギーの食べ物といえば、ベルギーワッフルは外せない。

我らも、この日の昼食にと決めていた。

だが、「歩き方」に載っていね有名店を眺めると・・

あまりに高級な雰囲気で、B級専門としてはやや腰が引けてしまう。

あっちこっちフラフラ回ったあげく

結局グラン・ブラスに面した観光客用の店ゴーフ・ド・ブリュッセル

昼食代わりのベルギーワッフルをいただく。

驚くほどのうまさではなかったものの、ボリュームは充分。

1個をふたりで分けて、ちょうどいいぐらいだった。

 

お腹を満たした後は、明日移動する切符を購入するため

ふたたび中央駅へと歩いて戻る。

切符売り場ですぐに目的のチケットは入手できた。

さて、じゃあこの後はどうしようか・・

と午後の予定を考えたところで

一日じゅうブリュッセルを歩き回るのも疲れそう

(例によって石畳なので2時間も歩くと足が痛くなってくる)

ブルージュなら片道1時間で行ける!

――ということに意見が一致。

急遽、ブルージュへの往復切符を買うことにした。

 

すると、チケット売り場の黒人女性が

「それならこっちがお得よ!」と一枚の大きな切符を差し出した。

つたない英語のやりとりを何度も交わして分かったことは

77ユーロでベルギー国内ならどこでも10回乗り降りできる

Rail Pass というスグレモノと判明。

いわば、「青春18きっぷ」の特急版だった。

この親切な提案のおかけで、明日の移動を含めた電車賃は半額に!

ブリュッセルブルージュ(30日)

ブリュッセル⇔バルボー(31・1日)

これだけ使っても、まだ4回分残っているという太っ腹ぶり。

ますますブリュッセルが好きになってしまった。

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どこに行っても 列車の旅はホッとする

幸せな気持ちで特急列車乗り込み、田園風景のなかを走ること1時間。

フランドルの〈水の都〉と呼ばれるブルージュに到着した。

こぢんまりした駅舎から、街を縦横に流れる水路を眺めながら旧市街へ。

確かに、どこを見ても、木々と水と洋館ばかり。

フランドル絵画の題材になりそうな、絵本そのものの風景が広がる。

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街の周囲は「絵本の世界」

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屋根飾りもオシャレ

ところが、国内有数の観光地だけあって、街の中はどこも人でいっぱい。

とてもゆったりのんびりという気分にはなれなかった。

町はずれにポツンと立つ風車は訪れる者も少なく気持ちよかったが

広場や大聖堂は縁日のような賑わいで、正直疲れた。

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ブルージュで一番気に入った風車

ただ、ブルグ広場の一角に建つ「聖血礼拝堂」は

なんか雰囲気があって入ってみたのだが・・すごく良かった!

12世紀に十字軍に参加したフランドル伯がコンスタンチノープルから持ち帰った

「聖血の遺物」が奥の祭壇に収められており。

たまたま入った時が開帳時間だったため、それを見ることができたのだ。

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右の赤っぽい建物が「聖血教会」 穴場!

ひとりひとり階段を上がって「遺物」を手にした女性の前に立ち

10センチほどの至近距離から、細長いガラス容器に入った深紅の聖血(脱脂綿にしみ込ませてあった)を、じっと観察させていただいた。

後で気付いたが「寄付箱に寄付金を入れる」と「歩き方」に書いてあった。

でも、見せてくれた女性もニコニコ笑うだけで、寄付箱に目もやらなかったし。

この件もだけど、なんかベルギーの人って、鷹揚なんだよね。

そういえば、この国にいる間、ホテルで騒いでいた子供たちを別にすれば

怒ったり大声を出したりする人を見た記憶がない。

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中央にある檀上の女性が「聖血」を見せてくれた

午後5時?ぐらいに、ブルージュ駅に戻り、ふたたびブリュッセル中央駅へ。

ちょっと歩くと足が痛くなるので、電車の中で休めるのが嬉しい。

昼食が軽めだったので、そのままグラン・ブラスまでぷらぶら歩き

広場に面した伝統ベルギー料理店「ケルデルク」に入り

名物の「牛肉のビール煮」と「サーモン料理」に舌鼓を打つ。

「夜は混むので早めに行こう」と書いてあったとおり

店に入った19時頃はガラガラだったが

食事を終えた20時過ぎには、ほぼ満員状態になっていた。

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入店時の「ケルデルク」

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1時間後には・・このとおり

あとは、腹ごなしがてらグラン・ブラス周辺を散策。

ウインドウショッピングを楽しんだり

少しずつ明かりが灯っていく広場の建物を眺めたり。

明るいうちはややハデハデな雰囲気のグラン・ブラスだったが

夕暮れが迫り、建物に灯が入るにつれ

全体が落ち着いたシャンデリアのように、きらめき始めていく。

なかなか立ち去る気になれず、広場を縁取る石段に腰かける。

夜に傾いていくグラン・ブラスを、飽きることなく眺めつづける。

――グラン・ブラスは夜に限る!

なんて勝手に決めつけて、22時過ぎまで夜景を楽しんでいた。

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グラン・ブラスのゴールデンタイムが始まる・・

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桜で言えば・・3分咲き?

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写真だとこれが精一杯

ここで終われば、美しいのだが。。

昨夜に続いてこの夜も、部屋の外でドタンバタン!キャハハハ!

子供たちのお祭り騒ぎがくり広げられることに。

10分たっても20分たっても、終わらない。

たまらずベッドから起き、ドアをそっと開けると

隣室のドアの前に小学生らしき3人の男女が、ハッとこっちを見た。

とっさに人差し指を口の前に立て「シー!」と、警告を発する。

すると、やっと気づいたのか、あたりは静かになった。

・・・ほんの数分だったけど。

ま、しょーがないか。

子供だけの団体旅行だもんな。

そりゃ、はしゃぐよね。

言うだけ言って?気が済んだのか、いつのまにか眠っていたし。

 

ではでは、またね。