安倍首相辞任会見 見た目はいい人・・なんだけどねえ 本日の”なんだかなぁ”

とうに山ほどの感想&意見が寄せられているとは思うが

たまたま安倍総理の記者会見を観ていたので

これもなにかの縁と思い

気づいたことを並べてみたい。

 

まず、珍しく「自分の言葉」で喋っていることが印象深かった。

なんだ、カンペ無しでもちゃんと話せるじゃないか。

官僚がこしらえた回りくどい駄文読み上げるよりずっと好感がもてるのに。

――どうして最初からそうしなかったのだろう。

 

それと、既に退陣を決めたおかげか

いつものピリピリした雰囲気が感じられず

「プロンプターなしの件」に関する答弁あたりで微笑む首相には

ふと好感を抱いてしまうぐらいだった。

こんなにいい顔も出来る人だったのだと、気づかされた次第である。

 

個人的な空想でしかないかもだが

おそらく安倍晋三という人は

真面目で仕事熱心で周囲への気遣いもできる

基本的には「いい人」なのだろう。

徹頭徹尾自分の利益しか考えず

傲然と嘘を吐き続ける元アメリカ大統領とは、まさに月とスッポンだ。

ま、だからこそ、ストレス性の大腸炎

2度も苦しまされることになってしまったとも、いえるのだが。

 

ではなぜ、そんな「いい人」が

森加計桜などなど次から次から発覚するスキャンダルから逃げ続け

自らが任命した政治家たちのドジに対する責任をいっさい取ろうとしないのか。

回りのベテラン議員らが発する〈悪相〉や〈暴言〉にガッカリするたび

――結局、こいつらに好き勝手に利用されただけではないのか?

そう、邪推してしまうのだ。

 

もちろん、「人は外見(だけ)ではない」ということは承知している。

しかし、あまりにも〈目つき顔つき〉〈言葉遣い〉が悪すぎる数名の政治家が

「日本を動かしているのは俺たちだ!」と言わんばかりの態度で

首相に助言やアドバイスを与え続けていた。

結局、彼は――いい人だから、

これら《傲慢なるコバンザメ》たちの要求を断り切れずに受け入れ

――いい人だから、尻拭いを押し付けられてしまったのではないのか・・。

安倍政権には否定的だった当方がそんなふうに考えてしまうほど

ある意味意外な記者会見であった。

 

そういう意味では

「ご苦労様のひと言も言えないのか」

「あまりにも失礼ではないか」などなど

質問を放ったマスコミ関係者に対する批判的コメントが相次いだのも

この、首相の〈見た目の良さ〉が

加害者⇒容赦のないマスコミ、被害者⇒病弱な安倍晋三という

とてもわかりやすい構造をイメージさせたのだと考えたい。

 

だが、それはあくまでも視聴者が

記者会見というワンシーンから受けた〈イメージ〉にすぎない。

 

ここに至るまでの数年間。

自分の仕事に誇りを待つマスコミ関係者は

どれほどこの首相に質問や追及をはぐらかされ

それどころか、都合の悪い事を訊いてくるという理由で

記者会見の場から締め出されてきたのか。

また森加計は言うまでもなく、自殺した官僚の問題に訊く耳を持たず

河井克行・安里議員の任命責任も一切取らず

コロナをはじめ問題山積みのこの時期に質問から逃げ回り

臨時国会すら開こうともしない――

そんな徹頭徹尾の無責任姿勢にはらわたを煮えくり返らせていた彼らに

〈辞任します→ご苦労様でした〉なんて和やかな対応、できるわけないでしょ。

 

どうか、極めて幼稚な〈見た目の印象〉だけで

ロクに考えもせず、「いい」「悪い」を判断しないでほしい。

 

それから、もうひとつ。

昔から、この国には、どんな極悪人でも

去っていく人(死者も含む)の罪状を水に流して

賛美し惜しんでしまうという、《悪しき倫理感》がある。

(元をただせば太古の昔から続く怨霊信仰のせいなのだが・・)

今回の辞任会見に対する大方の反応でも

「病人をいじめるな」「これ以上責めたら可哀想だ」

といった感情的な脊髄反応ばかりが取り上げられている。

誰よりも重く厳しい責任を背負った日本の総理大臣を

近所のオジサンの病気退職とまったく同じレベルで「可哀想」と判定し

前代未聞の不祥事までをも《水に流し》、忘れ去ろうとしている。

――そんなんで、ホントにいいの?

 

結局、この人は、後任問題も含めて、ぜーんぶ丸投げしてるんだよ!?

それも、緊急入院の必要もなく、議員引退も否定したまま。

普通の社会人だったら、許されることなのかな?

――そんなんで、ホントにいいの?

 

どうか、ひとりでも多くのひとが

上に述べたことの怖ろしさに、気づいてくれますように。

 

これ以上腹を立てると健康に悪いので

明日からしばらくの間は、旅の回想で心を癒すことにした。

2017年5月29日~6月5日に実施した、ベルギー&フランスの旅。

Booking.comを使い始めた頃なので

宿にまつわるトラブルやエピソードがてんこ盛りだったなぁ。

 

ではでは、またね。