2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧
常々、辻村深月の作品は 『✖✖小説の皮をかぶったファンタジー』だと捉えている。 その伝でいうと、本作は『犯罪小説の皮をかぶったファンタジー』だろう。 どうして「ファンタジー」なのか? ーーしばしば、"〈強い想い〉が〈現実〉を凌駕してしまう"からだ…
新刊の登場が待ち遠しい 数少ないマンガ作品のひとつである。 題名からも推測できるが 本作は、19世紀の中央アジアに暮らす 若い女性たち(乙嫁=美しいお嫁さん)が主人公の物語である。 従って、ストーリーの背骨として中心に据えられるのは 「誰と共に…
いまこのときになって、後出しジャンケンのように 皇居方面から「東京オリンピック(強硬)開催を遺憾に思う」という お言葉が、漏れてきた。 こちらの性根が、おもっきし捻じ曲がっているせいだろう。 どうしても、オリンピック後に感染爆発した時の"いいわ…
2016年6月9日 リスボン⇒ポルト市内 "古城ホテル" Castel Santa Catarina・・今も頑張ってるかな? 地下鉄マルケス駅から、およそ2分。 何の変哲もない住宅街のなかに、目指す建物はあった。 壁でかこまれた広いエントランスを登ると 庭園とセットにな…
2016年6月9日(木) リスボン⇒ポルト市内 "世界で三番目に美しい本屋"「レロ・エ・イルマオン」階段裏の装飾 中央部分が公園になった市庁舎前の大通りを 300メートルばかり南に進むと 前方に古い街並み、右手やや上に教会の塔が見えてきた。 いよい…
2016年6月9日(木) リスボン⇒ポルト 旧市街にあった、ポルトの地名表示。なかなかオシャレ。ホテルの朝食は、団体客御用達のビュッフェ方式。 特に美味しくもなく不味くもなかったが レストランフロアにいた客の9割以上(ほぼ全員)が、ブラジルから…
遅ればせながら、新型コロナのワクチン接種を受けてきた。 各地での大規模接種が始まった先週あたりから ようやくネット予約が入るようになり 1人分だけ空いていた(大規模接種を受けたと思われる)集団接種の 本日午後のワクに滑り込むことができたのだっ…
「世界をリードする7カ国が一堂に会するG7サミットは 各国首脳の顔合わせでも、懇談会でもない。 年に1度しか開催されない 各国のプライドをかけた"ガチンコ勝負"の場である。 ・・・だというのに、なんなのだ。この存在感の希薄さは。 なによりも――これ…
わかりやすい笑い。 たとえば、テレビのバラエティ番組で お笑い芸人(くずれ)が着ぐるみじみたオーバーアクションとともに 目玉をかっと見開き、大声で叫んだ瞬間。 待ってましたとばかり、ガヤ(笑い声)の音声素材が鳴り響き 同時、画面の下半分を埋め尽…
殺人・傷害・誘拐・テローー 現実の社会ではめったに起きない事件やトラブルが 主人公たちの周囲に限って、恐るべき高頻度で勃発する。 しかも、次から次へと容赦なく到来する危機を 彼ら彼女らは、計ったような間一髪のタイミングで回避。 誰もが不可能と断…
最終第4巻。 表紙の見返しに記されたひと言に、まずは"ひと唸り"。 魔法みたいな17年でした。 そう。本作は、まるごとひと世代ぶんという歳月をかけて ようやく完結した物語なのである。 これはあくまでも、主観的な印象だが・・ クライマックスの前に、…
春・夏・秋・冬、と季節は巡り 一つの季節の終わりは、新たな季節の始まりでもある。 しかし、今を生きるすべての命に、その〈常識〉は適用されない。 我ら人間もまた、ただひとりの例外もなく、二度と再び巡り来ることのない ひとつひとつの"季節"を踏みし…
2016年6月8日(火) リスボン市内 サン・ジョルジェ城からテージョ川を臨む ようやく傾き始めた陽射しのもと 旧市街アルファマのくねくね曲がる坂道を登りつめた先に サン・ジョルジェ城の入り口があった。 時刻は19時ちょっと前。 ユリウス・カエサ…
今日(6/9)の昼間、外に出てみたら(at横浜) 強い日射しの割に涼しい風が、5年前のリスボンに似ていた。 もっと乾燥してたかもしれないが 日陰に入れば案外気持ちが良かったり。 そういや日本も北半球の国だっけ・・と再認識。 ともあれ、ちょうど今日…
日常生活と違い、旅の記憶は、いつまでも鮮明に蘇ってくる。 あれから5年も経っていたとは・・。 時間経過が早すぎる。 きっと人生最後の日も、同じような感慨を抱くのだろう。 2016年6月7日(火) 成田⇒ドバイ(⇒リスボン) リスボンといえば・・ジ…
事件・災害・スキャンダルなど さまざまなニュースに接するたびに込み上げる "それは違うだろう!" "こんなデタラメなことが、なんでまかり通るんだ!?" といった戸惑い、失望、疑問、怒りなどを 簡潔な表現で、力強くも優しく代弁してくれる ――近年滅多に…
『わたしが書くことを選んだのではなく、 書くことがわたしを選んだといいたい気持ちです』 (304ページ) デビュー後まもない頃の、作者のことば。 一度でいいから、こんなカッコいいこと呟いてみたいよね。 いつも読んでいる「エンターテインメント」と…
タイトルが示すように 日本最強の鉄砲傭兵軍団・雑賀衆の流れを引く天才少年 左利きの鉄砲使い小太郎を巡る物語である。 だが、ページを繰る私の目は 小太郎との出会いによって人生を急転させてゆく 戸沢家の猛将・林半右衛門(はやしはんえもん)の言動ばか…
ものすごく、読み終えるのに時間がかかる作品である。 なぜなら、ページをめくるたびに本を持つ手が動かなくなり ひとコマひとコマの絵を、何度もじっくり見入ってしまうからだ。 これまで半世紀以上、少なくとも数百作を読んでいるが 似たような体験をした…
まず、彼女の置かれた特殊な立場を論ずる前に 指摘しなければならないのは、《報道というの名の暴力》の凄まじさである。 さすがに、Webを駆使した全世界規模の情報ネットワークにより テレビ・ラジオなど権力とつながる大組織にニュースソースが限られてい…